債券は小幅高か、20年入札後の堅調推移期待―景気判断引き下げ(2)

債券相場は小幅高(利回りは低下)とな りそうだ。きょうは20年債入札が実施されるため、朝方は慎重な取引となり そうだが、投資家からの一定の需要が期待されており、市場予想通りに無難な 結果となれば安心感から相場が堅調に推移する可能性が高い。

リーマン・ブラザーズ証券チーフJGBストラテジストの山下周氏は、 「円債市場では、20年債入札控えて上値の重いスタートか。入札自体は低調な 結果が続くとみられるが、入札後には、相場は底堅く推移しそうだ」という。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値132円48銭を若 干下回って始まった後、日中は132円30銭から132円70銭程度のレンジで推 移しそうだ。16日のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値から8銭安の 132円40銭で引けた。

16日の先物相場は小反発。前週末の白川方明日銀総裁会見を受け、早期利 上げの思惑が後退し、中期債や先物相場は買い戻しが優勢となった。半面、日 経平均株価の大幅続伸に加え、20年債入札に向けた売りに押され、超長期債や 長期債は軟調となった。中心限月9月物は、前週末比13銭高の132円48銭で 引けた。9月物の日中売買高は2兆7426億円程度。

大田弘子経済財政政策担当相は前日、6月の月例経済報告を関係閣僚会議 に提出し、3カ月ぶりに景気の基調判断を引き下げた。景気の現状について、 前月までの「景気回復は足踏み状態にある」との表現の後に、「このところ一 部に弱い動きがみられる」との文言を新たに追加した。世界経済の減速やエネ ルギー・素材価格の上昇が続く中で、輸出、生産、企業収益の判断を下方修正 し、全体の判断も弱めた。

山下氏は、「きょうはゴールドマン・サックス決算、ガソリン卸価格が一 段と上昇、小麦価格が10月にも再上昇との報道もあって物価上昇懸念が残る が、価格転嫁が進まない中では、企業収益にとってマイナス」と指摘する。

新発10年債利回りは1.8%台後半か

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日終値1.88%を若干上 回って始まり、日中ベースでは1.8%台後半での取引が見込まれる。

前日は中期債相場が堅調だった。みずほインベスターズ証券マーケットア ナリストの井上明彦氏は、「入札がイベントリスクとして強く意識されており、 一時的に下振れする可能性は残る」としながらも、中期債の見直し買いが続く と予想している。

日本相互証券によると、16日の現物債市場で新発10年物の293回債利回 りは、前週末比5ベーシスポイント(bp)高い1.89%で寄り付いた。しばらく

1.88-1.89%で推移したが、午後に入ると5.5bp高い1.895%まで上昇し、 2007年7月19日以来の高水準をつけた。午後1時過ぎに1.875%にやや戻し たが、結局は4bp高い1.88%で引けた。

一方、10年物国債の292回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると

1.862%だった。

20年債入札、クーポンは2.4%か

財務省は、20年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率(クーポ ン)は、前回5月27日入札の101回5月債から据え置きの2.4%が予想されて いる。朝方、相場が調整すれば、0.1ポイント引き上げの2.5%となる可能性 もある。前日の入札前取引では、2.425%付近で取引された。発行額は前回債 と同じ8000億円程度。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、「金利の絶対水準に妙 味があり、無難な結果となろう。しかし、超長期セクターの主要な買い手であ る生命保険は資金に余裕がないとみられ、他セクターを売った資金で超長期債 を買うだろう」と予想している。

また、「2.4%クーポンのアンダー(100円以下)が予想され、絶対水準が 魅力。最終的な入札への不安は乏しい」(日興シティグループ証券チーフスト ラテジストの佐野一彦氏)との見方も出ている。

米株は底堅く推移、債券はほぼ変わらず

16日の米国債相場は、ほぼ変わらず。17日発表される5月の米生産者物 価指数(PPI)では上昇が予想されており、米金融当局者の懸念する適切な 水準以上のインフレ加速がはっきりと示される見通しだ。

午前にニューヨーク連銀が発表した同州の製造業景況指数が低下し、午後 に入って発表された6月の米住宅市場指数も落ち込んだことから、米国の景気 減速がさらに悪化するとの見方が強まり、米国債は一時上昇していた。米リッ チモンド連銀のラッカー総裁は講演で、インフレ水準は「許容できないほどに 高い」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4 時13分現在、2年債利回りは前週末比1bp低下して3.02%。10年債利回りは ほぼ変わらずの4.26%。

一方、米株式市場ではS&P500種株価指数やナスダック総合指数が3営 業日続伸。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの決算が金融株に買いを 誘い、アップルなどテクノロジー銘柄も上昇した。

S&P500種株価指数は前週末比0.11ポイント上げて1360.14。ダウ工業 株30種平均は38.27ドル(0.3%)安の12269.08ドル。一方、ナスダック総 合株価指数は20.28ポイント(0.8%)上昇して2474.78で終了した。

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