インフレで減る米国株の投資妙味-商品高騰で企業利益圧迫、利上げも

インフレで、米国株の投資妙味が薄れてい る。

米国株がここ4年で最も割高なところに、商品相場高騰で企業利益は圧迫さ れ、米金融当局は利上げを検討する方向になってきている。S&P500種株価 指数の収益株価率(益回り)は5月に米10年国債の利回りを0.22ポイント上 回った程度で、この格差は2004年以来最低だった(ブルームバーグ調べ)。同 格差がさらに縮まった前回、S&P500種は1年余りぶりに4半期ベースで下 落した。

原油相場は40%、トウモロコシは61%、コメは38%、それぞれ年初から 上昇しており、UBSブルームバーグ・コンスタント・マチュリティ商品指数は、 今年、最高値を更新。原材料コストは消費者物価を1970年代以来、最大幅で上 回っており、企業利益は圧迫されている。ブルームバーグが実施したアナリスト 調査によれば、S&P500種構成企業の第2四半期利益は1年前と比べて7.7% 減少する見通し。

仏銀ソシエテ・ジェネラル傘下、リクソル・アセット・マネジメントのファ ンドマネジャー、フロランス・バルジュ氏は「企業収益の伸びがマイナスのとこ ろにインフレの脅威が襲っている」と指摘。同氏が運用するリクソル・ディバー シファイド・ファンド(運用資産12億ドル)は、今年の株価上昇を見込まない ポジションを取り、過去1年のリターン(投資収益率)がドルベースでプラス 19%となっている。

S&P500種は昨年末以降、7.4%下落。年初来下落率では2002年以来で 最大だ。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の損失約4000 億ドルや米証券大手ベアー・スターンズ問題を背景に、同株価指数は今年1-3 月期に7年ぶり最悪の下落を演じた。4月には反発したものの、過去最高の燃料 費や食品コストを背景に米金融当局が景気低迷でも利上げを迫られるとの懸念 から再び下落。10年国債利回りは今月13日、年初来で最高を付けた。

米国債利回り上昇で、債券の投資妙味が米国株投資に追いつきつつある。S &P500種の益回りは5月に4.28%。これに対し、10年債利回りが4.06%。 両者の差がこれより縮んだ前回は04年5月で、それから四半期後、S&P500 種は2.3%下落した。

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