G8財務相会合でポールソン米長官が強いドル発言-異例の表明(2)

大阪市で開催されたG8(主要8カ国)財 務相会合で、ポールソン米財務長官が強いドルを信じると表明したことが明ら かになった。為替問題は中央銀行総裁も出席するG7(7カ国財務相・中央銀 行総裁会議)の専売特許だけに、同会合で強いドルに直接言及するのは異例。 ドル安が原油高を促し、インフレにつながるとみる米当局の危機感の表れとも 言える。

会合後、記者会見したカナダのフレアティ財務相は「米国が強いドルを信 じると表明した」と、ポールソン長官の発言を紹介した。日本の財務省幹部に よると、同財務長官は世界経済の議論のなかで、米国経済は減速し困難な局面 にあるが、米国の底力は強く潜在力は高いとした上で、経済のファンダメンタ ルズ(基礎的諸条件)を反映すれば強いドルは自然なことだと述べたという。

ポールソン財務長官自身も記者会見で、「強いドルが米国の利益になる」と 述べた上で、「米国は長期的なファンダメンタルズの強さを有している。こうし たファンダメンタルズが通貨に反映されるだろう」と語った。

会合では、ポールソン長官の「強いドル」発言に対し、各国からの反応は なかったが、フランスのラガルド財務相は会合後に、「ポールソン長官が強いド ル政策は欠くことができないと言明するのを聞き、満足している」と発言。ロ シアのクドリン財務相は「ドル安が石油価格の大幅上昇の主な要因の1つだ」 と述べ、ドル上昇が商品価格を沈静化させるとの見方を示した。

会合後に発表された共同声明に、為替にする文言は盛り込まれなかった。 額賀福志郎財務相は会合後の会見で「特に為替問題について議論があったわけ ではない。G8では議題の対象になっていない」とし、各国による協調介入に ついても話題に上らなかったと説明。一方で、「為替問題についてはG7の合意 が生きている」と述べ、為替相場の急激な変動に懸念を表明した今年4月の共 同声明の内容を踏襲するとしたが、ポールソン発言については言及しなかった。

大和証券SMBCの岩下真理チーフマーケットエコノミストは「為替につ いての言及はなかったが、参加各国の財務相の発言から協力し合う様相はうか がえる。ドルをたたき売る地合いではなくなる」と予想。「強いドル」を表明し た米国の思惑については「ドル安が原油高につながり、世界的にインフレ懸念 を醸成していることを憂慮しているのではないか」との見解を示した。

--共同取材 Simon Kennedy  Sandrine Rastello  Editor:Hitoshi Ozawa

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