ASEM財務相会合が閉幕:原油・食料価格高騰による影響を懸念(4)

アジアと欧州の43カ国の財務相や当局関 係者が参加して韓国・済州島で開かれていたアジア欧州会議(ASEM)財務 相会合は16日、原油や食料の急激な価格上昇が世界経済に与える影響を懸念し、 国際的な政策協調を訴えるなど、先のG8(主要8カ国)財務相会合の共同声 明を踏襲する内容の議長声明を採択し、閉幕した。

会合後、額賀福志郎財務相は記者団に対し、「米国経済の減速懸念や金融不 安の問題がある一方で、インフレ懸念も存在している。各国ともに経済・金融 運営も難しい選択を迫られながらの政策運営が求められており、共通の認識を 持ったことは大きな意義がある」と成果をアピールした。

声明では、世界経済の現状について「長期的な見通しは引き続き堅調」と しながらも、「世界経済の短期的見通しは弱まっている」との認識を示した。そ の上で、米国経済の減速や信用状況のタイト化のほか、エネルギーおよび食料 価格高騰によるインフレ圧力の高まりを下方リスクとして挙げた。

これらのリスクに直面しているアジア・欧州の経済については「急激な外 的ショックに対して著しく強じんなものとなっている」とする一方で、「グロー バルな経済リスクからは完全に免れ得ない」との見解を示した。

インフレ圧力の主因となっている原油や食料の高騰についても「マクロ経 済の安定性に与える影響を懸念」と表明し、国際的に協調した政策対応をとる ことで一致。農業・エネルギー部門での投資増強などによってアジアの最貧困 層への影響を緩和していくことの必要性を訴えた。

投機マネー

このほか、声明は一次産品価格の高騰の背景にある新興国による需給増な どの実需面と投機マネーの動きなど金融面における価格変動や、世界経済に与 える影響について分析する必要性を強調した。

額賀財務相は閉幕後の共同会見で、G8財務相会合と同様、今会合でも新 興国の成長に伴う需給逼迫(ひっぱく)や産油国の供給不足だけでなく、投機 マネーの動きについて指摘があったと述べた。これについて財務相は「各国の 当事者が明確な投機に関するデータを持ち合わせていない。投機的な動きがど れくらいの比重を占めるのか明らかすべきとの認識でも一致した」と語った。

一方、投機マネーに対する規制については「一概に規制をすればよいとい う問題ではない。さまざまな分野に投資することで経済の活性化につながる面 もある。健全で合理的な世界経済の拡大のために、よい投資の動きを追求して いく必要がある」と述べ、慎重な姿勢を示した。

次回会合は2010年にスペインで開催される。

14日に大阪市で開かれたG8財務相会合の共同声明は、原油や食料価格の 高騰が「世界経済の安定成長にとって試練」になっており、インフレ圧力を高 める恐れがあるとの懸念を共有するとともに、各国が緊密に連携をとりながら マクロ経済政策や金融政策に取り組む必要性を強調した。

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