信用危機の行方:HSBCとUBS慎重-ゴールドマンなど米国勢楽観

英銀大手HSBCホールディングスのマイ ケル・ゲーガン最高経営責任者(CEO)の論調は、信用危機は半ばを過ぎたと する米国の金融機関のトップと一線を画した。

ゲーガンCEOは27日、香港でHSBC株主に対し、米住宅ローン関連で 評価損と貸倒損失がまだ増える可能性があると語った。同社は既に195億ドル (約2兆円)相当を計上している。

同CEOは年次株主総会を2日後に控えた非公式の集まりで、「最悪期が過 ぎたとは確信していない」と述べた。同CEOの発言は米住宅市場のみに限った ものだが、ともかく、シティグループとJPモルガン・チェース、ゴールドマン・ サックス・グループ、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス、モルガン・ス タンレーの5社(いずれもニューヨーク)のCEOらとは全く違う。

米5社のCEOは4月に、昨年の米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン市場崩壊を発端とした危機は折り返し点を過ぎたとの見解を示した。 ゴールドマン出身のポールソン米財務長官も同様の考えだ。

一方、スイスのUBSは住宅ローン関連の損失拡大の可能性を認識している 点でゲーガンCEOの陣営に属する。UBSは米国以外の不動産関連投資による 損失が「これから増える」可能性を認めた。

米住宅ローン市場の一段の環境悪化を見込むのはゲーガンCEOばかりで はない。サブプライム危機発生前に米国の住宅ローン担保証券(MBS)引き受 けで1位だったリーマンの業績予想下方修正が相次いでいる。バンク・オブ・ア メリカ(BOA)のマイケル・ヘクト氏はリーマンの今年3-5月(第2四半期) 赤字予想に今月転じた4人目のアナリストだ。

当のリーマンのリチャード・フルドCEOは4月に、他の米国勢CEOとと もに楽観的な発言をしていた。ゲーガンCEOも株主総会ではこれに倣うかもし れない。しかし、同CEOの慎重発言には、耳を貸す価値があるだろう。

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