債券は大幅安、世界的な金利上昇や株高で1.8%台-入札無難(終了)

債券相場は大幅安(利回りは上昇)。前 日の米国債相場の下落に加えて、日経平均株価が大幅反発したことを受けて、 売り優勢となった。世界的なインフレ懸念を背景に、日米欧とも金利上昇傾向 となっている。新発10年債利回りは遅い時間に1.8%の大台に乗せた。2年債 入札は、最低落札価格が予想を若干下回ったが、無難な結果と受け止められた。

損保ジャパン・グローバル運用部グループリーダーの砺波政明氏は、「米 国の10年金利が4%台まで上昇したことを受けて売りが優勢だった。株価も 1万4000円台を回復。地合いの悪さもあり、金利は上昇したが、日銀の利上 げ観測が出ていないので、10年債が1.8%に近づくと押し目買いが入った」と 述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比48銭安の134円18銭で寄り付 き、すぐに日中安値133円88銭まで下落。2007年8月以来の安値をつけた。 その後は、やや持ち直し、大引け前には134円28銭にやや戻した。結局は、 56銭安の134円10銭で引けた。6月物の日中売買高は3兆7746億円。

DIAMアセットマネジメントのエグゼクティブファンドマネジャー、山 崎信人氏は、「海外市場の動きの影響を受けて、売りが優勢となった。市場で は、すでにショート(売り建て)の持ち高を持っている投資家が多いため、売 り進みづらい。134円を切ったところでは売りが出せなくなっており、押し目 買いが入りやすい」と説明した。

日経平均は大幅反発。前日比415円3銭高の1万4124円47銭と、1万 4000円の大台を回復して引けた。

新発10年債利回りは昨年8月以来の1.8%台

現物債市場で新発10年物の292回債利回りは、前日比5.5ベーシスポイ ント(bp)高い1.795%で取引開始。新発10年債としては、昨年8月以来の高 水準をつけた。その後は、徐々に上げ幅を縮小し、1.775%まで戻した。

その後は緩やかに水準を切り上げ、夕方には6bp高い1.80%をつけて、 昨年8月9日以来の1.8%台乗せとなった。午後5時20分すぎには1.805%に 上昇している。

新発5年債利回りは7.5bp高い1.365%、前回入札された2年債(268回 債)利回りは4bp高い0.89%に上昇している。

市場では、「原油価格の反発や米景気減速もそれほど大きくないというこ とが弱材料となっている。また、あすの消費者物価指数(CPI)発表や来月 初に10年債、物価連動債の入札があるので、下値不安を抱えた取り組みとな っている」(岡三アセットマネジメント債券運用部長の山田聡氏)との声も聞 かれた。

2年債入札は無難な結果

財務省が実施した表面利率(クーポン)0.9%の2年債(269回債)の入札 結果によると、最低落札価格は99円98銭(最高利回り0.91%)となり、市場 予想の99円99銭を1銭下回った。平均落札価格は99円99銭9厘(平均利回 り0.9%)。

最低と平均落札価格との差(テール)は1銭9厘となり、前回の1銭1厘 からやや拡大。応札倍率は3.21倍となり、前回債の3.10倍から若干上昇した。

市場では、「クーポン0.9%ということで無難に終わった。入札結果は相 場への影響はなかった」(山崎氏)との声が聞かれた。

日本相互証券によると、この日入札された2年債(269回債)利回りは、 業者間取引において、0.90%で寄り付いた。その後は、0.90-0.91%のレンジ で推移、午後3時37分時点では0.91%で取引されている。

亀崎日銀審議委員、下振れリスクに注意必要

亀崎英敏日銀審議委員は、山形市内で講演し、日本経済の先行きについて 「海外経済やグローバルな金融市場をめぐる不確実性、エネルギー・原材料価 格高の影響など景気の下振れリスクに最も注意する必要がある」と述べ、強い 警戒感を示した。

一方で、「長期的には、緩和的な金融環境の長期化が経済・物価の振幅を もたらすリスクは引き続き存在しており、景気の下振れリスクが薄れる場合に は、こうした上振れリスクを意識する必要性は高まる」と語り、金融緩和の長 期化がもたらすリスクにも言及した。

みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、当面の日銀の 金融政策について、「利上げも利下げもなしという基本線は動きようがない」 との見方を示した。

ブルームバーグ・ニュース調査によると、4月の全国CPIコア指数は前 年比1.0%上昇(前月は1.2%上昇)へと伸び鈍化が見込まれている。暫定税 率の期限切れによる一時的なガソリン値下がりが影響する。

一方で、5月の東京都区部CPIコア指数は同0.9%上昇(前月は0.7% 上

昇)へ伸びが加速する見通し。

--共同取材:宋泰允、日高正裕 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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