米国株:下落、増資観測で金融株安い-住宅・鉱工業指標も悪材料

米株式相場は下落。ゴールドマン・サッ クス・グループが金融機関は損失補てんのため、650億ドルの追加増資を余儀 なくされると予想したことが売りを誘った。住宅着工統計と鉱工業生産指数が ともに市場予想を下回ったことも売り材料。

米銀行持ち株会社のザイオンズ・バンコープは8年ぶりの大幅安。同社が 不良債権からの損失が拡大すると予想したことに加え、ゴールドマンが地銀に ついて慎重な姿勢を維持したことが売り材料視された。S&P500種株価指数 の銀行株指数は全23銘柄が下落し、同指数は1996年以来の水準に落ち込ん だ。鉱工業生産指数が予想外に低下したため、航空機メーカー大手の米ボーイ ングや農業機械大手ディーアも安い。住宅着工戸数が過去17年間で最低水準 に落ち込み、レナーなど住宅建設株も売られた。

S&P500種株価指数は前日比9.21ポイント(0.7%)下げて

1350.93。ダウ工業株30種平均は108.78ドル(0.9%)安の12160.30ド ル。ナスダック総合株価指数は17.05ポイント(0.7%)下落して2457.73 で終了した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対2。

プロビデント・インベストメント・カウンセル(カリフォルニア州パサデ ナ)の運用担当者、リチャード・キャンパーニャ氏は「原材料や商品の供給を 増やすような企業が成長する。一方、長期にわたるレバレッジ解消から金融株 は苦戦するだろう。この構図は今後数年間、変わらないと思う」と述べた。

ゴールドマンが朝方発表した決算が市場予想を上回ったため、株式相場は 高く始まった。

地銀

ザイオンズは10%安と、S&P500種の構成銘柄で下落率首位となった。 同社は規制当局への提出文書で、西海岸南部の住宅建設の弱さと地価の下落が ローンに打撃を与えている状況が「2009年まで続く」との見通しを示した。

ゴールドマンはマーシャル・アンド・イルズリーなどの地銀株を売り銘柄 に指定した一方、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンやステート・ストリー トなど信託銀行の買いを推奨した。マーシャルは5.2%安。

追加増資

バンク・オブ・アメリカ(BOA)やJPモルガン・チェースなど大手銀 も安い。ゴールドマンは17日、米銀の貸倒損失や資産評価損は2009年1- 3月(第1四半期)まで続くため、今後さらに650億ドル(約7兆340億 円)の増資が必要となる可能性があると指摘した。また、信用市場の環境を悪 化させる住宅価格下落は今年いっぱい続くと予想した。

アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は5.1%下げ、ダ ウ平均の構成銘柄で下落率トップとなった。住宅関連部門での人員削減費用と して、4―6月(第2四半期)に税引き前で2700万ドルの費用を計上すると 発表したことが嫌気された。

S&P500種の銀行株指数は4.2%安、金融株指数は2.9%下落した。

経済指標

5月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象)は前月 比0.2%低下(前月0.7%低下)した。これで2カ月連続マイナス幅。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.1%上昇だった。 鉱工業設備稼働率は79.4%(前月は79.6%に修正)と、ハリケーン「カトリ ーナ」が襲来した直後の2005年9月以来の低い水準だった。これを嫌気し、 ボーイングやディーアが下げた。

S&P住宅建設株指数は15構成銘柄中、レナーを中心に13銘柄が下げた。 5月の住宅着工件数は前月比3.3%減の97万5000戸と、過去17年間で最低 水準に落ち込んだ。また、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト の予想中央値(98万戸)も下回った。先行指標となる住宅着工許可件数は

1.3%減の年率96万9000件。

エネルギー株

一方、マラソン・オイルは3.1%高となり、7営業日連続で上昇した。サ ンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、ニール・マクマホン氏は同 社の生産能力が過小評価されていると指摘し、「買収対象になる可能性があ る」との見方を示した。

原油相場が3日続落したものの、S&P500種のエネルギー株指数は全 37銘柄中、36銘柄が上昇。同指数は1.7%上昇した。シェブロンはダウ平均 の構成銘柄で上昇率首位。

ゴールドマン株は買いが先行したものの、下げて終えた。純利益は20億 9000万ドル(1株当たり4.58ドル)と、前年同期の23億3000万ドル(同

4.93ドル)から減少。1株当たり利益の予想平均は3.42ドルだった。

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