日本株:薄商いの中で小幅続伸、金融不安後退し銀行高い-自動車売り

午前の東京株式相場は小幅続伸。米国で金 融不安がやや後退した流れから、三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀 行株が上昇。電気・ガス、情報・通信株など業績安定度が高いとみられるディフ ェンシブ銘柄も買われた。半面、為替相場の円安一服感から、トヨタ自動車やホ ンダなどの自動車株に売りが先行。17日付の日本経済新聞朝刊で、米国工場で の自動車用ガラス減産に踏み切ったと報じられた旭硝子を中心に、ガラス・土石 製品株も安い。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「3月安値からの日本株のパフォ ーマンスは世界的に、相対的にアウトパフォームしている。外国人中心に押し目 買いが入るため、相場は底堅い。ただ出来高は少なく、投資家のリスク許容度は 高まっていない」と見ていた。

午前の日経平均株価の終値は前日比18円51銭(0.1%)高の1万4372円 88銭。TOPIXは同6.54ポイント(0.5%)高の1408.23。一方、東証業種別 33指数は23業種が上昇、10業種が安い。東証1部の出来高は概算で9億435万 株。売買代金は9676億円と、年初から昨日までの1日当たり平均の半日換算で ある1兆2372億円には及ばない水準だ。

ディフェンシブにシフトの動きも

午前の日経平均は小幅続伸して始まった後、すぐに下落に転じ、再び上昇転 換するなど、方向感を欠いた。前日までの2日間で460円以上も上昇していたた め、外部環境に不透明感がある中、「戻りを待った売りが出やすい」(日興コー ディアル証券の小林久恒シニアマーケットアナリスト)状況だった。

こうした中、相場を支えたのが銀行株だ。米金融機関の決算発表が本格化し ている。サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題の影響による損失拡 大が警戒されていたが、前日に発表された米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホ ールディングの決算発表は事前内容通りだった。前日の米市場ではリーマンの株 価に買いが先行し、金融株は上昇。過度の金融不安が後退しており、東京市場で もこの流れを引き継いだ。TOPIXの上昇寄与度1位は銀行指数。

もっとも、TOPIXの上昇寄与度2、3位は、東京電力などの電気・ガス 株、NTTなどの情報・通信株といったディフェンシブ業種で、積極的に買い上 がれない投資家の心理状況も表す。いちよし投資顧問の秋野氏は、「外部環境は 依然不透明だが、株のポジションを落とすのも怖い。そうした状況の場合、景気 敏感ではないディフェンシブ銘柄に資金が向かいやすい」と解説していた。

高値波乱の原油、壁に当たったドル

外部環境の不透明感を高めているのが原油価格。前日のニューヨーク商業取 引所(NYMEX)で取引されている原油先物7月限は一時前週末比3.7%高の 1バレル=139.89ドルまで上げ、最高値を再び更新、140ドルに迫った。しかし、 その後は売りに押され、同0.2%安の134.61ドルで終えた。急騰した後に下落 する乱高下の動きとなり、世界的なマネーフローの先行き懸念を強めた。

原油価格と連動性を高めているドルの動きも、日本株に影響を与えている。 午前の東京外国為替市場のドル・円相場は、1ドル=108円を割り込んだ。前日 は1ドル=108円45銭まで円が売られる場面があっただけに、円安傾向に一服 感が見られている。ドイツ証券の下出衛チーフエクイティストラテジストによる と、「108円後半に『壁』があるため、そこを突き抜けないと、輸出株がもう一 段買われる展開になるのは難しいだろう」という。TOPIXの下落寄与度1位 は自動車株だった。

東京ドームが連騰、船井電は急落

個別では、第1四半期の業績堅調が引き続き評価された東京ドームが大幅続 伸。17日付の朝日新聞で米系投資ファンドのスティール・パートナーズが経営 陣による会社買収(MBO)を通じ、非上場化することを要求していると報じら れたアデランスホールディングスも上昇した。マツタケ子実体原基を発生させる 培養技術を確立したと発表したタカラバイオは、ストップ高(値幅制限いっぱい の上昇)買い気配となっている。

半面、香港子会社がタックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしてい ないとして、大阪国税局から追徴課税を受け、2009年3月期は最終赤字に転落 する見通しとなった船井電機が急落。三菱UFJ証券が16日付で投資判断を 「3(市場平均並み)」から「4(アンダーパフォーム)」に引き下げた愛知製 鋼は急落した。また、岩手・宮城内陸地震の復興関連として前日買われた東北ミ サワホーム、日成ビルド工業など低位建設銘柄は早くも反落。新日本製鉄などの 鉄鋼株、ニコンなどの精密機器株にも売りが優勢となった。

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