債券は大幅高、20年入札無事通過で安心感-先物は133円台回復(終了)

債券相場は大幅高(利回りは低下)。20 年債入札が市場予想通りの結果となり、無事に通過したことを好感して、先物 中心限月は133円台を回復した。前週末の白川方明日銀総裁発言に加えて、一 部報道を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに懐疑的な見方も 出ており、短中期債を中心に買い戻しの動きが続いた。

大和住銀投信投資顧問国内債券運用第2グループリーダーの伊藤一弥氏は、 「入札を通過して買いが入った。前週末の白川総裁会見から短中期債への買い が入っている。バーナンキ議長に利上げの計画はないとの一部報道もあり、過 度にインフレ、利上げに悲観的になっていた向きの買い戻しを誘っている」と 述べた。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比1銭安の132円47銭で寄り付 き、直後に日中安値132円33銭をつけた。その後は、徐々に値を上げ、午後 に入って入札結果が良好だったことが判明すると買いが膨らみ、一時68銭高 い133円16銭の日中高値まで上昇した。結局、67銭高の133円15銭と、3営 業日ぶりに133円台を回復して引けた。9月物の日中売買高は3兆6323億円 程度。

日経平均株価は小反落。前日比6円00銭安の1万4348円37銭で引けた。

新発10年債利回りは一時1.825%に低下

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日比0.5ベーシスポイ ント(bp)高い1.885%で取引開始。その後は、徐々に水準を切り下げ、5.5bp 低い1.825%まで低下した。午後3時40分過ぎは、4.5bp低い1.835%で取引 されている。

中期債相場の堅調ぶりが目立つ。新発5年債利回りは、一時7.5bp低い

1.425%まで低下した。いったんは1.43%をつけたが、午後4時すぎからは再 び1.425%で推移。新発2年債利回りは4.5bp低い0.915%に低下している。

一方、前回入札された20年物の101回債利回りは、一時2.385%に低下し た後、午後3時40分過ぎには0.5bp高い2.405%に上昇。その後は横ばいの

2.40%で取引されている。

UBS証券ストラテジストの清水麻希氏は、「短中期債を中心に堅調だっ たことで相場がサポートされた。入札も無難な結果となったことを受けて、安 心感が広がった。午後は、先物中心に買いが入り、長期債も強含みの展開。先 週末の白川総裁発言を機に、日銀の利上げ観測が後退したこともある」と説明 した。

20年債入札結果、テールは13銭に縮小

財務省がこの日発表した表面利率(クーポン)2.4%の20年利付国債 (102回債、6月債)の入札結果は、最低落札価格が市場予想と同じ99円85 銭(最高落札利回り2.411%)となった。平均落札価格は99円98銭(平均利 回り2.401%)。

テール(最低と平均落札価格の差)は13銭となり、前回債の24銭から縮 小した。応札倍率は3.69倍となり、前回債の4.29倍から低下した。

大和総研債券ストラテジストの奥原健夫氏は、「午前の取引で相場が上昇 したことを考えると、悪くない入札だった。取引業者がヘッジポジション(持 ち高)を解かされるほどの上昇だったため、不調になってもおかしくない状況 だった」と説明した。

市場では、「入札結果は予想より良かった。落札したところを見ても、外 資系証券が上位を占めており、2.4%台では絶対水準を重視する投資家の需要 があるようだ」(伊藤氏)との声も聞かれた。

日本相互証券によると、この日入札された20年債(102回債)利回りは、 業者間取引において、2.4%で寄り付いた。その後は、2.37-2.41%のレンジ で推移した後、午後3時40分前後は2.41%で取引されている。

米大手証券決算や経済指標に注目

17日の米国市場では、ゴールドマン・サックス証券の決算発表のほか、5 月の生産者物価指数(PPI)、5月の住宅着工・建設許可件数、5月の鉱工 業生産・設備稼働率など重要な経済指標が発表される予定。

ブルームバーグ・ニュースの予測調査によると、5月の米住宅着工件数は 年率98万戸と、4月の同103万2000戸から減少する見通し。5月のPPI全 完成品は、燃料価格の上昇を背景に、前月比1%上昇が見込まれている。食品 とエネルギーを除くコア指数は同0.2%上昇の見通し。鉱工業生産指数は、前 月比0.1%上昇と、4月(同0.7%低下)から改善が予想されている。

米コラムニストのロバート・ノバック氏は16日までに、バーナンキFR B議長に近い情報源の話を基に、同議長に政策金利「引き上げの計画はない」 と明言。「議長は1バレル=125ドルの原油価格と1ガロン=4ドルのガソリ ン価格について、インフレよりも景気動向を脅かす可能性の方が高いと感じて いる」と指摘した。

一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、FRBが6月 24、25日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くことがほぼ 確実だと報じた。また、金融当局はインフレ見通しが著しく悪化しない限り、 今秋以前の利上げが不可欠とは考えていないようだとも伝えた。

--共同取材:宋泰允、吉川淳子、吉田尚史 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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