東京外為:ドルもみ合い、米株高・金利上昇で堅調地合い継続-105円半ば

朝方の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=105円台半ばでもみ合っている。原油価格の大幅下落や、米国株高・ 米金利の上昇を背景にドルの堅調地合いが続いているが、米景気の先行き不透 明感がくすぶるなか、106円台に向けて一気にドルを買い上げることには慎重な 向きが多い。また、国内では消費者物価指数(CPI)や鉱工業生産など経済 指標が発表されたが、円相場への目立った影響はみられていない。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の北沢純部長は、「原油相場 の下落を受けた株高を背景に投資家のリスクアペタイト(志向)が増すという ことで、低金利の円で資金を調達して他通貨を買っていくような動きがまた出 てくるのかなといった感がある」と指摘。また、「米金利が水準を切り上げて きており、金利先安観を修正する動きに伴ってドルが買い戻されている面もあ る」といい、ドルが対円でレンジを切り上げる展開を見込んでいる。

一方、「月末、五・十日(ごとうび)」ということで、東京時間日中は需 給中心の展開が予想される。外貨建て投信に絡んだ外貨買い需要がドルを支え る半面、上値では国内輸出企業のドル売り需要も見込まれ、ドルの伸び悩みが 続けば、週末を前にドルの買い持ち高を手じまう動きが強まる可能性もある。

米株高・金利上昇でドル続伸

29日の米株相場は3日続伸。マスターカードが増益率見通しを引き上げた ことが金融株への買いを誘ったほか、原油相場の下落で消費関連企業の収益見 通しが明るくなったことが買い材料となった。

投資家のセンチメントを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボ ラティリティ・インデックス(VIX、別名「恐怖指数」)は18.14と1週間 ぶりの水準に低下。一方、米国債相場は3日続落し、5年債利回りは12月以来 の高水準に押し上げられた。10年債の利回りも5カ月ぶり水準に上昇した。

米国株高や米金利上昇を手掛かりに、外国為替市場ではドルが続伸し、対 円では一時、1ドル=105円87銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ) と2月28日以来、約3カ月ぶりの水準までドル高が進行。ユーロ・ドルも一時、 1ユーロ=1.5486ドルと今月19日につけたドル高値に並び、その後は1.55ド ル前半でもみ合う展開が続いている。

一方、ユーロ・円は1ユーロ=163円台前半から164円台前半と4月下旬以 来のユーロ高・円安値水準でもみ合うが継続。ドル主導の展開のなか、方向感 が出にくいものの、株価の堅調推移を背景に投資家のリスク許容度が改善する なか、金利差に着目した高金利通貨買い・円売りの動きが出やすい。

原油相場が急反落

29日ニューヨーク原油先物相場は、バレル当たり4ドルを超える急反落。 米エネルギー省が発表した週間統計で消費者が最高値圏にある燃料の購入を渋 っている兆候が示されたほか、ドルの上昇に伴いヘッジ策としての原油の投資 妙味が減退したのが売り材料となった。

一方、米国で発表された経済指標はおおむね予想通りとなり、ドルの堅調 地合いに水を差すことはなかった。米商務省が発表した第1四半期(1-3月) の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)改定値は前期比年率0.9%増 加と速報値(0.6%増)から上方修正され、エコノミスト予想と一致。24日に終 わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比4000件増の37 万2000件だった。

この日の米国時間には4月の個人消費支出(PCE)と米金融当局が注目 するインフレ指標のPCEコア価格指数、5月のシカゴ地区製造業景況指数の 発表が予定されており、株高・金利上昇・ドル堅調の流れが続くかどうかが注 目される。また、原油相場の動向も引き続き注目で、東京時間日中も時間外取 引の原油先物や日本株・アジア株の動きをみながらの展開となりそうだ。

--共同取材:三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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