SANKY株が2年ぶり高値、自社株買いとヒット台連発でシェア期待

パチンコ・パチスロ機メーカーのSAN KYOの株価が大幅続伸。一時前週末比350円(4.9%)高の7440円と2006 年7月5日以来、約2年ぶりの高値を付けた。遊技機業界のし好変化を背景に、 パチンコ商品のヒットが相次いでいる。パチンコへの入れ替え需要が高まる過 程で最も恩恵を受ける銘柄として、継続的に資金流入が流入中だ。特にこの日 は、13日に発行済み株式総数の2.05%、金額で170億円を上限にした自社株 買いを実施するとも発表しており、株主還元姿勢への評価も水準を押し上げた。

みずほインベスターズ証券の田村悦子アナリストは、「ホール側がパチス ロからパチンコにシフトする流れは今後も続く。SANKYOがパチンコでの シェアナンバーワンというシナリオも、現実味を帯びてきた」と指摘。割安に 放置されてきた株価収益率(PER)が修正されるとみている。

SANKYの09年3月期の連結1株利益(EPS)予想は524円26銭で、 13日終値で算出したPERは約14倍。「優良企業の1つとして、少なくとも 市場平均を上回る評価を受けるべきだ」と、田村氏は話す。現在のTOPIX の平均PERは17.3倍。これを当てはめると、株価は9000円超になる。

業界低迷も異例の「当たり」

経済産業省が6月9日に公表した「特定サービス産業動態統計」(速報) によると、08年4月のパチンコホールの売上高は前年同月比12.4%減と、16 カ月連続でマイナスとなった。規制強化に伴い、射幸性を抑えた5号機パチス ロへのシフトが完了、遊技機1台当たり売上高が6.4%減っている。

一方で、ホール側は顧客の支持を受けるパチンコ新機種の購入には前向き と言われている。SANKYO経営企画部によると、「エヴァンゲリオン」4 作目となる「使徒、再び」は20万台を超える大ヒット商品になり、3月発売 の「春のワルツ」も15万台を売り上げ、10万台でヒットと呼ばれる業界にあ って異例の当たりぶりを見せた。7月投入予定の「フィーバー大夏祭り」の引 き合いも強いそうで、ヒットの兆しが出ている。田村アナリストも、「過去に 人気が高かったシリーズのため、期待ができる」としている。

遊技機の入れ替えには、警察当局の認可が必要だ。このため、国際的なス ポーツイベントや国際会議などの国家的イベント時には警察関係者の負担軽減 を目途にパチンコホール組合が遊技機の入れ替えを自粛する流れがある。「主 要国首脳会議(洞爺湖サミット)」の開催を7月に控え、一部メーカーはパチ ンコ需要が一時停滞すると説明しているが、SANKYによれば「メーカーの 営業活動は通常通り継続できるため、過去のケースでも特段の支障はなかっ た」(経営企画部IR室長の小室昌彦氏)という。「大夏祭り」の販促に注力 する姿勢だ。

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