東京外為:ドル伸び悩み、地政学リスクを嫌気-原油・株価動向を注視

午前の東京外国為替市場ではドルが伸び悩 み。前日の海外市場では原油価格の反落や米国株の上昇を背景にドルの買い戻 しが進んだが、米景気の後退懸念が根強いなか、地政学リスクを嫌気したドル 売りも指摘され、対円では1ドル=104円ちょうど(ブルームバーグ・データ参 照、以下同じ)までドルが弱含んだ。

HSBC為替資金本部外国為替営業部の花生浩介部長は、「どこまで信ぴ ょう性のある話かは分からないが、アルカイダが西側諸国へのジハード(聖戦) を呼びかける見通しとの報道を受け、ドル売りが強まった」と説明する。

一方、米国では経済指標の発表が続くが、花生氏は「指標が悪くても、原 油が下げればそれを好感して株が上がり、ドル買いになる可能性もある」とい い、引き続き原油相場や株価の動向に左右される展開を見込んでいる。

ドルが伸び悩み

連休明けとなる27日の米国市場では、発表された経済指標が弱い内容だっ たにもかかわらず、原油価格がバレル当たり3ドル以上と4月以来で最大の値 下がりとなったことが好感され、株価が反発。外国為替市場ではドルの買い戻 しが進み、対円では一時、1ドル=104円35銭と22日以来のドル高値をつけた。

一方、28日の東京株式相場は続伸して始まったが、その後、日経平均株価 はマイナスに転換。海外高値付近でもみ合っていたドル・円も、国内輸出企業 のドル売りのほか、株安を受けた投資リスク縮小目的の円の買い戻しや地政学 リスクを意識したドル売りに押される格好となり、一時、104円ちょうどまでド ルが弱含んだ。

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、「きょうは スポット応答日が月末ということで、日本サイドは実需のドル売り・円買いが ドルの頭を抑えるのではないか。また、オプション取引に絡みで103円台前半 から102円台でドルを買っているプレーヤーは104円台から売ってくるので、 104円台は重い」と語っていた。

米耐久財受注はマイナス幅拡大か

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、この日 米国で発表される4月の耐久財受注は前月比1.5%減と、3月の同0.3%減から マイナス幅が拡大する見通し。また、変動の大きい輸送用機器を除いた受注は 同0.5%減と前月(0.9%増)からマイナスに転じるとみられている。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場調査の 尾河真樹シニアマーケットアナリストは、米景気の先行きに不安が残るなか、 耐久財受注の内容次第では、「一時的にドルが下落する可能性もあり、105円を 超えてドルを買い上げる動きは出にくい」と指摘する。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが27日発表した5月の消費者信 頼感指数は57.2と92年10月以来の低水準となり、全米20都市部を対象にし た3月のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価 格指数は前年同月比14.4%低下と、2001年の指数発表開始以来で最大の落ち込 みを記録した。

原油動向を注視

一方、ニューヨーク原油先物相場はアジア時間28日午前の時間外取引でバ レル当たり128ドル台と1週間ぶりの安値水準で推移。景気減速と過去最高の エネルギー価格により、米国の燃料消費が減少している兆候がみられるなか、 原油相場の下落局面が続くかどうかが注目される。

そのほか、欧州時間にはドイツの州ごとの消費者物価指数(CPI)が発 表される。欧州のインフレ懸念がユーロ相場を支えるなか、「CPIが落ち着 いた動きとなるのか、引き続き高いのかというので相場展開が変わってくる」 (メリルリンチ日本証券・今泉氏)可能性もある。

ユーロ・ドルは海外市場の流れを受け継ぎ、いったん1ユーロ=1.5666ド ルと5営業日ぶりの水準までユーロ安・ドル高に振れたが、その後、1.5700ド ル前後までドルが反落。ユーロ・円は日本株の軟調推移を背景に一時、1ユー ロ=163円12銭までユーロ売り・円買いが進み、その後はもみ合いに転じてい る。

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