欧州株は米国株に対し02年以来の割安水準-業績不振でさらに低下も

欧州株式は、株価収益率(PER)でみる と米国株との比較で少なくとも過去6年で最も割安となっており、欧州企業の大 半の収益が見通しを下回るなか、さらに低下の可能性がある。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたデータによれば、西欧の2008年1- 3月(第1四半期)の企業収益は25.3%の減益と、米企業の17.4%減益を7.9 ポイント下回っている。米景気減速と過去最高値となったユーロの影響で、海外 での収益がユーロ換算後で目減りした。欧州中央銀行(ECB)の政策金利は先 月、インフレ調整後で米国の政策金利を2.6ポイント上回り、同金利格差は1999 年のユーロ導入以来で最大となり、企業収益をさらに圧迫している。

アクサ・インベストメント・マネジャーズの投資戦略副ディレクター、フラ ンツ・ウェンツェル氏(パリ在勤)は「企業収益で最も失望したのはユーロ圏だ」 と指摘。「問題の震源地は米国だが、その衝撃はユーロ圏でより強く感じられて いる。バリュエーションの低さは必然的結果だ」と説明した。

ブルームバーグ・ニュースのデータによれば、英国FT100指数やフランス のCAC40指数、ドイツのDAX指数は、PERが12.1-13.5倍と、世界の 時価総額上位10市場の株価指数の中で最も割安となっている。FT100指数の 構成企業の今月のPERはS&P500種株価指数の約半分と、格差は少なくとも 過去15年で最大となった。

PERでみると、フランスとドイツの株式は米国株より40%余り割安の状態 で取引されている。2年弱前には、英国と米国のPERはほぼ同水準で、ドイツ 株のPERは2004年には米国を上回っていた。

株価評価の格差

ダウ欧州株価指数は今年に入り13%下落しており、PERは12.7倍とS& P500種株価指数の23倍を45%下回っている。ブルームバーグの週間データに よると、同PER格差が過去3週間のように45%程度となるのは、2002年以来 のことだ。今月のS&P500種株価指数のPERは4年ぶりの高水準で、世界の 10大市場のうちで中国株(26倍)だけがこれを上回っている。

米国と欧州でPER格差は広がっている。ブルームバーグ・ニュースが調査 した欧州企業2014社の利益は第1四半期に25.3%減少した一方、米企業5375 社は17.4%の減益にとどまった。

欧州では、10業種のうち7業種で実際の利益がアナリスト見通しを下回って いる。全体ではブルームバーグ・ニュースが利益見通しをまとめた926社の57% が予想を下回った。米企業で市場予想に達しなかったのは44%だった。

「期待し過ぎ」

ダウ欧州株価指数の構成企業の通期利益については0.8%減少をアナリスト らは見込む。減益見通しはここ6年で初めて。ブルームバーグ・ニュースのデー タでは、08年初めには11%増益が見込まれていた。S&P500種株価指数の構 成企業の収益見通しは従来の15%増から6.8%増に引き下げられている。

ショレデュポン・ゲション(パリ)のファンドマネジャー、キリアン・ド・ カタンギイ氏は「欧州の企業収益は米景気減速から打撃を受けており、アナリス トは多くを期待し過ぎている」と述べた。

世界最大の使い捨てペンメーカー、フランスのビックは39%の減益決算発表 を受け、PERは先月17年ぶりの低水準となった。ユーロ高によりユーロ換算 後の米国での売上高が目減りし、同社のPERは8.91倍に落ち込んだ。ユーロ は対ドルで過去1年に18%上昇し、4月22日には過去最高値の1ユーロ=

1.6019ドルに達した。

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