日本株(終了)輸出主導で急反発、米指標底堅さや円安好感-先物活況

東京株式相場は大幅反発。400円以上上げ た日経平均株価は4営業日ぶりに1万4000円を回復した。米国の耐久財受注 が予想ほど落ち込まず、為替の円安傾向からトヨタ自動車やキヤノン、松下電 器産業など輸出関連中心に幅広く上昇。債券先物売り・株式先物買いの動きも、 上昇スピードを加速させた。

21世紀アセットマネジメントの清水孝則社長は、「耐久財受注を市場はノ ー・リセッション(景気後退せず)と判断した。エコノミストが予測するほど 世界経済は悪くない」との見方だ。清水氏は、スローモーション・リカバリー の兆しが出てきた米国は、来年にも利上げに転じると予想。「円高トレンドの 終わりは、輸出関連の大型株にとって追い風になるだろう」と指摘している。

日経平均株価の終値は前日比415円3銭(3%)高の1万4124円47銭、 TOPIXは31.94ポイント(2.4%)高の1380.63。東証1部の売買高は概算で 19億4621万株、売買代金は同2兆3391億円。値上がり銘柄数は1497、値下が り銘柄数は173。唯一下落した鉄鋼を除く32業種のうち、TOPIXへの上昇 寄与度が大きいのは電気機器、輸送用機器、銀行、化学、機械、不動産など。

米経済は持ちこたえる

米製造業耐久財受注が予想ほど悪化しなかったことで、米国経済に対する 不安感が後退した。日経平均は先物主導で取引開始後からじりじりと水準を切 り上げ、午後も終始強含みのまま取引を終えた。日経平均は約2カ月ぶりの上 げ幅で、このところ上値を抑えている25日線(1万3913円)を回復した。豊 証券の菊池由文取締役によると、「円安やテクニカル面から日本株はいつ反発 してもおかしくない状況にあった」そうだ。「債券市場の下落もあり、日経平 均の25日線を強く意識した先物ポジションが買い戻しを迫られる状況になっ た」(同氏)という。

28日に発表された4月の米製造業耐久財受注額は前月比0.5%減少と、ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値1.5%減ほど悪化 しなかった。耐久財受注は「米製造業が持ちこたえていることを示す内容とな った」(日興シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミスト)と受け止め られ、米10年債利回りは今年1月以来、初めて4%を上回るなど金利が上昇。 外国為替市場では東京時間でも1ドル=105円台へのドル高・円安が進んだ。

3月期決算発表が終わり、4-6月業績が出てくる7月まで市場はマクロ 経済指標への注目度を高めている。RBCインベストメントの武田洋二ファン ドマネジャー(香港在住)は、「買いたい弱気が増えている。外国人投資家の 間でも日本のウエートを上げたいという雰囲気が高まっている中で、良い材料 が出ると買ってくる動きがある」と指摘した。

債先売り・株先買いも上げを拡大

一方、上げ幅が大きくなった要因として、債券市場が大幅安(利回りは上 昇)となった影響を指摘する声も多かった。新発10年債利回りは一時、昨年 8月以来の高水準となる1.795%に上昇し、「インフレを背景として年末には 2%まで上昇する可能性がある」(21世紀アセットの清水氏)。実際に債券先 物売り・株式先物買いが活発化し、大証における日経平均先物6月物の出来高 は14万8000枚強と、昨日の13万枚を上回った。今週に入ってから10万枚、 11万枚、13万枚と増加傾向にあった。

三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長は、「米独英など世界的に金利上 昇が顕著となっており、インフレ懸念による悪い金利上昇の側面が大きくなっ ている」と指摘。金利上昇により、薄商いの中で債券先物と株式先物とのトレ ードが株価を大きく振り回している側面が強いとし、「日本株は今週に入って 上げ下げを1日おきで繰り返すなど、相場のトレンドを読む状況にはない」 (同氏)という。

住友不や日製鋼急伸、新日鉄は続落

個別に材料が出た銘柄では、モルガン・スタンレー証券が投資判断を「オ ーバーウエート」に引き上げた住友不動産が売買高を伴って急伸し、三菱UF J証券が目標株価を引き上げた日本製鋼所も大幅高。米系投資ファンドのステ ィール・パートナーズに経営陣が総退陣を求められ、株主総会で社長ら7人の 再任が否決されたアデランスホールディングスは午後に急騰した。環境対応車 用電池の増産体制への期待から、古河電池は11年ぶりの高値となった。

半面、子会社が生産するステンレス鋼管について、規格・契約に定められ た水圧試験が実施されていなかったことが判明したと発表した新日本製鉄は続 落。ゴールドマン・サックス証券が「売り」に格下げしたOKI、三菱UFJ フィナンシャル・グループとの株式交換比率の発表を受けて「理論値」にさや 寄せした三菱UFJニコス、今期業績予想を下方修正したシステムプロもそろ って急落した。前期業績が従来予想を下回ったユニデンが値幅制限いっぱいの ストップ安で、東証1部値下がり率1位。

新興市場は高安まちまち

新興市場は3市場とも値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回ったが、指 数は高安まちまちとなった。東証マザーズ指数の終値は前日比6.12ポイント (1%)高の649.29、大証ヘラクレス指数は4.37ポイント(0.4%)高の

1054.69とそれぞれ4日ぶりに反発。一方、ジャスダック指数は0.12ポイント (0.2%)安の64.09と3日続落。

個別に材料が出ている銘柄では、カーボンオフセット(CO2排出量削減 サービス)付きサーバレンタルを開始すると発表したビットアイルがストップ 高。東京製綱と太陽電池シリコンウエハー用ワイヤソー製造販売で事業提携す ると発表したフェローテックは6日ぶりに急反発。ゴールドマン・サックス証 券が強気の投資判断を強調した日本マイクロニクスは大幅高。

半面、公募増資の新株発行価格へさや寄せする形で値を下げたビックカメ ラ、前期業績が従来予想を下回ったもようのオープンインタフェースが安い。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 長谷川 敏郎 Toshiro Hasegawa +81-3-3201-8361 thasegawa6@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net 東京 Nicolas Johnson +81-3-3201-8343 nicojohnson@bloomberg.net

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