東京外為(予想):ユーロ・円に注目、ECB利上げ期待で-ドル上値重い

きょうの東京外国為替市場ではユーロ・円 の動向が注目される。ユーロ圏のインフレ率が16年ぶりの高い伸びとなり、欧 州中央銀行(ECB)の利上げ観測が強まるなか、ユーロ買いが先行しやすく、 インフレ懸念の乏しい円は売られやすい展開が見込まれる。一方、ドル・円に ついては、米景気の減速懸念からドルの上値の重たさが意識されるものの、対 ユーロでの円売りが下値を支えるため、1ドル=108円台前半を中心にもみ合う 展開となりそうだ。

早朝の取引ではユーロ・円相場が1ユーロ=167円台半ば付近で推移。前日 の海外市場では一時、167円68銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ) までユーロが上昇、2007年10月15日以来、約8カ月ぶりの高値をつけている。

一方、ドル・円相場は1ドル=108円台前半で推移。前日の東京市場では一 時、108円58銭と2月14日以来の水準までドル高が進んだが、海外時間には予 想を下回る米経済指標や原油価格の過去最高値更新を背景にドルが売られ、一 時は108円ちょうどを割り込む場面も見られた。

また、ユーロ・ドル相場は海外市場で一時1.55ドルを回復し、1.5518ドル までユーロ買い・ドル売りが進行。その後は1.54ドル後半でもみ合う展開が続 いている。

ユーロ圏のインフレ率、16年ぶり高水準

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が16日発表した5月のユーロ 圏消費者物価指数(改定値)は、前年同月比3.7%上昇と、5月30日に発表さ れた速報値(3.6%上昇)から上方修正された。食品・エネルギーコストの急増 を背景に、インフレ率は92年6月以来の高水準に達した。

トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は今月、早ければ7月にも利上げを 実施する可能性を示唆。先週末開催された主要国首脳会議(洞爺湖サミット) 財務相会合では、商品価格の高騰が企業や消費者のコストを上昇させ、同時に 景気拡大にも難題をもたらしているとの認識が示された。

16日のニューヨーク原油先物相場は乱高下。対ユーロでのドル下落を背景 に一時は1バレル当たり139.89ドルまで上昇、最高値を更新する場面も見られ たが、サウジアラビアが石油価格安定化のために原油を増産する兆候が示され ると売りが膨らみ、一時は133ドルを割り込んだ。

米国の景気減速懸念

一方、ニューヨーク連銀が発表した6月の同地区の製造業景況指数はマイ ナス8.7と、前月のマイナス3.2からさらに落ち込んだ。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値はマイナス2だった。同指数では ゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。

また、全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが発表 した6月の米住宅市場指数は18と前月の19から低下し、過去最低に並んだ。 エコノミスト予想中央値は19だった。同指数で50を下回る数値は住宅建設業 者の多くが現況を「悪い」とみていることを示す。

金利先物市場動向によると、6月25日の米連邦公開市場委員会(FOMC) 会合で金利誘導目標が据え置かれる確率は74%。著名コラムニストのロバー ト・ノバク氏は米ワシントン・ポスト紙に寄稿し、関係者を引用してバーナン キ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は政策金利を引き上げる「計画はない」 と述べた。

世界的なインフレ懸念の高まりを背景に、各国の金利動向が注目されるな か、米国ではこの日、生産者物価指数(PPI)、住宅着工件数、および鉱工 業生産指数の発表が予定されている。一方、ユーロ圏ではドイツの欧州経済研 究センター(ZEW)が6月のドイツ景況感指数を発表するが、景況感の一段 の悪化が示されれば、ユーロの上値を抑える可能性もある。

また、この日はゴールドマン・サックスの決算発表が予定されており、内 容次第ではドルの波乱要因となる可能性もある。

米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが16日に発表した08 年3-5月(第2四半期)決算は、28億ドル(1株当たり5.14ドル)の赤字と なった。決算内容は先週発表の暫定集計と同様だった。同社は、不動産市場の 市況悪化に伴う一段の損失の回避を目指し、モーゲージ関連資産を20%圧縮。 リチャード・フルド最高経営責任者(CEO)は同社の将来に自信を示した。

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