6月17日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:下落。ゴールドマン・サックス・グループが金融機関は損失補て んのため、650億ドルの追加増資を余儀なくされると予想したことが売りを 誘った。住宅着工統計と鉱工業生産指数がともに市場予想を下回ったことも 売り材料。

米銀行持ち株会社のザイオンズ・バンコープは8年ぶりの大幅安。同社が 不良債権からの損失が拡大すると予想したことに加え、ゴールドマンが地銀に ついて慎重な姿勢を維持したことが売り材料視された。S&P500種株価指数 の銀行株指数は全23銘柄が下落し、同指数は1996年以来の水準に落ち込ん だ。鉱工業生産指数が予想外に低下したため、航空機メーカー大手の米ボーイ ングや農業機械大手ディーアも安い。住宅着工戸数が過去17年間で最低水準 に落ち込み、レナーなど住宅建設株も売られた。

S&P500種株価指数は前日比9.21ポイント(0.7%)下げて

1350.93。ダウ工業株30種平均は108.78ドル(0.9%)安の12160.30ド ル。ナスダック総合株価指数は17.05ポイント(0.7%)下落して2457.73 で終了した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対2。

プロビデント・インベストメント・カウンセル(カリフォルニア州パサデ ナ)の運用担当者、リチャード・キャンパーニャ氏は「原材料や商品の供給を 増やすような企業が成長する。一方、長期にわたるレバレッジ解消から金融株 は苦戦するだろう。この構図は今後数年間、変わらないと思う」と述べた。

ゴールドマンが朝方発表した決算が市場予想を上回ったため、株式相場は 高く始まった。

地銀

ザイオンズは10%安と、S&P500種の構成銘柄で下落率首位となった。 同社は規制当局への提出文書で、西海岸南部の住宅建設の弱さと地価の下落が ローンに打撃を与えている状況が「2009年まで続く」との見通しを示した。

ゴールドマンはマーシャル・アンド・イルズリーなどの地銀株を売り銘柄 に指定した一方、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンやステート・ストリー トなど信託銀行の買いを推奨した。マーシャルは5.2%安。

追加増資

バンク・オブ・アメリカ(BOA)やJPモルガン・チェースなど大手銀 も安い。ゴールドマンは17日、米銀の貸倒損失や資産評価損は2009年1- 3月(第1四半期)まで続くため、今後さらに650億ドル(約7兆340億 円)の増資が必要となる可能性があると指摘した。また、信用市場の環境を悪 化させる住宅価格下落は今年いっぱい続くと予想した。

アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は5.1%下げ、ダ ウ平均の構成銘柄で下落率トップとなった。住宅関連部門での人員削減費用と して、4―6月(第2四半期)に税引き前で2700万ドルの費用を計上すると 発表したことが嫌気された。

S&P500種の銀行株指数は4.2%安、金融株指数は2.9%下落した。

経済指標

5月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象)は前月 比0.2%低下(前月0.7%低下)した。これで2カ月連続マイナス幅。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.1%上昇だった。 鉱工業設備稼働率は79.4%(前月は79.6%に修正)と、ハリケーン「カトリ ーナ」が襲来した直後の2005年9月以来の低い水準だった。これを嫌気し、 ボーイングやディーアが下げた。

S&P住宅建設株指数は15構成銘柄中、レナーを中心に13銘柄が下げた。 5月の住宅着工件数は前月比3.3%減の97万5000戸と、過去17年間で最低 水準に落ち込んだ。また、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト の予想中央値(98万戸)も下回った。先行指標となる住宅着工許可件数は

1.3%減の年率96万9000件。

エネルギー株

一方、マラソン・オイルは3.1%高となり、7営業日連続で上昇した。サ ンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、ニール・マクマホン氏は同 社の生産能力が過小評価されていると指摘し、「買収対象になる可能性があ る」との見方を示した。

原油相場が3日続落したものの、S&P500種のエネルギー株指数は全 37銘柄中、36銘柄が上昇。同指数は1.7%上昇した。シェブロンはダウ平均 の構成銘柄で上昇率首位。

