LIBORの不思議:UBSの借入金利が他行より割安-見直し急ぐ

米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン危機から、スイスのUBSほど大きな打撃を受けた金融機関はあま りない。同行は380億ドル(約3兆9300億円)の評価損・貸倒損失を出し、最 高経営責任者(CEO)と会長が交代し、株価は60%下落した。

にもかかわらず、昨年7月から今年4月半ばにかけての営業日の85%で、 同行が英国銀行協会(BBA)に報告した借入金利は他の金融機関に比べ低か った。ブルームバーグ・データによれば、評価損が14億ドルにすぎない英銀ロ イズTSBグループですらUBSほどの低金利では調達できなかった。

独立系銀行コンサルルタントのアントニー・ブロードベント氏は、市場は サブプライム問題の「UBSへの影響は甚大でロイズTSBは大したことがな いと知っているにもかかわらず、これがLIBOR(ロンドン銀行間取引金利) に反映されていない」と話す。

このようなずれが、LIBORへの信頼感の危機を招いている。BBAは UBSやロイズなど16行からの回答に基づいてLIBORを発表する。BBA は批判に対応し、24年続いたシステムの見直しを急いでいる。BBAは30日に 改革案を発表する。

バークレイズ・キャピタルの資産配分戦略責任者、ティム・ボンド氏は「銀 行が勝手な金利を報告できるような状況は困る。一般の人々が迷惑を被る」と 話した。LIBORは社債や融資などに加え、米国の一部住宅ローン金利の目 安にもなっている。

国際決済銀行(BIS)によれば、世界で約350兆ドルの証券類やデリバ ティブ(金融派生商品)の金利がLIBORに基づいて設定される。テリー・ ベルトン氏らJPモルガン・チェースのアナリストは16日付のリポートで、「L IBORは世界の金融システムに組み込まれている」として、「LIBORより 優れた仕組みを設計することは可能かもしれないが、それがLIBORに代わ って普及する可能性は低い」と指摘した。

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