日経平均は1月来高値に、米景気底堅さと円安好感-輸出や銀行主導

5月最終日の東京株式相場は連騰。午後 じり高となった日経平均株価は終値ベースで1月10日以来、ほぼ4カ月半ぶ りの水準を回復した。米国景気に対する懸念後退や円安傾向、原油安など外部 環境の改善から、景気や企業業績に対する警戒が和らぎ、輸出関連株など大型 株を中心に幅広く買われた。利ざや拡大期待も加わった三菱UFJフィナンシ ャル・グループが急騰するなど、銀行は東証1部の業種別上昇率で1位。

第一生命保険相互株式部の国井保博課長は「米国内総生産などの経済指標 は、急減速というより予想の範囲内にとどまっており、1-3月に予想してい たほど経済情勢は悪くなっていない」との認識を示した。その上で今期の企業 業績についても、企業数ベースでは増益予想企業の方が多いなど想定ほど悪く なく、「悲観からの立ち直りを背景として、日経平均は経済指標を確かめなが ら当面1万4000円台を固める動きとなりそうだ」と予測する。

日経平均株価の終値は前日比214円7銭(1.5%)高の1万4338円54銭、 TOPIXは27.51ポイント(2%)高の1408.14。東証1部の売買高は概算 で25億833万株、売買代金は同2兆9527億円で、売買エネルギーも回復傾向 にある。値上がり銘柄数は1280、値下がり銘柄数は334。東証業種別33指数 の騰落状況では、水産・農林を除く32業種が上げた。

信用不安後退の兆しか、2カ月連続陽線に

ファンダメンタルズに明るさが見えたわけではないが、予想ほど外部環境 は悪くないとの見方が相場の戻りを支えた。日経平均ではチャート上で5月1 日の始値1万3802円を終値で上回り、2カ月連続でローソク足が陽線となっ た。2カ月連続の陽線は昨年4-6月の3カ月連続以来で、信用不安が高まっ た昨年7月以降の相場では初めて。

米国の第1四半期(1-3月)の実質国内総生産(GDP、季節調整済 み)改定値は前期比年率0.9%増加と、速報値の0.6%増から上方修正された。 28日発表の耐久財受注なども含めると、「センチメント系の指標は相変わら ず悪いが、発表される経済指標は良く見える」(第一生命の国井氏)。米国経 済の底堅さから、米長期金利の上昇や外国為替市場でのドル高が継続し、きの うの原油先物価格の急落など外部環境は株価の後押し材料が重なっている。

新光総合研究所の調べによると、06年3月期から連続して財務データが 取得可能な3月期決算企業1238社で、会社計画の今期経常利益は前期比

4.8%減益(23日時点)。しかし社数ベースでは、増益予想企業数は792社と、 減益予想企業数437社を上回る。減益の要因となっている輸出企業の為替前提 は対ドルで100円が多く、きょう105円台後半に入った円安は増額要因となる。

T&Dアセットマネジメントの天野尚一運用統括部長は、「クレジットの 不安が和らいだことで、金利の水準が変わっている。インフレヘッジや円安も あいまって、債券から株式に目が向きやすい」と指摘していた。

銀行株高い

外部環境の改善傾向から幅広い業種が上昇する中で、輸出関連とともに上 昇が目立ったのは銀行株。「アジアからの実需買いが入っているとの観測があ る」(ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長)という。

きのうの米国株市場では、マスターカードが来年からの増益率見通しを引 き上げたことで個人消費に対する警戒が和らいだ。米国の金融株が上昇した流 れに加え、インフレへの期待感も株価を後押ししている。「短期金利が当分上 がりそうにない中で、イールドカーブが立ってくれば、金融機関にとっては利 ざや拡大でフォローになる」と、T&Dアセットの天野氏は見ていた。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo

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