今日の国内市況:株は大幅続伸、債券もみ合い―ドルは108円台半ば

東京株式相場は大幅続伸。インフレ懸念 を背景にした米国の利上げ観測から、為替相場ではドル高・円安が進行。4カ 月ぶりの円安水準となったことから、今期の国内企業業績の上方修正期待が高 まり、キヤノンやトヨタ自動車など輸出関連株中心に上昇した。三井住友フィ ナンシャルグループなどの銀行株、三菱商事をはじめ大手商社株、住友金属工 業などの鉄鋼株の上げも目立った。東証業種別33指数は28業種が高く、下落 は5。

日経平均株価の終値は、前週末比380円64銭(2.7%)高の1万4354円 37銭。TOPIXは同30.12ポイント(2.2%)高の1401.69。東証1部の売 買高は概算で18億8898万株。東証1部の騰落状況は値上がり銘柄数1314、値 下がり318。

原油反落、米物価統計の事前予想との一致、為替の円安傾向など外部要因 の落ち着きを好感し、この日の日経平均は続伸スタート。午後からは、シンガ ポール市場の日経平均先物に入ったまとまった買いをきっかけに先物主導で一 段高となり、結局この日の高値圏で終えた。特に、日本株に追い風となってい るのが為替相場の円高修正だ。午前の東京市場のドル・円相場は1ドル=108 円前半で推移。一時、1ドル=108円40銭(ブルームバーグ・データ参照、以 下同じ)と2月14日以来、約4カ月ぶりドル高値を更新した。今月上旬から 比べると、3円近くの円安となっている。

インフレ加速懸念から利上げ観測が台頭し、シカゴで取引をしているFF 金利先物相場の動向によると、現在、年末までの利上げ確率は100%となって いる。米JPモルガン・チェース銀行は16日までに、米国の利上げ開始時期 の予想を9月に前倒ししたことに伴い、12月末のドルの対円相場の予想レート を従来の1ドル=103円から110円に引き上げた。

トヨタ自動車の今期(2009年3月期)の想定為替レートは1ドル=100円。 国内企業の多くが、サブプライム問題の影響などから現状水準より円高で設定 しており、現在の為替動向は国内の企業業績にはプラスになると、評価されて いる。TOPIXの上昇寄与度上位には、電気機器、輸送用機器指数が並んだ。 このほか銀行、卸売、機械、鉄鋼なども上位。

ただ市場では、円安は、資源価格の高騰を背景にした金融市場のタイトニ ングを表しているため、これが加速するようだと、リスクマネーが逃げる可能 性がある、との声も多い。

債券はもみ合い―先物や中期堅調

債券相場はもみ合い。日経平均株価の大幅続伸に加え、あすの20年債入 札に向けた売りに押されて、超長期債や長期債は軟調となった。半面、前週末 の白川方明日銀総裁会見を受け、早期利上げの思惑が後退して中期ゾーンは堅 調となり、先物市場では買い戻しが優勢だった。

東京先物市場の中心限月9月物は、前週末比7銭高の132円42銭で寄り 付き、直後に日中高値132円57銭をつけた。その後は、日経平均の続伸を受 けて軟化し、午後の取引開始後には132円7銭の日中安値まで下落した。大引 けにかけてはプラス圏に戻して、結局は13銭高の132円48銭で取引終了。9 月物の日中売買高は2兆7426億円程度。

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前週末比5ベーシスポイ ント(bp)高い1.89%で寄り付いた。しばらく1.88-1.89%で推移したが、午 後に入ると5.5bp高い1.895%まで上昇し、2007年7月19日以来の高水準を つけた。その後は徐々に水準切り下げ、午後1時過ぎに1.875%をつけた。3 時過ぎは1.875―1.88%で推移している。

20年物の101回債利回りは、一時は2.405%に上昇し、新発20年債とし ては06年4月以来の2.4%台乗せとなった。午後3時過ぎは3.5bp高い

2.40%で推移している。

一方、中期債は堅調。新発2年債利回りは、2.5bp低い0.96%、新発5年 債利回りは3bp低い1.50%で推移している。

財務省はあす17日、20年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率 (クーポン)は、前回5月27日入札の101回5月債から据え置きの2.4%とな る可能性が高い。発行額は前回債と同じ8000億円程度。

ドル底堅い、米国のドル安けん制警戒

東京外国為替市場ではドルが底堅く推移した。ドル・円相場は午後の取引 で一時1ドル=108円58銭と、2月14日以来、約4カ月ぶりの高値を更新し た。G8(主要8カ国)財務相会合で、米国が「強いドル」政策をあらためて 強調したことを受けてドルの下値不安が緩和。また、日本株の上昇を背景に投 資家のリスク許容度回復が期待され、低金利の円から高金利通貨などに資金が 向きやすい面もあった。

G8を通過した週明けの東京市場では、日経平均株価が前週末比400円近 い上昇幅で取引を終了。損失リスクを伴う投資先の代表格とされる株式の堅調 地合いを受けて、外為市場ではリスク選好的な動きが出やすく、対高金利通貨 を中心に円売り圧力が強まった。

ドル・円相場は早朝の取引で107円台後半までドル安・円高が進む場面も 見られたが、その後、株価が続伸して上昇幅を拡大する展開となると、円が弱 含みに転換。ドル・円相場は108円台前半に値を戻し、午後の取引では108円 台半ばまで円が下値を切り下げた。

ユーロ・円相場も一時1ユーロ=166円91銭と、前週末のニューヨーク時 間午後遅くに付けた166円35銭からユーロ高・円安が進んだ。

14日まで大阪市で開催されていたG8財務相会合では、米国のポールソン 財務長官が強いドルを信じると表明。それに対して、フランスのラガルド財務 相は会合後に、「ポールソン長官が強いドル政策は欠くことができないと言明 するのを聞き、満足している」と発言した。

一方、原油高に伴う世界経済の先行き不透明感が漂うなかで開催された今回 のG8財務相会合の声明では、産油国に石油の増産と生産能力拡大のための投 資促進を求めたほか、消費国にはエネルギー源の多様化と石油製品への政府補 助金の削減などの対策を求めた。

ただ、原油高を背景としたインフレ懸念の払しょくには、具体的な協調行 動を取りにくい状況が浮き彫りとなっており、世界経済の先行き不透明感が残 る。

さらに、今週は米国で大手金融機関の決算発表が相次ぐ見通しで、この日 の米国時間には証券大手のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが決算発 表する。リーマン・ブラザーズが、12日にカラン最高財務責任者とグレゴリー 社長の退任を発表するなど、米金融機関でトップの退陣が目立つなか、サブプ ライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の余波が意識されやすい。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE