楽天投信社長:年金不安の若者に長期投資を-「楽天株式F」が始動

楽天の100%子会社で投資信託委託業務を 行う楽天投信は30日、同社初の投資信託「楽天株式ファンド」を1億2226万 円で新規設定して運用を開始した。販売会社はネット専業の楽天証券。小川秀 夫社長は「資産形成ニーズが強い20-30歳代の若年層を主要ターゲットとす る。毎月少額を積み立ててもらいたい」と抱負を語った。

日本銀行によると、07年末の日本の個人金融資産は1545兆円。その大半 が50歳以上の年齢が高い層に偏在しており、既存の投資信託、多くの金融機 関はこの年代をターゲットにしている。一方、20-30代では「年金不安を背景 に2年ほど前から貯蓄性向が高くなり、資産を作りたいとの思いが強まってい る。楽天グループはこうした若い世代に知名度が高く、活用してもらいやす い」(小川氏)ようだ。

楽天証券の口座数は78万件。顧客はデイトレーダーなど株式投資に慣れ 親しんでいる層が多い。ただ小川社長は、同証券の既存顧客というよりも、投 資経験があまりないような「楽天グループにID登録している4600万人にア プローチしたい」と話す。

20-30代の人口構成比は3割だが、楽天グループの顧客では8割近くに達 する。こうした若い世代は、日中に金融機関に来店し、投資信託に関する説明 を長時間受けて商品を購入という現在主流の販売手法はあまり適さない。楽天 投信では、彼らがインターネットを活用して情報を収集し、卸売価格に近い値 段で購入できる投資信託の商品化を検討してきた。

その結果、他のファンドを組み入れるファンド・オブ・ファンズ形式で運用 する国際分散投資型の「楽天株式ファンド」が誕生した。ファンドの販売手数 料はなし、信託報酬は年0.8715%、投資先ファンド分を加えた実質では1.7プ ラス・マイナス0.2%。

さわかみファンドなど組み入れ

「楽天株式ファンド」は当初、さわかみ投信の「さわかみファンド」と、 日本コムジェストの欧州株とエマージング株式の3本を組み入れるが、「世界 最大の株式市場である米国はアセットアロケーション上、無視できない。本数 は今後増やしていく。それでも商品の分かりやすさを考えると、多くて6本だ ろう」(小川氏)という。

小川氏は、楽天証券で取り扱っている「レオス日本成長株ファンド」の投 資顧問会社レオス・キャピタルワークスが長期投資スタンスに変更しているこ とに触れ、「実際に長期投資を目指したファンドになり、さわかみファンドと の違いが明確になれば、将来組み入れる可能性は大いにある」と語った。

楽天投信が出す投資信託はこの「楽天株式ファンド」のみで、追加投入す る意向は持っていない。また楽天グループ以外での販売は現在考えていない。

--共同取材 小笹 俊一、吉川 淳子   Editor:Shintaro Inkyo

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