今日の国内市況:TOPIX小幅続伸、債券は大幅高―ドル107円後半

東京株式相場は、TOPIXが小幅続伸。 米国で金融不安がやや後退した流れから、三井住友フィナンシャル・グループ など銀行株の一角が上昇。電気・ガスや情報・通信など、景気動向に左右され にくいディフェンシブ業種も買われた。

半面、為替相場の円安一服感から、トヨタ自動車やホンダなどの自動車株 が下落。17日付の日本経済新聞朝刊で、米国工場での自動車用ガラス減産に踏 み切った、と報じられた旭硝子を中心にガラス・土石製品株も売られ、新日本 製鉄など鉄鋼株の下げも目立った。自動車や一部電機、精密機器株の下げが影 響、日経平均株価は昨日急伸していた反動もあり、小安い。

TOPIXの終値は前日比0.29ポイント(0.02%)高の1401.98。日経平 均株価は同6円(0.04%)安の1万4348円37銭。東証1部の出来高は概算で 18億690万株。東証業種別33指数は18業種が上昇、15業種が下落。

日経平均は終日、前日終値を挟んでもみ合った。TOPIXの規模別指数 を見ると、コア30指数(0.2%安)とラージ70指数(0.01%高)が軟調に推 移した一方、ミッド400(0.1%高)とスモール指数(0.5%高)が相対的に堅 調だった。時価総額の大きな銘柄が売られ、中小型株に資金が向かった格好だ。 株価指数は軟調だったが、騰落状況で見ると、東証1部の値上がり銘柄が890 と、値下がりの700を大きく上回り、底堅い印象をあった。

こうした中、指数を終日支えたのが銀行株。米金融機関の決算発表が本格 化しており、サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題の影響による 損失拡大が警戒されていたが、前日に発表された米証券大手リーマン・ブラザ ーズ・ホールディングの決算発表は事前内容通りだった。前日の米市場ではリ ーマンの株価に買いが先行し、金融株は上昇。過度の金融不安が後退しており、 東京市場でもこの流れを引き継いだ。TOPIXの上昇寄与度3位は銀行指数。

もっとも、東証1部の売買代金は2兆265億円と、年初から昨日までの1 日当たり平均2兆4743億円には及ばなかった。投資家のリスク許容度は高ま っておらず、投資家の気迷いを映した相場内容だった。TOPIXの上昇寄与 度1、2位は、東京電力などの電気・ガス株、NTTなどの情報・通信株とい ったディフェンシブ業種。

債券は大幅高

債券相場は大幅高(利回りは低下)。20年債入札が市場予想通りの結果と なり、無事に通過したことを好感して、先物中心限月は133円台を回復した。 前週末の白川方明日銀総裁発言に加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)に 利上げの計画はないとの一部報道を受けて、インフレや利上げに対する警戒感 が薄らぎ、短中期債を中心に買い戻しが続いた。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比1銭安の132円47銭で寄り付 き、直後に日中安値132円33銭をつけた。その後は、徐々に値を上げ、午後 に入って入札結果が良好だったことが判明すると買いが膨らみ、一時68銭高 い133円16銭の日中高値まで上昇した。結局、67銭高の133円15銭と、3営 業日ぶりに133円台を回復して引けた。9月物の日中売買高は3兆6323億円 程度。

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日比0.5ベーシスポイ ント(bp)高い1.885%で取引開始。その後は、徐々に水準を切り下げ、5.5bp 低い1.825%まで低下した。午後3時40分過ぎは、4.5bp低い1.835%で取引 されている。

中期債相場の堅調ぶりが目立つ。新発5年債利回りは、一時7.5bp低い

1.425%まで低下した。

一方、前回入札された20年物の101回債利回りは、一時2.385%に低下し た後、午後3時40分過ぎは0.5bp高い2.405%に上昇。その後は横ばいで推移 している。

米コラムニストのロバート・ノバック氏は16日までに、バーナンキFR B議長に近い情報源の話を基に、同議長に政策金利「引き上げの計画はない」 と明言。「議長は1バレル=125ドルの原油価格と1ガロン=4ドルのガソリ ン価格について、インフレよりも景気動向を脅かす可能性の方が高いと感じて いる」と指摘した。

一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、FRBが6月 24、25日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くことがほぼ 確実だと報じた。また、金融当局はインフレ見通しが著しく悪化しない限り、 今秋以前の利上げが不可欠とは考えていないようだとも伝えた。

ドル軟調、ユーロは対円で11カ月ぶり高値

東京外国為替市場ではドルが軟調。対ユーロでは1ユーロ=1.55ドル台前 半と3営業日ぶりの安値まで下落し、対円では1ドル=108円を割り込んだ。 米国の利上げについて懐疑的な見方が浮上したため、ドルに売り圧力がかかっ た。

一方、ユーロ圏のインフレ率が16年ぶりの高い伸びとなり、欧州中央銀 行(ECB)の利上げ期待が強まるなか、ユーロは堅調な展開が続き、対円で は約11カ月ぶりの高値をつけた。

金利先物相場動向によると、市場は米国の金融政策について、年内に計75 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)から100bpの利上げを予 想している。今月のFOMCについても、据え置き予想が大勢を占めているが、 25bpの利上げの確率も3割弱となっている。

こうしたなか、米国の利上げ期待は行き過ぎとの見方が浮上したことで、 この日の東京市場ではドルが売られ、対円では午後遅くの取引で一時107円60 銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)までドルが下落。前日には108 円58銭と4カ月ぶりのドル高値をつけていた。

米国の金利見通しに不透明感がただようなか、この日は米国で生産者物価 指数(PPI)、住宅着工件数、および鉱工業生産指数の発表が予定されてお り、米長期金利動向や利上げ期待にどのように影響するかが注目される。

半面、欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が16日に発表した5 月のユーロ圏消費者物価指数(改定値)は、前年同月比3.7%上昇と、5月30 日に発表された速報値(3.6%上昇)から上方修正され、1992年6月以来の高 水準となった。

トリシェECB総裁は今月、早ければ7月にも利上げを実施する可能性を 示唆しており、目先は日米との金利差拡大は拡大する可能性が高い。ドルは対 ユーロでも1ユーロ=1.55ドル台へ下落。1.5552ドルの安値をつけた。

ユーロは対円で一時1ユーロ=167円84銭まで上昇し、07年7月23日以 来の高値を記録した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE