日本株(終了)TOPIXは小幅続伸、銀行一角やディフェシブに買い

東京株式相場は、TOPIXが小幅続伸。 米国で金融不安がやや後退した流れから、三井住友フィナンシャル・グループな ど銀行株の一角が上昇。電気・ガスや情報・通信など、景気動向に左右されにく いディフェンシブ業種も買われた。

半面、為替相場の円安一服感から、トヨタ自動車やホンダなどの自動車株が 下落。17日付の日本経済新聞朝刊で、米国工場での自動車用ガラス減産に踏み 切った、と報じられた旭硝子を中心にガラス・土石製品株も売られ、新日本製鉄 など鉄鋼株の下げも目立った。自動車や一部電機、精密機器株の下げが影響、日 経平均株価は昨日急伸していた反動もあり、小安い。

TOPIXの終値は前日比0.29ポイント(0.02%)高の1401.98。日経平 均株価は同6円(0.04%)安の1万4348円37銭。東証1部の出来高は概算で 18億690万株。東証業種別33指数は18業種が上昇、15業種が下落。

農林中金全共連アセットマネジメントの中村一也次長は、「3月を底値とし た戻り相場はいったん終わった。日本株のバリエーションは上昇してきた上、イ ンフレが加速すれば、企業収益にマイナスに働く」と指摘。ただ、「戻りの過程 で買えなかった投資家もいるため、押せば買いが入りやすい」と見ていた。

中小型株に資金流入

日経平均は終日、前日終値を挟んでもみ合った。TOPIXの規模別指数を 見ると、コア30指数(0.2%安)とラージ70指数(0.01%高)が軟調に推移し た一方、ミッド400(0.1%高)とスモール指数(0.5%高)が相対的に堅調だっ た。時価総額の大きな銘柄が売られ、中小型株に資金が向かった格好だ。株価指 数は軟調だったが、騰落状況で見ると、東証1部の値上がり銘柄が890と、値下 がりの700を大きく上回り、底堅い印象をあった。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長によれば、「3月安値からの日本株の パフォーマンスは世界的に、相対的にアウトパフォームしている。外国人中心に 押し目買いが入る」という。

こうした中、指数を終日支えたのが銀行株。米金融機関の決算発表が本格化 しており、サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題の影響による損失 拡大が警戒されていたが、前日に発表された米証券大手リーマン・ブラザーズ・ ホールディングの決算発表は事前内容通りだった。前日の米市場ではリーマンの 株価に買いが先行し、金融株は上昇。過度の金融不安が後退しており、東京市場 でもこの流れを引き継いだ。TOPIXの上昇寄与度3位は銀行指数。

ディフェンシブ買い、高値波乱の原油

もっとも、東証1部の売買代金は2兆265億円と、年初から昨日までの1日 当たり平均2兆4743億円には及ばなかった。投資家のリスク許容度は高まって おらず、投資家の気迷いを映した相場内容だった。TOPIXの上昇寄与度1、 2位は、東京電力などの電気・ガス株、NTTなどの情報・通信株といったディ フェンシブ業種。「外部環境は依然不透明だが、株のポジションを落とすのも怖 い。そうした場合、景気敏感ではないディフェンシブ銘柄に資金が向かいやす い」(いちよし投資顧問の秋野氏)という。

外部環境の不透明感を強めさせているのが、原油価格の動向だ。前日のニュ ーヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限は一時前週末比3.7%高の 1バレル=139.89ドルまで上げ、最高値を再び更新、140ドルに迫った。しかし、 その後は売りに押され、同0.2%安の134.61ドルで終了。急騰した後に下落す る荒い値動きとなり、世界的なマネーフローの先行き懸念を強めさせた。

原油価格と連動性を高めるドルの動きも、日本株に影響を与えた。この日の 東京外国為替市場のドル・円相場は、1ドル=108円を割り込んだ。前日は1ド ル=108円45銭まで円が売られる場面があっただけに、円安傾向に一服感が見 られている。ドイツ証券の下出衛チーフエクイティストラテジストによると、 「108円後半に『壁』があるため、そこを突き抜けないと、輸出株がもう一段買 われる展開になるのは難しいだろう」という。TOPIXの下落寄与度1位は自 動車株だった。

アデランH、東京ドームが上昇

個別では、17日付の朝日新聞で米系投資ファンドのスティール・パートナ ーズが経営陣による会社買収(MBO)を通じ、非上場化することを要求してい ると報じられたアデランスホールディングスも上昇。メジャーリーグベースボー ルの開幕戦などの貢献で、13日発表の2-4月(第1四半期)の連結純利益が 前年同期比26%増となった東京ドームは買いが継続した。

このほか、マツタケ子実体原基を発生させる培養技術を確立したと発表した タカラバイオは、ストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)比例配分。5月16日 の業務改善命令に基づき、6月16日に関東財務局に業務改善計画を提出した武 富士は大幅続伸。

船井電や愛知鋼、出光に売り

半面、香港子会社がタックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしてい ないとして、大阪国税局から追徴課税を受け、2009年3月期は最終赤字に転落 する見通しとなった船井電機が下落。三菱UFJ証券が16日付で投資判断を 「3(市場平均並み)」から「4(アンダーパフォーム)」に引き下げた愛知製 鋼も安かった。

また、岩手・宮城内陸地震の復興関連として前日買われた東北ミサワホーム、 日成ビルド工業など低位建設銘柄は早くも反落。3-5月期(第1四半期)の連 結営業利益が前年同期比1.8%減となったポイント、モルガン・スタンレー証券 が16日付で投資判断を「イコールウエート」から「アンダーウエート」に引き 下げた出光興産も売られた。

新興3市場は上昇

国内新興3市場はいずれも上昇。ジャスダック指数は前日比0.4%高の

63.51、東証マザーズ指数は同2.5%高の617.54、大証ヘラクレス指数は同

1.7%高の1012.70。レーサムやアルデプロなど新興不動産株の一角が上昇、08 年6月中間期業績予想を上方修正したMonotaROがストップ高、300株上 限の自社株買いを発表したスタイライフもストップ高比例配分となった。一方、 東日本ハウスは急反落。精工技研やカウボーイが売られ、国内外書籍の著作権マ ネジメントを行うアーティストハウスホールディングスの急落が目立った。

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