新生証券の宮川氏:建設需要回復ここ数年難しい、大手は海外も鍵に

新生証券の宮川淳子シニアアナリストは、 30日ブルームバーグテレビジョンに出演し、建設・ゼネコン業界を取り巻く環境 は厳しくなっており、需要回復はここ数年難しいとの見方を示した。主なやりと りは以下のとおり。

――建設・ゼネコン業界を取り巻く環境は。

「需要の減少と供給過剰という本質的な業界を取り巻く問題がより深刻化し ている。建設投資は1992年度のピークから比べると昨年度は約40%減少した。 公共工事をはじめ民間需要も大幅に減っており、かなりの需要減少がみられる。 ここ数年、回復は難しいだろう」

――深刻化している背景は。

「独占禁止法が昨年1月に改正された。大手を中心に談合中止に動いたこと から、ダンピング競争に各業者が走ってしまい、低価格入札問題につながってい る。ゼネコンの収益の源泉だった公共工事からの利益がかなり減少しており、ゼ ネコンの収益性低下に拍車がかかっている」

「改正建築基準法は民間需要、特に分譲マンションなど住宅着工の方に大き く影響が出ている。もともと分譲マンションなどに関しては一定の需要規模があ るため、ゼネコンでも中堅以下が注力していたが、建築基準法が厳格化されたこ とで建築許可数がかなり減少している。建築着工の遅れのほか、マンション開発 業者も値上げしていることが需要の減少につながっている」

「資源高が直近では一番大きな問題。例えば、マンションやオフィスビルに 使われる鉄スクラップなど鋼材価格は4月で前年度比5割近く上がっている。こ れによって、コストの上昇という悪影響が出ている。ただ、本質的に供給過剰と いう問題がある。コスト上昇分を施主に簡単に転嫁できないという問題を抱えて おり、ゼネコンが負担せざるを得ない状況。施主に依頼してコスト上昇分を価格 に転嫁してもらうしかないが、どれだけ受け入れてもらえるかが鍵となる」

――今後の業界の行方は。

「中堅以下の比較的規模の小さいゼネコンは、工事の減少に伴う資金繰りの 悪化という問題があり、破綻や企業倒産につながりかねない。大手は建設事業が 主力だが、不動産投資や海外工事に注力している部分もあるので、リスク管理さ えしっかりして安定的な業績をあげていけば、将来につなげていける。海外でも 確実に利益を出していくことが鍵になる」

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