債券は堅調か、指標落ち込みで米株安・債券高―中期債買い期待も(2)

債券相場は堅調(利回りは低下)な展開 が予想される。前日の米国市場では、鉱工業生産や住宅着工統計が予想を下回 り、景気の一段の悪化が示されたことで株安・債券高となった。こうした地合 いを引き継ぎ、買いが先行する見通し。また、早期の日銀利上げ観測後退を背 景に短中期債の堅調推移が継続すると見込まれることも支えとなりそうだ。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、前日の米 債市場で利回り曲線がブル・スティープ(傾斜)化しており、円債市場もこう した地合いを引き継ぐと指摘。「相場は上伸し、利回り曲線は中期債以降でス ティープ化すると見込む」と予想する。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値133円15銭を上 回る水準で始まった後、日中は133円30銭から133円70銭程度のレンジで推 移しそうだ。17日のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値に比べて28銭 高い133円43銭で引けた。清算値は133円42銭。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、この日の相場について、 買い先行後にもみ合い推移になると予想している。

17日の先物相場は大幅高。20年債入札が市場予想通りの結果となり、無 事に通過したことを好感して、先物中心限月は133円台を回復した。前週末の 白川方明日銀総裁発言に加えて、一部報道を受けて、米連邦準備制度理事会 (FRB)の利上げに懐疑的な見方も出て、短中期債を中心に買い戻しの動き が続いた。9月物の日中売買高は3兆6323億円。

新発10年債利回りは1.80%付近か

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日終値1.83%を下回っ て始まり、日中ベースでは1.80%をはさんだ展開が見込まれる。

前日の相場上昇をけん引した中期債相場の動向がポイントになりそうだ。 UBS証の道家氏は、日米欧の金融政策について、①日銀の年内利上げの可能 性が小さい②FRBの利上げに対する市場の織り込み度合いは行き過ぎ③EC Bは連続利上げを想定していない―などの見方が広がりつつあると指摘し、 「中短期債のショート(売り持ち高)筋は買い戻しを余儀なくされている」と いう。

日本相互証券によると、17日の現物債市場で新発10年物の293回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い1.885%で取引開始。その後は、 徐々に水準を切り下げ、5.5b低い1.825%まで低下した。終値は5bp低い

1.83%。

一方、10年物国債の292回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると

1.819%だった。

米国市場は、株安・債券高-指標落ち込みで

17日の米国債相場は上昇。2年債利回りが低下した。米景気の一段の悪化 が示されたことから、米利上げ観測が後退している。

先物市場動向によると来週開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)会 合で利上げが決定されるとの見方は後退している。午前に発表された住宅着工 件数と鉱工業生産指数が落ち込みをみせたことが背景だ。先週の2年債利回り は過去26年で最大の伸びを記録。バーナンキFRB議長がインフレ期待の高 まりを「断固阻止する」と表明したのが材料となった。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後2 時21分現在、2年債利回りは前日比10bp低下して2.93%。一時は12日以来 で最低の2.87%に下げた。

一方、米株式相場は下落。ゴールドマン・サックス・グループが金融機関 は損失補てんのため、650億ドルの追加増資を余儀なくされると予想したこと が売りを誘った。住宅着工統計と鉱工業生産指数がともに市場予想を下回った ことも売り材料。

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