損保ジャパンの黒田氏:長期金利のベクトルはまだ下向き-上昇は限定

損害保険国内3位、損保ジャパン財務企画 部 運用計画グループの黒田泰則グループリーダーは29日、ブルームバーグ・ ニュースとのインタビューで、最近急上昇している長期金利の動向について、 景気の状況からみて「ベクトルはまだ下を向いているイメージだ」と述べた。

長期金利の指標とされる新発10年物国債利回りは、前日に昨年8月9日以 来となる1.8%台に上昇した。3月末には1.3%を割り込んでいた長期金利が2 カ月程度で50ベーシスポイント(bp)を超す大幅な上昇となった。

黒田氏は、利回りの急激な上昇について、①米国での信用力の低い個人向 け住宅融資(サブプライムローン)問題による「質への逃避」に対する過度な 修正②原油など商品(コモディティ)価格の高騰によるインフレ懸念の強まり -などが理由で起こっているため、と指摘する。

現在はこうした過度な修正が収まりつつある一方、商品価格の高騰は、国 内では原材料が最終価格に転嫁される割合が小さく、企業収益の圧迫要因とな るとの見方を示した。

そのうえで、黒田氏は「長期金利の1.7%や1.8%は結構高いというイメー ジがあり、さらに急上昇していくことにはならない」と述べた。

08年度資産運用、新興国株積み増し、国内債はほぼ横ばい

同社の2008年度の資産運用計画について、黒田氏は、「リスク性資産であ る新興国株式ファンドを積み増し、収益の拡大を目指す」という。中国・ベト ナムなどアジアを中心とした新興国株に投資する意向。先進国の株式を圧縮し、 売却した資金の一部を振り向ける。

一方、コモディティ・ファンドは減少、国内債、外債はほぼ横ばいとする 方針だ。

黒田氏は、08年度の国内10年金利の見通しについて、「1.3%から2.0%程 度のレンジで推移。来年3月末は1.6%か1.7%」と予想。一方、日経平均株価 については、「下値は1万2000円、上値は1万6000円程度。来年3月末時点で、 1万4500円をはさんだところ」とみている。

損保ジャパンは、総資産が約5兆円程度(2008年3月末時点)。うち国債は 8700億円、社債が4600億円、株式は1兆5200億円、新興国株や外債などを含 む外国証券は9200億円程度。

損保ジャパンの2008年度の予想水準(09年3月末予想)
10年国債:1.3%-2.0%程度(1.6-1.7%程度)
米国10年債:3.4%-4.3%程度
日経平均株価:1万2000円-1万6000円程度(1万4500円程度)
NYダウ:1万1000ドル-1万5000ドル程度(1万3500ドル程度)
ドル・円:97円-110円程度(107円程度)
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