債券はもみ合いか、米債安・株高で売り先行-1.9%付近は需要期待(2)

債券相場はもみ合いが予想される。欧米で 利上げ観測が強まる中、前週末の米国市場で、株高・債券安となった地合いを引 き継ぎ、円債市場も売り先行で始まる見通し。もっとも、新発10年債利回りが 節目の1.9%付近に上昇すれば、投資家からの押し目買いが期待される。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、株高・債券 安と前週末の米国市場動向は円債の足かせとなり、白川方明日銀総裁の会見で回 復した地合いに水を差すと指摘。一方、「10年債利回りの1.9%接近や2年債の

1.0%台乗せにはいったんの達成感もあるとみられる」として、底堅い展開を予 想している。

東京先物市場の中心限月9月物は、前週末の通常取引終値132円35銭を若 干下回る水準で始まった後、日中は132円25銭から132円65銭程度のレンジで 推移しそうだ。13日のロンドン市場で9月物は、前週末の東京終値から50銭高 の132円85銭で引けた。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、「先週末の海外市場では、 根強いインフレ懸念を背景に米国債利回りが一段高となった。決算発表前に米証 券会社や投資銀行の株式が買い戻されたことに引っ張られ、ダウ平均が大幅上昇 した」と指摘。外部環境は依然として、債券市場に逆風が吹いていると説明した。

13日の先物相場は大幅反落。前日の米国債相場が大幅下落した地合いを引 き継ぎ、朝方から売りが優勢となった。金融政策決定会合後の白川日銀総裁会見 に対する警戒感も強く、それに向けた売りも相場を押し下げた。新発10年債利 回りは昨年7月以来の高水準となる1.88%まで上昇。中心限月9月物は、前日 比86銭安の132円35銭で引けた。9月物の日中売買高は4兆4255億円程度。

新発10年債利回りは1.8%台半ばで取引か

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前週末終値1.84%を若干上 回って始まり、日中ベースでは1.8%台半ばでの取引が見込まれる。

前週末の主要8カ国(G8)財務相会合について、三菱UFJ証券チーフ債 券ストラテジストの石井純氏は、「ドル安・原油高・インフレ懸念の悪循環に対 する具体的な協調行動が打ち出されなかった」との見方を示した。

日本相互証券によると、13日の現物債市場で新発10年物の293回債利回り は、前日比5.5ベーシスポイント(bp)高い1.855%で取引開始。いったんは

1.84%をつけたが、次第に水準を切り上げ、一時は8bp高い1.88%まで上昇。 新発10年債としては昨年7月20日以来の高水準をつけた。結局、4bp高い

1.84%で引けた。

一方、10年物国債の292回債利回りは、東京時間の前週末午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.851%だ った。

米国市場は、株高・債券安

13日の米国債相場は軟調。米国債市場では2年債利回りが週間ベースで 1982年8月以来の大幅上昇となった。米金融当局関係者が景気浮揚からインフ レ抑制に軸足を移したことを示唆したため、売りが膨らんだ。

BGキャンター・マーケット・データによると、2年債利回りは週間で 65bp上昇して3.02%。上昇幅は1982年8月以来で最大。10年債利回りは週間 で34bp上昇、2003年7月以来で最大となった。10年債利回りは前日比4bp上 昇し4.25%。

一方、米株式相場は続伸。原油相場の反落に加え、5月のCPIコア指数が 市場予想と一致したことから年内の米利上げ懸念が緩和された。S&P500種株 価指数終値は前日比20.16ポイント(1.5%)上げて1360.03。ダウ工業株30種 平均は165.77ドル(1.4%)高の12307.35ドル。

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