債券は上昇、中期債中心に買い戻し優勢-20年入札無難予想も支え(2)

債券相場は上昇(利回りは低下)。前週 末の白川方明日銀総裁発言を受けて、日米欧の協調利上げに対する思惑が消失 し、短中期債を中心に買い戻しの動きが継続した。日経平均株価の上値が重い ことも支援材料となっている。きょう実施される20年債入札は、生命保険な どから一定の需要が見込まれ、無難な結果が予想されているようだ。

大和証券SMBCシニアJGBストラテジストの小野木啓子氏は、「短中 期債を中心に堅調に推移したことを受けて、先物も上げ幅を拡大させた。前週 末の白川日銀総裁発言以来、過度に期待されていた利上げ観測が後退したこと が影響している。一方で、長期や超長期は入札を控えて重い感じ」という。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比1銭安の132円47銭で寄り付 き、直後に132円33銭まで下げた。その後は、買いが優勢になって、徐々に 値を上げ、午前10時半過ぎに132円96銭まで上昇。結局、42銭高の132円 90銭で引けた。9月物の午前売買高は1兆8405億円程度。

日経平均株価はもみ合い推移。前日比18円51銭高の1万4372円88銭で 引けた。

新発10年債利回りは1.86%に低下

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日比0.5ベーシスポイ ント(bp)高い1.885%で取引を開始した。その後は、徐々に水準を切り下げ、 2bp低い1.86%で引けた。

また、前回入札された20年物の101回債利回りは、0.5bp低い2.395%、 新発5年債利回りは5bp低い1.45%、新発2年債利回りは3.5bp低い0.925% でそれぞれ引けた。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は、「2年債な ど短中期ゾーンを中心に買い戻しが入り、しっかりに推移している。前週末の 白川総裁発言で、協調利上げの可能性が低いことが確認された。20年債入札も 利回り水準が投資家の買い目標に入っており、比較的に順調ではないか」と述 べた。

20年債入札、クーポンは2.4%で据え置き

財務省は、20年利付国債(102回債、6月債)の価格競争入札の実施を通 知。表面利率(クーポン)2.4%、発行予定額8000億円程度といずれも前回債 から据え置きを提示した。6月債の発行日は6月20日、償還日は2028年6月 20日。

市場では、「入札は、利回りが高い水準にあるので、心配はないと思う」 (小野木氏)などの声が聞かれた。

6月の月例経済報告、3カ月ぶりに景気判断下方修正

政府は16日、6月の月例経済報告で、3カ月ぶりに景気の基調判断を引 き下げた。世界経済の減速やエネルギー・素材価格の上昇が続く中で、輸出、 生産、企業収益の判断を下方修正し、全体の判断も弱めた。

一方、経済産業省が発表した4月の第3次産業活動指数は前月比1.8%上 昇となり、市場予想(0.6%上昇)を上回った。3月は前月比0.3%上昇から横 ばいに下方修正された。

BNPパリバ証券エコノミストの丸山義正氏は、「情報通信業や卸売業な ど一部業種に偏った上昇であり、ならしてみれば非製造業セクターは低調推移 が続いている。18日午後には5月の百貨店販売が公表されるが、各社の状況を 見る限り、引き続き低調に推移した可能性が高い。エネルギーや食料価格の上 昇が、家計の実質購買力を蝕み、個人消費を下押ししている」と分析している。

--共同取材:宋泰允 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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