ステーキは高根の花に-米牛肉価格が高騰か、飼料高と輸出需要拡大で

次に食べるステーキの味は楽しんでおいた 方が良い。牛肉価格は上海やサンフランシスコなど世界中で上昇する一方だから だ。

シカゴ商品取引所(CBOT)のデータによると、トウモロコシ相場は少な くとも南北戦争(1861-65年)以来の高水準にある。このことは、米国の畜産 業者は家畜を一頭売るごとに損失を出していることを意味する。このため、世界 的な収入の増加で食肉消費が拡大し、ドル相場の下落で輸出が増加しているにも かかわらず、生産は減少している。シカゴ商業取引所(CME)とブラジル商品 先物取引所(BM&F)の先物相場は、生牛価格が年末までに13%上昇するこ とを示唆している。

トウモロコシが当時の最高値である1ブッシェル当たり5ドルに達した96 年以降、主な飼料であるトウモロコシと比較して生牛価格がこれほど割安になっ たことはない。UBSブルームバーグ・コンスタント・マチュリティ商品指数を 構成する26銘柄のうち、生牛の過去1年間のパフォーマンスは最下位から数え て7番目となっている。この間に大豆、原油、銅相場は最高値に達した。インフ レ調整後の生牛価格はピークだった88年以降、27%下落している。

世界最大の牛肉生産会社、ブラジルのJBSのヨースリー・バチスタ最高経 営責任者(CEO)は15日、サンパウロで記者団に対し「今後、米国の国内供 給が減少するのはまず間違いない」と述べ、「結果として、価格は高騰し、利ざ やは改善するだろう」との見方を示した。

アナリストらや政府のデータは、生産が減少し、中国やブラジル、欧州連合 (EU)の主に穀物を飼料とする牛肉の需要に対応できていないことを示唆して いる。

シドニーの業界団体、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)のチーフエコノ ミスト、ピーター・ウィークス氏は「食肉価格、特に牛肉価格はことし、上昇す ると予想している。牛肉価格は既に、中国やロシア、インド、東南アジア全域で 大幅に上昇している」と述べた。

食料インフレ

世界的な食料価格の高騰は、ハイチやエジプトなどで暴動の発生につながっ ている。牛肉価格の上昇により食料価格の高騰が加速する危険性がある。米農務 省によると、米国では、食料価格がことし、5.5%上昇し、89年以降で最高の伸 びを示すと見込まれている。

食肉業界を対象とする調査会社シュタイナー・コンサルティング(ニューハ ンプシャー州)のプリンシパル、レン・シュタイナー氏は、世界最大の牛肉生 産・消費国である米国では、等級が「上」の牛肉の卸売価格の平均が来年、16% 上昇し、最高値の1ポンド当たり1.86ドルになると予想。2003年以降では最高、 1979年以降では2番目に高い上昇率を示すとみている。

カリフォルニア州や中西部でステーキ専門店21店を運営するステーキハウ ス・パートナーズは、トウモロコシを飼料とする牛肉の価格上昇を理由に、16 日に破産を申請した。

畜産業者の損失

生牛価格の伸びは、飼料であるトウモロコシ相場の高騰に追いついていない。 トウモロコシ相場は9日、最高値の1ブッシェル当たり6.39ドルに達した。1 年前の価格は3.6625ドルだった。

3億ドル(約310億円)相当の商品投資に関する運用やコンサルタント業務 を手掛けるDECキャピタル(ネブラスカ州)のプリンシパル、ダグラス・カー パー氏(58)は「業界が生き残るために値上げは必要だ」と述べ、「現時点の市 場の役割は、業界が採算性を確保するのに十分な価格を設定することだ」と指摘 する。

食肉需要の拡大により飼料消費が増加していることに加え、米政府が穀物を 原料とするエタノールの利用促進を義務付け、補助金を支給していることから、 トウモロコシ相場は過去2年間で2倍以上に上昇した。一方、生牛相場の上昇率 は先物が31%、現物は16%にとどまった。

価格の上昇

食肉加工大手の米タイソン・フーズのリチャード・ボンドCEOは、エタノ ールブームで飼料価格がこれほど高騰しているのだから、消費者は食肉価格も上 昇すると考えるはずだと語る。

米国では体重1250ポンド(567キロ)の肉牛1頭の価格は、この牛が食肉 処理されるまでの5カ月間に消費するトウモロコシの価格の約4.2倍となり、価 格差は96年6月以降で最小となっている。2005年12月時点では、肉牛1頭の 価格はトウモロコシ価格のほぼ12倍だった。

生牛はそう長くは低価格を維持しない可能性がある。先月の上昇率は6.5% と、06年8月以降で最高となり、米国の生産業者からの供給が減少する兆しも ある。

輸出需要

米農務省によると、生産業者のインセンティブが低下するなか、米国産牛肉 の輸出需要は来年、14%増加すると予想されている。また、ドル相場の下落や世 界的な収入の増加、03年の狂牛病発生後の輸出禁止措置の緩和により、輸出は 拡大すると見込まれる。

JBSのバチスタ氏によると、米国の第1四半期(1-3月)の牛肉輸出は 前年同期比で29%増加した。同氏は、韓国やロシアなど新興経済国向けの輸出 の拡大により米国の牛肉価格は押し上げられるとみている。

オーストラリアの地方産業調査開発研究所は昨年12月、同研究所の調査に よると、人口の増加や収入の改善により、世界の牛肉や豚肉、鶏肉の需要は 2020年までに最大50%伸びる可能性があるとの見方を示した。農業ブローカー 兼調査会社のコムストック・インベストメンツ(アイオワ州)のデービッド・ク ルーズ社長は「収入が増加するなか、われわれは食肉のグローバリゼーションを 目の当たりにしている。収入が増えた時、消費者が最初に購入するのはもっとお いしい食べ物だ。薄型テレビやコンピューターではない」との見方を示した。

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hhorie@bloomberg.net Editor: Nobuyuki Akama, Eiji Toshi 記事に関する記者への問い合わせ先: Jeff Wilson in Chicago at +1-312-443-5938 or jwilson29@bloomberg.net. 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Steve Stroth at +1-312-443-5931 or sstroth@bloomberg.net.

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