通貨オプション:米指標でドル・円はこう着脱却か-あすDNT行使期限

オプション市場では1ドル=102円50銭と、 105円50銭あるいは104円50銭をトリガー価格とする「ダブル・ノータッチ・ オプション」(DNT)があす行使期限を迎えるといわれており、米国で発表 される住宅や消費関連指標とともに、ドル・円相場がこう着相場を抜け出すき っかけとなるかが注目される。

ダブル・ノータッチ・オプションは、行使期限までにあらかじめ設定した 2つの価格に達しなければ利益が得られるオプション取引。相場が上の価格に 近づくといわゆる「防戦のドル売り」、下の価格に近づくと「防戦のドル買い」 が出るため、相場の動きが抑えられる。

ドル・円相場は米雇用統計が発表された今月はじめに1ドル=105円70銭 (ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と2月下旬以来のドル高値を付け たが、その後は102円半ばから105円半ばでのレンジ相場が継続。先週からは 上値も104円半ば付近で抑えられ格好となり、一段とこう着感が強まっている。

野村証券金融市場部の高松弘一エグゼクティブマネージャーは、ユーロや 豪ドルなどに対してドル売りが進んでおり、「マーケットの地合いを見る限り、 ドルは再び売られやすい状況になっている」と指摘。その上で、DNTが行使 期限を迎えるといわれるなか、「今週は住宅関連指標が続くので、基本的には ドルの戻り売りという感じではないか。ドル・円も1回ぐらい102円50銭を割 れて下値をトライし、101円台を見る可能性もある」とみている。

米指標はドルの悪材料

米国では今週、経済指標の発表が相次ぐ。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト調査によれば、27日発表される4月の米新築一戸建て住宅 販売は年率換算52万3000戸と約17年ぶり低水準に落ち込む見通しで、3月の S&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比14.2%低下と、2001年の指 数算出開始以来で最大の下げとなったもようだ。

また、民間調査機関コンファレンス・ボードが発表する5月の消費者信頼 感指数は60と前月の62.3から低下し、93年以来の低水準になったとみられて いる。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXストラテジ ー・ジャパンの山本雅文氏は、「住宅価格はある意味サブプライム(信用力の 低い個人向け住宅ローン)問題の根幹であるため、マイナス幅が拡大となれば、 ドルにとって悪い材料となる。消費者信頼感指数についても、5月の初めから 戻し減税は払われているはずだが、ガソリン価格などの上昇もあって悪い内容 になるのではないか」と指摘する。

需給面でのドル買い

もっとも、市場では米指標の悪化は織り込み済みとの声も聞かれる。ソシ エテ・ジェネラル銀行外国為替営業部長の斉藤裕司氏は、指標が予想以上に下 振れしない限り、相場の反応は限られると予想。「ボラティリティやリスク・ リバーサルの傾きをみても、ある程度のドルの下への備えは出来ているような ので、なかなかドルは下がらない」とみている。

ブルームバーグ・データによると、1カ月物のドル・円オプションのイン プライド・ボラティリティ(予想変動率、IV)は12.3%と前週末の12.09% から上昇。1カ月物25デルタのドル・円オプションのリスク・リバーサルはマ イナス2.83%と同2.68%からマイナス幅が拡大している。

リスク・リバーサルのマイナス幅の拡大はドルのプット(売る権利)オプシ ョンへの需要がコール(買う権利)オプションへの需要との比較で高まったこ とを示唆する。

斉藤氏は、需給的にも今週は米国債の入札に絡んだドル買いが見込まれる ほか、月末にかけては投信絡みの外貨買い需要も期待され、ドル・円の下値は 支えられるとみている。

--共同取材:Stanley White Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Norihiko Kosaka

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