短期市場:FB需給懸念くすぶる、銀行の買い慎重化-足元に資金滞留

短期金融市場では、政府短期証券(FB) 3カ月物入札の落札利回りが上昇。中長期債相場が不安定な動きを続けるなか、 銀行を中心に買いが慎重となり、需給懸念もくすぶっている。多くの運用資金が 残存1カ月以内の銘柄や足元のレポ(現金担保付債券貸借)に滞留している。

FB519回債の入札では、最高利回りが前回比1.2ベーシスポイント上昇の

0.5985%(99.8510円)、平均利回りは1.3ベーシス高い0.5969%と、3月18 日以来の高水準。入札後も0.595%の売り注文が残った。既発518回債も前日比

0.5ベーシス高い0.590%で売りが膨らんでいる。

みずほ証券債券トレーディング部のトレーダーは、国債は全般的に需給が重 いなかで、銀行から需給が改善するほどの買いも見られず、FBは発行量の多い 影響がじわじわと出ているという。

FB3カ月物利回りは0.58-0.60%程度のレンジが続いている。足元のレ ポは通常で0.5%台前半、月末越えの0.55%では上昇が抑えられる展開で、足元 の資金繰りは安定。ただ、大手銀行は6月4日に税揚げ日を控えて資金繰りが慎 重化している面もある。

需給懸念

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「利回りが0.6%台に乗ったり、税揚げ を越えたからと言って、FBに積極的な買いが入ってくるとも思えない」という。 市場では、6月償還の残存期間が短い銘柄に0.565%の買いが見られたが、3カ 月物は銀行が慎重で、「業者中心の入札は甘めになりやすい」(寺田氏)という。

三菱東京UFJ銀行の小倉毅・円資金デスクチーフは、税揚げを越えれば資 金需給的に改善すると指摘しながらも、「利下げが期待できず、先行きの不確定 要素を考えると利回り水準の目線が上がっているうえ、円債市場全体としてリス ク許容度が低下した状況は続いている」という。

6月に入ると四半期末が意識されてくるため、銀行は投資姿勢を一段と慎重 化させる可能性もある。金融市場はインフレ圧力と景気減速の両方向のリスクを 抱えており、「今は(短期より)長めの債券をどうコントロールするかが焦点」 (小倉氏)とも指摘されている。

翌日物0.50%付近-税揚げ越えは運用慎重

無担保コール翌日物は0.50-0.505%付近で横ばい。準備預金が5兆6000 億円に増加し、資金需給には余裕があった。一方、6月初旬の税揚げ日を越える 短いターム(期日)物は、運用側が慎重になるなか、調達金利がやや強含んだ。

翌日物は落ち着いた展開が続いた。月末越えのレポ(現金担保付債券貸借) が0.55%に上昇した後に0.53%まで低下するなど、足元資金の運用意欲がおう 盛。4月下旬の債券急落以降、国内銀の債券売却資金が足元に流入しているとみ られ、税揚げ日まで資金繰りに余裕がありそうだ。

一方、6月3日、4日の税揚げ日をまたぐ1週間程度の取引では、外銀の調 達希望が0.58-0.59%、国内銀は0.56-0.57%で調達意欲しっかりの展開だ。 インターバンクの市場関係者によると、地方銀行の運用もあまり見られず、全般 的に資金の出しが薄い中、調達側がじりじりと金利を上げているという。

金利先物もみ合い

ユーロ円金利先物相場はもみ合い。原油高や円高の一服で続伸していた株価 が下落に転じると、前日の米金利上昇で売りが先行した債券や金先には買い戻し も見られた。ただ、あすの2年債入札を控えて中期債には警戒感もあり、期先限 月を中心にやや売りが目立っている。

中心限月2008年12月物は前日比0.015ポイント安い99.000(1%)と前 日の安値に並ぶ場面も見られたが、株安で債券先物が急速に買い戻されると、一 時0.010ポイント高の99.025まで買われた。その後は前日の清算値99.015付近 で推移している。

既発2年債利回りは朝方に0.5ベーシスポイント上昇の0.860%と、4月下 旬以降の最高水準(価格は最安値)まで売られた後、0.845-0.850%まで買い戻 されている。

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