G8財務相会合:世界経済、スタグフレーションの危機も―商品高騰で

13、14の両日、大阪市で開催されたG8(主 要8カ国)財務相会合は、商品相場が急騰するなか、世界経済がスタグフレー ションのリスクに直面する可能性に懸念を示唆したが、今週もインフレ加速を 示す経済指標の発表が相次ぎそうだ。

14日発表された共同声明は最高値水準にある燃料・食品価格がインフレを 加速させると指摘。これは経済成長に対する「大きな試練」となり、信用収縮 を上回る問題になるとの認識を示した。ウニクレディトMIBのチーフエコノ ミスト、マルコ・アヌンツィアタ氏(ロンドン在勤)は「世界の政策責任者に とって、商品相場の問題は金融危機を押しのけて、最優先の課題になった」と 指摘し、「スタグフレーションは口にこそ出さないが、明らかに存在する懸念と なっている」とみている。

しかし、G8は「適切な措置」を取ると公約した以外は新しい政策を何ら 打ち出すことはなく、産油国の原油増産と消費国の省エネを促すという従来通 りの主張を繰り返すにとどまった。

成長鈍化とインフレ加速

商品相場の高騰は、当局者にとって、成長の鈍化とインフレ加速というジ レンマを生み出しており、どちらを重視すべきかの決断を迫られている。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によれば、5月の英国の消 費者物価は前年同月比3.2%上昇し、1997年以降で最大の上昇幅を記録する見 通し。ユーロ圏では消費者物価上昇率は3.6%に達し、9カ月連続で目安として いる「2%をやや下回る水準」を大きく上回る見通しだ。また、米国の卸売物 価も加速すると予想される。

これに対し、成長率は鈍化しており、世界銀行の最新予測によれば、今年 の世界の経済成長率は2.7%と昨年を1ポイント下回る見通しだ。

1970年代の再来か

こうしたなか、各国中央銀行は金融政策の軸足を信用収縮に対応した緩和 政策から、インフレへと移しつつある。米連邦準備制度理事会(FRB)は次 回の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを停止し、フェデラルファンド (ff)金利の誘導目標を年2%に据え置くと予想されるほか、欧州中央銀行 (ECB)は7月、政策金利を0.25ポイント引き上げ、年4.25%とする可能性 がある。

このようなインフレ回避の姿勢から、失業率とインフレ率が同時に2けた 台に達した70年代のスタグフレーションの再来との見方も少数意見ながら存在 する。

G8財務相会合は、原油・食品価格高騰の原因をめぐって意見が割れたほ か、ドルの下落が商品相場の高騰をもたらしたとするフランスやロシアの主張 に対し、ポールソン米財務長官は「強いドル」を支持したものの、両国の主張 に反対した。共同声明に為替に関する言及がなかったことで、「ドルに対しては やや失望売りが出る可能性がある」(モルガンスタンレーの為替ストラテジスト、 ソフィア・ドロッソス氏)との見方も出ている。

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