ボンバルの製造ミスと断定、高知空港の胴体着陸事故-事故調査委(2)

(第6段落にボンバルディアと全日空のコメントを追加します)

【記者:松井博司】

5月28日(ブルームバーグ):国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は28 日、高知空港で2007年3月に起きた胴体着陸事故の調査報告書を発表した。全日 本空輸グループ運航の事故機はカナダのボンバルディア製で、着陸時に前脚が出 なかった。事故原因は格納部分の部品の付け忘れで、製造ミスと断定。ボンバル ディアが品質管理体制を強化するように、カナダ政府へ勧告するとした。

全日空では、山元峯生社長がボンバルディアへ補償を求める意向を表明して おり、事故原因の判明で補償額の算定作業が本格化することになる。

事故はエアーセントラル運航の大阪国際空港(伊丹空港)発、高知行きDH C-8-402型機で発生。着陸に際して前脚が出ず、胴体着陸した。格納ドア の開閉に使われている筒状の金属部品「スペーサー」が所定の位置から突き出て いて、他の部品の動きを邪魔し、前脚の出し入れを妨害していたことが判明した。

スペーサーは長いボルトを覆う筒状の部品。筒の中には入っているはずのボ ルトがなく、それを反対側から固定するナットや留めピンもなかった。スペーサ ーを本来あるべき位置に戻したところ、前脚は自らの重みで降りた。事故調では、 ボルトやナット取り付けの痕跡がなかったことから、整備上のミスでなく、製造 上のミスの可能性が高いとみて、ボンバルディアを調査。

事故機の製造過程を調査すると、機能試験で損傷したことを受け、問題の開 閉機構を修理した記録があった。事故調は、損傷の修理で分解された後にボルト、 ナットなどの再取り付けが行われなかった可能性が高いと判断。ボルト、ナット がなく、固定されていないスペーサーだけが機構連結部に残され、それが使用さ れるうちに徐々に抜け出して前脚扉が開閉できなくなったことが事故原因と断定 した。

ボンバルディアは調査結果を受け入れてお詫び

来日したボンバルディアのトッド・ヤング副社長は同日、調査報告発表を受 けて記者会見し、「報告書の調査結果を受け入れ、勧告を真摯(しんし)に受け 止める」と述べ、「事故により多くのみなさまにご心配やご迷惑をおかけしたこ とを深くお詫び申し上げる」と語った。全日空も同日、乗客や関係者にご迷惑を かけ深くお詫びするとし、ボンバルディアに対し遺憾の意を伝えて品質管理の徹 底を申し入れているほか、安全運航に努力していくなどとのコメントを発表した。

ボンバルディアは事故後、日本でのサポート体制強化を表明。昨年9月には 羽田空港の近隣にサポートオフィスを開設、同年11月には成田空港に部品センタ ーを設置した。

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