首相:6月1日から独英伊訪問、食糧サミット出席-政権浮揚狙う(2)

福田康夫首相は6月1日から5日までの日程 で、ドイツ、英国、イタリアの欧州3カ国を訪問する。日本が議長国を務める7 月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)でのリーダーシップ発揮に向け て、主要テーマとなる地球温暖化対策や食糧価格高騰などの問題に対する各国首 脳の協力を事前に取り付ける見通し。

福田首相は3-5日にローマで開催される国連食糧農業機関(FAO)主催 の「世界の食糧安全保障に関するハイレベル会合」(食糧サミット)に出席、演 説を行って日本が発表した5年後のアフリカ支援倍増方針などを説明、各国に理 解と協力を求める見込み。

町村信孝官房長官が29日の記者会見で明らかにところによると、福田首相は 6月1日に日本を出発し、同日中にベルリンでメルケル首相と会談する。2日午 前にロンドン入りし、昼にブラウン首相との会談に臨み、同日中にローマに移 る。ローマで3日開幕の食糧サミットに出席し、フランスのサルコジ大統領、イ タリアのベルルスコーニ首相と相次いで会談する。福田首相は4首脳との会談 で、それぞれ2国間の関係強化を確認するものとみられる。

首相は4日朝には国連の潘基文(バン・キムン)事務総長と朝食をとりながら 会談。同日午後(現時時間)にエジプトのムバラク大統領とも会談する。

国内では参院で野党が過半数を占める「ねじれ国会」に伴って福田政権の政 策運営は停滞。「危険水域」とされる30%を大きく割り込んだ内閣支持率に苦し む福田首相は、外交で成果を挙げることで、与野党内から批判が出ることを封じ 込めるとともに、政権浮揚につなげたいところ。しかし参院第1党の民主党は、 サミット直後にも衆院解散・総選挙に追い込む構えで、福田首相にとって綱渡りの 政治状況が続く。

政治評論家の森田実氏は国内の政治状況について、「洞爺湖サミットに向け て頑張っている福田首相を降ろす動きはとりにくい。内閣支持率もこれ以上は下 がらず、サミット直後には30%台に回復する可能性もある」と分析。

その上で森田氏は「自民党内は9月の民主党代表選を見守っている状況だ。 民主の新体制がどうなるかによっては『福田首相ではとても太刀打ちできない』 という議論が出てくるだろう」と述べ、民主党代表選の結果が、政権の浮沈に大 きな影響を与えるとの認識を示した。

福田首相は22日の講演で、今後30年間を視野に、東南アジア諸国連合(A SEAN)と米国、中国、韓国、ロシアなど太平洋に面する各国との関係強化を 柱とする包括的な対アジア外交政策を発表。27日-30日の日程で横浜で開催中の アフリカ開発会議(TICAD)の議長を務め、アフリカの40カ国以上の首脳ら との会談をこなすなど、外交に力を注いでいる。

岩井奉信日大法学部教授(政治学)は政権の存否について、「外交は福田首 相らしさがでてきている。それなりに自分からアピールする努力をしているとい うことは、意欲がかなりあるということだ」と述べ、首相が自ら政権を投げ出す 可能性はないとの見方を示した。

福田首相は22日、記者団に「欧州の首脳と洞爺湖サミットの課題について率 直な意見交換をしたい」と言及。「気候変動、アフリカの開発、保健衛生、食糧 安定供給、原油の問題もある。国際的に大きな問題があり、率直に話をしてきた い」と語った。

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