渡辺氏:米国にとって為替介入はインフレ防止の1つのツール(2)

前財務官の渡辺博史一橋大学教授は、ポー ルソン米財務長官が原油高などでインフレにつながる急激なドル安に対して為 替介入も辞さない構えを示したことを受け、インフレ防止策としての介入を選 択肢から排除すべきではないとして、長官の発言を前向きに評価した。訪問先 の韓国・済州島で16日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じた。

渡辺氏は「輸入物価が上昇することに対するインフレ防止のための為替介 入は、金融政策が使えないという時の1つのツールであることは間違いない。 それを選択肢から排除するのは愚かだ」と語った。

ポールソン財務長官は9日、ドルを押し上げる方策としての為替介入につ いて「介入という選択肢を排除しない。いかなる政策ツールも選択肢から排除 しない」と言明。14日に閉幕したG8(主要8カ国)財務相会合でも「強いド ルを信じている」と異例の表明に踏み切った。

原油相場は今月6日に終値で1バレル=138.54ドルと1年前のほぼ倍に上 昇。米経済の不透明感の高まりや米欧の金利差によるドル安懸念から、投機的 資金が原油市場に流れ込んでいるとの見方もある。

 ラガルド仏財務相やクドリン露財務相はG8財務相会合後の記者会見で、 ドル安が石油価格の大幅上昇の要因の1つ指摘。ドル上昇が商品価格を沈静化 させるとして、ドル安阻止を強めるポールソン発言を歓迎した。

渡辺氏は「ドルがフリーフォール(急落)状態になるのは米国だけではな く、世界経済にとってよくない。米国も自らを防衛するためにすべての手段を 動員することは当たり前だし、他の国もドルの急落はよくないと思えば一緒に 動くだろう」と指摘。その上で「一般的に言えば、介入はジョイントでやった 方がよいというのが共通認識だ」との認識を示した。

その理由として「ドルという基軸通貨が単独で動くことは、認識が共有さ れていないのと同じ。効果があまりない。ほとんどの取引にドルが絡んでいる 現状で、米国だけが動くことはメッセージとしてよろしくない。やるのであれ ば、協調でやったほうがよいと思う」と説明した。

--共同取材 Simon Kennedy  Sandrine Rastello  Editor:Hitoshi Ozawa、Masaru Aoki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 韓国・済州島 下土井京子 Kyoko Shimodoi +81-3-3201-3142 kshimodoi@bloomberg.net 韓国・済州島 藤岡 徹 Toru Fujioka +81-3-3201-2158 tfujioka1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 David Tweed +81-3-3201-2494 dtweed@bloomberg.net

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