訂正:5月29日の海外金融・株式・為替市場

(NY外為の第1段落の「3週間ぶり」を「3カ月ぶり」に訂正します)

○米国株:3日続伸。マスターカードが増益率見通しを引き上げたことが金融 株への買いを誘った。原油相場が下落し、消費関連企業の収益見通しが明るく なったことも買い材料。

マスターカードがクレジットカードやデビットカードの使用が増加してい ることを明らかにすると、バンク・オブ・アメリカ(BOA)やJPモルガ ン・チェース、シティグループの株価が上昇。KBW銀行指数はこの2週間で 最大の上昇。過去最高値圏にある原油価格が需要を抑えている兆候が示された ため、原油が4ドルを超える大幅反落となり、ターゲットやベスト・バイなど 小売株は過去1カ月で初めての3日続伸となった。グーグルも高い。4月の米 テキスト広告クリック件数が伸びたことが買いを誘った。

S&P500種株価指数は前日比7.42ポイント(0.5%)上げて1398.26。 ダウ工業株30種平均は同52.19ドル(0.4%)高の12646.22ドル。ナスダッ ク総合株価指数は21.62ポイント(0.9%)上昇の2508.32で終了した。ニュ ーヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は2対1。

D.A.デービッドソンのチーフ市場ストラテジスト、フレデリック・ ディクソン氏は「信用市場にはまだ圧力が残っているが、今の段階では世界的 な恐慌に陥るとの懸念はない。材料待ちで様子見に回っている参加者が多く、 原油相場の急落が株式市場への資金流入を加速させるきっかけとなった」と述 べた。

GDP

S&P500種の全10セクターのうち8業種が上昇した。第1四半期(1 -3月)の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)改定値が前期比年 率0.9%増加と、速報値の0.6%増から上方修正されたことが買いを誘った。 純輸出の上方修正がGDPに寄与した。

マスターカードは7.7%高。同社は来年から3年間の増益率見通しを年間 で20-30%と、従来の15-20%から引き上げたことを規制当局への提出文書 で明らかにした。同業上位のビザは4.1%高。

金融株の回復

米住宅金融大手カントリーワイド・ファイナンシャルは8.2%高。同社は 6月25日に株主総会を開催すると発表。バンク・オブ・アメリカ(BOA) への身売りを採決する。臨時株主総会の日程が確定したことで、BOAが買収 価格を引き下げる、あるいは買収を撤回するのではないかとの憶測が静まると みられている。

シティは2%上昇。BOAは2.2%高、JPモルガンは1.7%上げた。S &P500種の金融株指数は1.6%上昇。S&P500全体の上げに最も寄与した。

トクビル・マネジメント・アソシエーション(ニューヨーク)で70億ド ルの資産運用を手がけるジョゼフ・ゾック氏は「金融機関は傷が癒える過程に あるというのが一般的な見方だ。長い間苦しんできたが、これが世界の終わり ではないとの見方が広がりつつある」と述べた。

JPモルガンの米株担当チーフストラテジスト、トーマス・J・リー氏が 社債保証コストを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッ ドの縮小を理由に、金融株が21%上昇するとの見方を示したことも買い材料。

グーグルは2.6%上昇。検索広告のクリック件数が4月に20%増加。3 月の減速から反転した。

航空株

US航空は5.9%高。米ユナイテッド航空の親会社UALとUS航空の最 高経営責任者(CEO)が合併交渉で協議すると、事情に詳しい関係者が明ら かにした。

原油が3月以来の大幅安になったことを好感し、S&P500種の一般消費 財株指数は1%高と、ここ2週間で最大の上げ。ターゲットやベスト・バイ、 スターバックスが買われた。

○米国債:3日続落。米景気回復のペースが加速している兆候が示され、この 日実施された5年債入札では需要が軟調だった。5年債利回りは12月以来の 高水準に押し上げられた。

10年債の利回りも5カ月ぶり高水準に上昇。5年債入札(190億ドル) では外国中央銀行を含む間接応札の落札全体に占める割合が2003年以来で最 低だった。前日実施された2年債の入札でも需要は軟調だった。ダラス連銀の フィッシャー総裁は28日夜、インフレ期待が引き続き悪化した場合、金利を 引き上げる可能性を示唆した。

スタイフェル・ニコラウスの債券ストラテジスト、ジム・デマシ氏は、 「米国債市場のセンチメントは明らかにネガティブだ。インフレには多くの懸 念が伴い、投資家は利回りにインフレ分を上乗せしている。連邦公開市場委員 会(FOMC)が利下げを終了したとの見方は強まっている」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後 4時3分現在、10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01ポイント)上昇して4.09%。一時は4.14%まで上昇した。10年債価格 (償還期限2018年5月、表面利率3.875%)は23/32下落して98 9/32。

5年債利回りは10bp上げて3.43%。一時は3.51%まで上昇した。2 年債利回りは9bp上昇して2.69%。30年債利回りは8bp上げて4.76% となっている。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、イラ・ジャージー 氏は、「債券の追加供給が終わったので、今は底値をつけたと願っている」と 語った。

1-3月期GDP改定値

商務省が発表した第1四半期(1-3月)の実質国内総生産(GDP、 季節調整済み、年率)改定値は前期比年率0.9%増加と、速報値の0.6%増か ら上方修正された。

財務省が実施した5年債入札の結果によると、最高落札利回りは3.520% と、入札直前の市場予想の3.490%を上回った。間接応札が落札全体に占めた 割合は16.5%と、2003年6月以来の低い水準だった。

同省は6月3日に1年債の入札(160億ドル)を実施すると発表。1年債 入札は2001年以来初めて。

バンク・オブ・アメリカ証券の米金利戦略責任者、マイケル・クロハテ ィ氏によると、連銀は新発債を購入しないため、財務省は投資家の買いを促す ため、プレミアムを支払うことになる可能性が高い。

ニューヨーク連銀はこの日、来週期限を迎える34億ドルの短期国債を償 還すると発表した。

金利見通し

金利先物市場動向によると、9月にフェデラルファンド(FF)金利誘 導目標が少なくとも0.25ポイント引き上げられる確率は38%となっている。 前日は29%だった。また6月25日の会合で同金利が2%で据え置かれる確率 は98%。

フィッシャー総裁は28日、サンフランシスコで講演し、「インフレ動向 や、それより重要なインフレ期待が引き続き悪化した場合、景気が低調であっ ても早期に金融政策の方向性の転換が図られると予想している」と述べた。

今月は原油高を背景にインフレ連動債(TIPS)の需要が高まってい る。10年物米国債と10年物TIPSとの利回り格差は2.51ポイントと、4 月末の2.28ポイントから拡大した。同格差は今後10年間のインフレ期待を 反映している。

2年債と10年債の利回り格差も1.40ポイントと、1月21日以来の最小 に縮小した。3月6日時点での同格差は2.08ポイントだった。FOMCがイ ンフレ抑制のために金利を引き上げるとの見方が強まっている。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で3カ月ぶり高値を付 けた。米株価が上昇したことに加え、原油相場の急落で、米景気見通しが明る さを増したことが背景。

ドルは対ユーロでもここ3週間で最大の上げとなった。朝方発表された 第1四半期米国内総生産(GDP)改定値が速報値から上方修正されたことが 好感された。28日夜に米ダラス連銀のフィッシャー総裁が消費者物価の一段 の上昇が見込まれるようになれば、米金融当局は利上げを実施するだろうとの 見解を示したことを受けて、ドルが上昇し始めた。

TDセキュリティーズのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オズボー ン氏(トロント在勤)は「米経済指標は市場の予想ほど弱くなく、これがドル を押し上げている。それに加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバー から非常にタカ派的なコメントが出ている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ドルは対円で1ドル=105円60銭 に上昇。前日は同104円69銭だった。ドルはユーロに対しては前日比0.9% 高の1ユーロ=1.5503ドル(前日は同1.5638ドル)。円は対ユーロで1ユ ーロ=163円71銭。前日は164円48銭だった。

