債券が小幅安、米債安・株高が圧迫―年限長期化買いで長期債堅調(2)

債券先物相場が小幅安(利回りは上昇)。 前日の米国債相場の下落や、日経平均株価が続伸して寄り付いたことで、売り が優勢となった。一方、この日は月末で、投資家から保有債券の年限を長期化 させる買いなどが入って長期債は堅調となった。

大和証券SMBCチーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は、「朝方 に上下した後、静かな展開となった。前日に続いて、海外市場で米国金利が上 昇した影響を受けたが、反応は小さかった。月末に伴う年限長期化の買いや、 週末の持ち高調整の動きなどが下値を支えている」と説明した。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比5銭安の134円5銭で寄り付い た。直後から買いが優勢となり上昇に転じて、一時は32銭高い134円42銭ま で上昇。しかし、再び売りが膨らむと133円92銭まで下落。その後は、もみ 合いの展開となり、結局、7銭安の134円3銭で午前の取引を終了した。

6月物の午前の売買高は1兆8510億円程度。

バークレイズ・キャピタル証券のチーフストラテジスト、森田長太郎氏は、 「前日の米国市場では10年金利が大きく上昇したが、日本国債の方は長期金 利の上昇ペースが相対的に速かったうえ、利回り曲線もかなりスティープ(傾 斜)化している。日本国債は、売られにくい水準に達してきている」という。

日経平均株価は続伸。前日比115円88銭高の1万4240円35銭で午前の 取引を終えた。

新発10年債利回りは1.78%

現物債市場で新発10年物の292回債利回りは、前日比1ベーシスポイン ト(bp)低い1.795%で取引を開始。その後は1.78%-1.785%で推移し、午 前の終値は2.5bp低い1.78%だった。

新発20年債利回りは前日比変わらずの2.31%で午前を終えた。一時は3 bp低い2.28%に低下した。

全国コアCPIは前年比0.9%上昇、相場の影響限定的

朝方に発表された4月の全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除 くコアが前年同月比0.9%上昇、5月の東京都区部のコアCPIは同0.9%上 昇した。ブルーバーグ・ニュースの事前調査では、全国コアCPIは同1.0% 上昇、都区部のコアCPIは同0.9%上昇が見込まれていた。

一方、4月の鉱工業生産は、前月比0.3%低下となり、市場予想(0.5%低 下)をやや上回った。4月の失業率は前月比0.2ポイント上昇の4.0%、有効 求人倍率は0.93倍、前月から0.02ポイント低下した。

米国市場は株高・債券安、10年金利は5カ月ぶり高水準

29日の米国債相場は3日続落。米景気回復のペースが加速している兆候が 示され、この日実施された5年債入札では需要が軟調だった。5年債利回りは 12月以来の高水準に押し上げられ、10年債利回りも5カ月ぶり高水準に上昇 した。ダラス連銀のフィッシャー総裁は28日夜、インフレ期待が引き続き悪 化した場合、金利を引き上げる可能性を示唆した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4 時3分現在、10年債利回りは前日比9bp上昇して4.09%。一時は4.14%まで 上昇した。

一方、米株式相場は3日続伸。マスターカードが増益率見通しを引き上げ たことが金融株への買いを誘った。原油相場が下落し、消費関連企業の収益見 通しが明るくなったことも買い材料。

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