大手不動産株安い、駅前地価の上昇鈍化が鮮明に-ドイツ証は判断下げ

東急不動産や三菱地所、住友不動産など 大手不動産株が軒並み下落。主要都市中心部の地価の上昇鈍化傾向が鮮明にな ってきた上、マンション販売も伸び悩んでおり、収益環境の悪化を警戒する売 りが先行している。ドイツ証券からは29日、不動産セクターの投資判断を引 き下げる動きもあった。

東急不が一時3.6%安の737円、菱地所が3%安の2775円、住友不が

3.2%安の2590円、三井不動産が2.9%安の2525円まで下落。午後2時3分時 点で、東証1部の売買代金上位20社の中で下落は4銘柄にとどまるが、この うち3社は住友不、三井不、菱地所の3社。

国土交通省が29日に開示した不動産動向調査(地価LOOKレポート) によると、2008年第1四半期(1月1日-4月1日)の主要都市における駅前 など高度利用地の価格は、全国的に総じて上昇傾向の鈍化が顕著となった。土 地・水源局・土地情報課の大谷聡鑑定官は、「商業エリアではオフィスの空室 率が低く、上昇傾向にある。ただ、住宅エリアでは、マンションの分譲価格が 上昇し、取引が減少。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問 題でファンドなどの資金運用が難しくなった」と話している。

全国の地価変動率を見ると、調査対象となった100地点のうち、上昇率で は6%以上がゼロ(前回は5地点)、3-6%が5地点(47地点)、横ばいが 50地点(11地点)。一方、下落率では0-3%が7地点(2地点)、3%以 上が2地点(ゼロ)となった。

丸の内は高水準、汐留横ばい新浦安減速

商業エリアでは、東京都千代田区丸の内では依然高水準の取引が継続し、 取引価格はおおむね上昇傾向。上昇率は前回同様に3-6%なった。ただ、港 区汐留では、超高層ビルの林立で大規模開発が可能な土地は残っていないが、 取引価格や取引利回りは横ばい、上昇率も横ばい(前回3-6%)となった。

一方、住宅エリアでは、千葉県浦安市・新浦安で近年の新築マンションの 値上げに需要が追いつかず、大規模マンションの開発需要は低下。さらに、マ ンション用の取引価格は下落傾向にあり、3%以上の下落(前回0-3%上 昇)となった。

オフィス市況の早期悪化に懸念

ドイツ証券は29日付で、不動産セクターの投資判断をこれまでの「強 気」から「中立」に引き下げた。藤田武アナリストは投資家向けメモで、「08 年3月から株価は再度上昇を見せたが、これは金余りから資金が株式市場へ流 入し、市場全体が押し上げられた感じが強い」と指摘。さらに、足元の米国不 動産ミューチュアル・ファンドへの資金フローを見る限り、資金流入がピーク アウトし始めたとの認識を示している。04年以降は好調を持続していた東京オ フィス市況だが、原油高騰の影響などもあり、「早期に悪化する懸念が高くな った」(同氏)という。

個別では三井不、菱地所、住友不、東急不の投資判断をいずれも「BUY (買い推奨)」から「HOLD(中立)」に下げた。目標株価も三井不が2700 円(従来3800円)、三菱地所が2600円(従来3400円)、住友不が2700円 (4600円)、東急不が770円(1100円)にそれぞれ見直している。

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