首相:原油増産・過度の消費抑制が必要-洞爺湖サミットで発信(2)

福田康夫首相は17日午後、7月の主要国首 脳会議(洞爺湖サミット)前に主要8カ国(G8)の報道機関と都内のホテルで会 見し、次のように述べた。会見内容は内外の報道機関に公開された。

原油・食糧の価格高騰の日本経済への影響について:

「米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題は各国に対 する影響があるという観点がある。そして日本もその影響を受けている。ただ幸 いにして、日本の場合はサブプライムローンもあまり影響は大きく受けていな い」

「原油価格の高騰についても、国内への影響は省エネルギーを徹底してい るという観点から、民間で大きく影響が出ているところもあるが、全般的にはそ れほど大きな影響を受けていない。ただガソリン価格が最近上がっているので、 庶民、国民は非常に苦しい思いをしている。またそういうものに強く依存してい る運送業界や漁船も非常に困っている」

「ただ日本はこういう問題については、2007年末から何回かにわたって対 策を講じている。その時々に必要な措置は取っている。そういう状況の中で、日 本のインフレーション(物価)も1パーセント以下だったと思うが、低い水準に抑 えられている」

「しかしこういう(原油・食糧価格高騰の)状況が長く続くというのはよいことで はないから、根本的な原油価格高騰については、原油生産を上げるとか、過度 の消費を抑えるという配慮をしながら、インフレが高騰しないような努力が必要 だ」

原油価格高騰などを含む世界経済に対する洞爺湖サミットの関与の在り方:

「『G8を行ったから、世界経済が安定した』ということは(起き)ない。しかしG 8としてどういうメッセージを出すかが問題だ。当面の経済問題では、サブプラ イム問題に端を発して、いろいろな経済問題の影響を受けている。そういう影響 を除去するためにどういうことをG8としてメッセージを発信するかということにな る」

「原油価格高騰とそれに伴う穀物価格の高騰など食糧市場をどうしていくか について、G8として何らかのメッセージを出すことで方向性を出す必要がある。 わたしはそのために努力する。決定的な状況というものをもたらすための一つ のステップになれればいいと思う」

「ただとても複雑な状況なので短期的に解決できる問題ではないので、G8 を一つのステップとして、次のステップに向けて、メッセージを継続していくこと が大事だ」

「原油に関して、今起こっている現象はたった一つの理由で起きない。いろ んな事情が総合されて今の現象が起きている。今回の原因もそうだ。その一つ に途上国、新興国が消費を拡大して、エネルギー効率の悪い国が発展するた めに、過度にエネルギーを消費しているということがある」

「もう一つは、それに生産が追いついていかないという何らかの事情がある からだ。原油生産国での投資がないとか、アフリカで生産国が政治的に生産を 低下させているなど、さまざまな国際情勢を含めた事情がある。それを総合した 事情がある」

「それのすべてを解決しなければ、安定、適当なコストでエネルギーを調達 できるようにならない。そういうことについて、G8で何かをメッセージを発出する なら、方々に目配りした形の対応が必要だ」

「すぐにできることと、時間がかかることの両方がある。日本でもそうだが、ガ ソリンが値上がりして、運転する人が少なくなったので、消費削減という意味で 大きな影響がすぐ出たが、電力会社が重油やガスを急に減らすことはできない から時間がかかる。技術開発も必要だ。できることからやっていくことだ。とりあ えずは産油国の増産が必要で、長期的には生産能力を拡大するための投資 が有効だ」

洞爺湖サミットで中期目標で合意不要

G8が洞爺湖サミットで温室効果ガス削減に関する中期目標で合意する可能 性:

「中期目標についてこれに合意するのは09年末までに行われていく国連 の交渉がある。それの中心的な課題だ。今回のG8はその合意をする場ではな いので、中期目標を追求する必要性は必ずしもない」

「ただ07年のハイリゲンダム・サミットがあり、前進して中期目標を含む地球 温暖化対策の議論が具体的な結果を達成するように建設的な議論をする必要 がある。問題は、すべての主要経済国が責任のある形で参加できるようにする ことだ。その結果、(洞爺湖サミットでは)G8が実効性ある時期、枠組みつくりの 実現を促進させるような政治的な成果を得たい」

日本経済の現状認識:

「日本の経済成長は低成長だが、わずかながら発展している。原因は日本 の負債が過度で大きすぎたからだ。しかしそれでも破たんしなかったのは、民 間でそれに匹敵するような蓄財があったからだ。その国債を減らす努力をして いる。この努力は続けていかなければならない」

「だから日本は景気対策のために減税を大幅にするという政策は取り得な い。経済の構造改革をすることによって経済を活性化するように努力している のがこの5、6年の日本の経済運営だ」

「まだその意味で、改革は足りていない。まだやるべきことはたくさんある。雇 用面での改革もそうだし、日本が今、意識して取り組んでいるのは、全員参加 型の経済運営だ。これは雇用拡大と生産性向上を同時に実現することだ。そし てすべての人が成長を実感できるようにしたい。日本として、財政出動に頼らな いで日本経済を持続的に発展させる仕組みをつくりたい」

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