ゴールドマン株は買いが先行したものの、下げて終えた。純利益は20億 9000万ドル(1株当たり4.58ドル)と、前年同期の23億3000万ドル(同

4.93ドル)から減少。1株当たり利益の予想平均は3.42ドルだった。

○米国債:相場は上昇。2年債利回りが低下した。米景気の一段の悪化が示され たことから、米利上げ観測が後退している。

先物市場動向によると来週開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)会合 で利上げが決定されるとの見方は後退している。午前に発表された住宅着工件 数と鉱工業生産指数が落ち込みをみせたことが背景だ。先週の2年債利回りは 過去26年で最大の伸びを記録。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長がインフレ期待の高まりを「断固阻止する」と表明したのが材料となった。

米シティグループ・グローバル・マーケッツの国債トレーディングのマネ ジングディレクター、タイローン・スミス氏は「市場参加者はFOMCによる 利上げを急いで織り込みすぎた。現在はこれが一部巻き戻されているところ だ」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4時 14分現在、2年債利回りは前日比14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)低下して2.89%。一時は12日以来で最低の2.87%に下げた。2年債価 格(償還期限2010年5月、表面利率2.625%)は1/4上昇して99 1/2。

10年債利回りは7bp下げて4.20%と今月6日以来で最大の下げとなった。

利上げ観測後退

金利先物市場動向によると、6月25日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が2%で据え置かれる確率は86%となっている。前日は 74%だった。残る26%は0.25ポイントの利上げを見込んでいる。8月に少な くとも0.25ポイントの利上げが実施される確率は48%と、前日の69%から低 下した。

米ウォールストリート・ジャーナル紙は情報源を明らかにせずにFOMCは 来週の会合で金利を据え置くと報じた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT) も匿名の米金融政策当局関係者を引用し、市場参加者は利上げの可能性を織り込 み過ぎていたと伝えた。

2年債と10年債の利回り格差は1.30ポイントと、今月6日以来で最大。 イールドカーブのスティープ化は投資家の短期債選好を示している。短期債はF F金利の動きにより敏感に反応する傾向がる。

ニュー・センチュリー・アドバイザーズのニルズ・オーバーダール氏は「こ こでFOMCが引き締め策を講じるとは信じ難い」と述べた。

住宅着工件数、鉱工業生産指数

商務省が発表した5月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、以下同じ) は過去17年間で最低水準に落ち込んだ。また米連邦準備制度理事会(FRB) が発表した5月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季 節調整値、2002年=100)は前月比0.2%低下(前月0.7%低下)した。

ブルームバーグがまとめた調査によると10年債利回りは年末までに4%、 2年債は2.51%まで低下するとみられている。

労働省が朝方発表した5月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比

1.4%上昇と、昨年11月以来で最大の伸び。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想中央値(1%上昇)も上回った。

米セントルイス連銀のプール前総裁は17日、ブルームバーグテレビジョン とのインタビューで、インフレ期待が賃金上昇につながるのをFOMCは回避す べきだと主張。いったんインフレ期待が賃金上昇圧力を高め始めると「手の施し ようがなくなり」、消費者物価を抑制するのが困難になるとの見解を示した。

○NY外為:ドルがユーロに対し続落。この日発表された米住宅指標 や鉱工業生産指数を受けて、米利上げが先送りされるとの観測が強 まったことが背景。

来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)定例会合での利上げ見通 しをトレーダーが弱めるなか、ドルは南アフリカ・ランドやブラジル・ レアルに対しても下落。

ポンドはユーロとドルに対し下落した。イングランド銀のキング総 裁がインフレを中央銀行の目標範囲内に抑制する道筋は「不透明」と表 明したことが売りを誘った。

シティグループ・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の為替 トラテジスト、トッド・エルマー氏は「FOMCの利上げ見通しが弱ま っていることがドルの弱材料となろう」と指摘。さらに「米経済は当面 大幅に回復することはなさそうだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルはユーロに対して0.2%下げ て1ユーロ=1.5515ドル(前日は同1.5477ドル)。対円でも0.2%安の 1ドル=107円96銭(前日は同108円22銭)。円はユーロに対し1ユ ーロ=167円49銭と前日水準から変わらず。一時は昨年7月23日以来 の安値となる同167円84銭を付けた。

ドルは先週、週間ベースでユーロに対し2.5%上昇と、2005年以来 最大の上げとなった。バーナンキ議長は景気へのリスクが弱まっている と発言し、投資家の間で年内に利上げが実施されるとの見方が強まって いた。

17日の市場では韓国ウォンが対ドルで1.5%高と、ほぼ3カ月ぶり の大幅な上げとなった。

ポンド軟調

ポンドは対ドルで前日比0.3%安の1ポンド=1.9567ドル、対ユー ロでは0.6%下げ1ユーロ=79.28ペンスだった。イングランド銀行のキ ング総裁がインフレが年内に4%を上回るとの見通しを示したことが売 りにつながった。英政府統計局(ONS)がこの日発表した5月の英消 費者物価指数(HICP)は前年同月比3.3%上昇と、少なくとも97年 以来の高い伸び率となった。

一方、米商務省が朝方発表した5月の住宅着工件数(季節調整済み、 年率換算、以下同じ)は前月比3.3%減の97万5000戸と、過去17年間 で最低水準に落ち込んだ。また、ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミストの予想中央値(98万戸)も下回った。前月は100万8000 戸(速報値103万2000戸)に下方修正された。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア為替ストラテジスト、マシ ュー・ストラウス氏(トロント在勤)は「統計は住宅市場の急速な回復 を示唆するものではなかった」と指摘。「個人消費への悪影響はもう2 四半期、さらには来年にかけて続く見込みだ」と語った。

米鉱工業生産指数

米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日発表した5月の米鉱工業 生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値、2002年 =100)は前月比0.2%低下(前月0.7%低下)した。これで2カ月連続 マイナス幅。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中 央値は0.1%上昇だった。

ドルは南ア・ランドに対しては0.6%下落、ブラジル・レアルに対 しては1.1%下げた。

ドルは欧州の取引時間から対ユーロで下落。米紙ウォール・ストリ ート・ジャーナル(WSJ)と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT) が今月のFOMC定例会合以降まで米政策金利が据え置かれる見込みだ と報道したことが材料となった。

○英国債:2年債相場がここ2カ月余りで最大の上昇となった。インフレ悪化で 景気が圧迫されるとの懸念を受けて、イングランド銀行が利上げするとの観測が 後退したことが背景。

5月の英消費者物価指数は前年同月比3.3%上昇し、少なくとも1997年以 降で最大の伸び率となった。これを受けて、イングランド銀のキング総裁は金融 政策の道筋は不透明との認識を示した。英国の法律では、インフレ率が目標の2% から1ポイント超離れた場合、中銀総裁に財務相への説明義務が生じる。

2年債利回りは一時、前日比20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 下げ、3月31日以来で最大の低下となる場面もあった。引けは17bp低下の

5.37%。同国債(償還2010年6月、表面利率4.75%)価格は0.37ポイント 上げ98.92。10年債利回りは8bp低下し5.14%。

○欧州債:独2年債相場が上昇。6月のドイツ企業景況感指数が予想よりも悪化 したことが背景。

ドイツの欧州経済研究所センター(ZEW)が17日発表したことろによれ ば、6月の景況感指数は15年半ぶりの低水準に落ち込んだ。2年債利回りは7 年半ぶりの高水準まで6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に近づい ていたが、下げに転じた。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が今月、イン フレ抑制に向けた利上げを示唆して以来、国債相場は軟調に推移していた。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、ペーター・ミューラー氏(フランクフ ルト在勤)は、「ZEWの指数低下は国債相場上昇の一因だった」と指摘。「市 場が経済面で失望する恐れがあることから、当行は利回りが低下し、利回り曲線 の傾斜は再びきつくなるとみている。中期的な見通しは明るい」と語った。

ロンドン時間午後4時12分までに、2年債利回りは前日比4bp下げ

4.64%。10日には4.78%と、2000年12月以来の高水準まで上昇した。同国 債(2010年6月償還、表面利率4.75%)価格は0.07ポイント上げ100.18。 一方、10年債利回りは4.61%でほぼ変わらず。

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