短期市場:FB入札3カ月ぶり0.6%で需要、利上げ後退で金先買い戻し

短期金融市場の政府短期証券(FB)3カ 月物入札は、落札利回りが3カ月ぶりに0.6%台に上昇。四半期末を控えてFB は売りが出ていた。もっとも、利回りの上昇で投資家の需要は高まった。日銀総 裁会見を受けた早期利上げ観測の後退で、中短期債や金利先物に買い戻しが続い た影響もあった。

FB524回債の最高利回りは前回比1.1ベーシスポイント高い0.6047% (99.8445円)、平均利回りは1ベーシス上昇の0.6024%と、3月18日(最高

0.6480%、平均0.6226%)以来の高水準。ただ、入札後は落札できなかった業 者のショートカバーで0.585%まで低下。523回債も0.600%から0.590%に買い 戻された。

前週以降のFBは売りが目立っていた。四半期末にあたる6月末に向けた調 達コスト上昇への警戒感や、欧米中央銀行のインフレけん制と協調した日銀の早 期利上げ観測も一部にあり、中短期債利回りが急上昇。ユーロ円金利先物相場も 急落し、短期国債市場には慎重な雰囲気が広がっていた。

セントラル短資総合企画部の金武審祐部長は、「7月初めにかけての資金調 達意欲は強そうだが、白川総裁の慎重な発言で利上げ警戒感は薄れた」という。 日銀の白川方明総裁は13日の会見で、金融政策は各国の情勢によって異なると 指摘。政策判断は必ずしも欧米中央銀行と同調しない姿勢を示した。

国内大手銀行のトレーダーは、もしもに備えて買いを控えていた向きも、日 本は大丈夫との安心感が広がり、中短期債を中心に利上げを警戒し過ぎた部分が はがれたという。新発2年債利回りが1.025%から0.915%まで買い戻され、金 先の中心限月2009年3月物は1週間ぶりの水準を回復した。

6月末に向けた調達-外銀の動向

FBの売りは、足元のレポ(現金担保付債券貸借)が強含んでいた影響もあ った。6月末を含む準備預金の積み上げ期間に入った今週は、足元のレポが下限 域の0.51-0.52%から0.55%付近に上昇。午後3時以降に取引が始まった6月 利払い債の振替停止期間明けとなる20日分は0.60%まで上昇している。

一方、現状の相場環境でFB3カ月物の需要が確認され、レポも警戒される ほど金利は上昇しないとの声も聞かれるなかで、「0.60%という水準はやや高か ったかもしれない」(セントラル短資・金武氏)という。

6月末は四半期末決算で国内銀行が運用に慎重な一方、外国銀行は中間決算 にあたり、潜在的な資金需要も指摘される。コマーシャルペーパー(CP)の発 行で調達を増やしている外銀もあるもよう。大手銀のCPトレーダーによると、 3カ月物で0.80%の目線なら格付けから買える投資家はいるという。

ただ、短期市場は、中長期債相場の変動を警戒した銀行の運用資金が流入し やすい上、20日に国債の大量償還も控えている。昨年12月末や3月末に比べる と、外銀の調達は落ち着いているとの声も聞かれた。

市場の金融不安はやや後退している。米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホ ールディングスの2008年3-5月決算は初の赤字となったが、市場には織り込 み済み。モーゲージ関連資産を20%減らしたことが好感されていた。

翌日物0.505-0.51%

無担保コール翌日物は0.505-0.51%程度。準備預金の積み始めは需要が底 堅いが、準備預金は5兆6000億円と余裕があり、取引は落ち着いていた。16日 の加重平均0.509%に対して、外銀の調達は0.505-0.51%が中心。国内大手行 や地銀の調達は0.50-0.505%で推移した。

月末を越えるターム(期日)物は、先日付スタートの1週間物や通常の2週 間物が0.70%付近の取引。証券の調達が見られる。20日に国債大量償還を控え、 四半期末決算を意識する銀行は短期運用に傾きやすいが、銀行によって運用姿勢 の違いも指摘され、コールの運用希望は少ない。

準備預金(除くゆうちょ銀)は前日比1000億円増加の5兆6000億円程度に なる。残り要積立額(1日平均4兆8500億円)と積み終了先から推計した実質 的な中立水準は5兆円程度とみられる。

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