株価の上昇でキャリートレードが促進されたことから、円とスイス・フ ランの売りがかさんだ。スイス・フランは対ドルで前日比1.1%下落と、主要 16通貨中で最大の下げとなった。

ブラジル・レアル上昇

格付け会社フィッチ・レーティングスがブラジルの信用格付けを投資適 格等級に引き上げたことを受けて、ブラジル・レアルが1.1%上昇した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物 相場動向によると、FOMCが9月16日の定例会合でFF金利誘導目標を

0.25ポイント引き上げ2.25%とする確率は32%とみられている。前日は 29%だった。また、年末までに最低0.25ポイントの利上げが実施される確率 は約70%とみられている。

インフレ圧力

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの主任為替ストラテジスト、サイ モン・デリック氏は「インフレ圧力の兆候に対処するために、FOMCが市場 の予想より早く金利を引き上げる必要が出てくる可能性があるとの見方が広が っている」と指摘した。

米メリルリンチの北米担当チーフエコノミスト、デービッド・ローゼン バーグ氏によると、原油相場の高騰で今年の米インフレ率は平均4.5%に上昇 する見込み。米労働省によると、1-4月の消費者物価指数は3.9%上昇した。

INGファイナンシャル・マーケッツの自己勘定取引ディレクター、マシ ュー・カッセル氏(ニューヨーク在勤)は「インフレ懸念の高まりを受けて、 市場はFOMCによる金融緩和の解除をこれまでの予想以上に早く織り込む必 要が出てきた」と指摘。さらに、「利回りが上昇しており、それがドルの押し 上げ要因となっている」と語った。

○英国債:続落。民間調査で5月のインフレ期待が上昇したことを背景に、国 債需要が減退した。2年債利回りが6営業日連続で10年債を上回り、長短金 利の逆転が続いた。

英国産業連盟(CBI)がこの日発表した5月の小売り販売価格が16年 ぶりの高水準となり、シティグループの調査でインフレ率がイングランド銀行 の目標の2倍となるとの予想が示された。インフレ高進でイングランド銀が6 月の利下げを見送るとの見方が強まり、2年債利回りは6カ月ぶりの高水準ま で上昇した。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロニー氏 (ロンドン在勤)は「景気とインフレの見通しの間にはかなり大きな開きがあ り、両者間ではインフレが勝っているようだ」と述べ、「投資家は特に短期国 債買いに確信が持てない状態だ」と指摘した。

ロンドン時間午後5時10分現在、2年債利回りは8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上げ5.11%。一時は5.15%まで上げ、昨年11月 1日以来の高水準となった。同国債(償還2010年6月、表面利率4.75%)価 格は0.15ポイント下げ99.32。10年債利回りも8bp上げ5.02%。2年債 に対する10年債の上乗せ利回りはマイナス9bpとなった。

○欧州債:下落。この日発表された4月のユーロ圏マネーサプライ(通貨供給 量)統計で、予想に反して伸びが加速したことを受けて、欧州中央銀行(EC B)がインフレ抑制に向けて政策金利を据え置くとの見方が強まったことが背 景。

株式相場の上昇で、独2年債利回りは9カ月ぶりの高水準に上昇した。E CBのトリシェ総裁は「極めて力強い」マネーサプライの伸びがインフレ要因 だとの認識を示した。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロニー氏 (ロンドン在勤)は「国債市場は守勢に立っている」と指摘し、「インフレへ の見方にかなり左右されている」と語った。

ロンドン時間午後5時28分までに、独2年国債利回りは前日比11ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ4.33%と、昨年8月以来の高水 準となった。同国債(2010年3月償還、表面利率3%)価格は0.18ポイント 下げ97.76。10年債利回りは8bp上げ4.43%。これは7カ月ぶりの高利 回り。

ECBが同日発表した4月のユーロ圏マネーサプライ統計によると、拡 大M3(現金、要求払い預金、定期貯蓄性預金、投資信託の一部)は、季節 調整済みで前年同月比10.6%増と、エコノミスト予想(10.3%増)を上回る 伸び率となった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム 1-212- 617-3007

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Akiko Kobari

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