東京外為:ドル弱含み、米住宅関連指標を警戒-ユーロに金利先高観も

午前の東京外国為替市場ではドルが弱含み。 対ユーロでは1ユーロ=1.57ドル台後半で推移し、一時は1.5799ドル(ブルー ムバーグ・データ参照、以下同じ)と、3営業日ぶりの安値を付けている。欧 州中央銀行(ECB)の利下げ観測が後退するなか、米欧金利差を背景とした ドルの先安観が強まっており、この日に発表される米経済指標が弱含みとなれ ば、ドルの下押し圧力につながる可能性が警戒されている。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、今週は米国で 住宅関連など主要な経済指標を控えて、弱い内容となれば、年後半にかけて米 政策金利の横ばいが続くとの見方が強まる可能性があると指摘。一方、原油高 を背景としたインフレ懸念でユーロ圏については金利の先高観が生じており、 「いったんドルからユーロに資金が向かう流れにならざるを得ない」とみてい る。

ユーロ・円相場は早朝の取引で一時1ユーロ=163円02銭までユーロが軟 化する場面も見られたが、163円27銭まで反発。その後も前日のニューヨーク 時間午後遅くに付けた163円10銭を上回って強含みに推移した。

一方、ドル・円相場は「原油高の影響は日本景気にも波及することは明白 で、円も弱い」(野村氏)といい、対ユーロでの売りが交錯する格好となり、 1ドル=103円台前半でのもみ合いが続いた。

インフレ懸念でECB利下げ観測が後退

原油相場の高止まりを背景に世界的にインフレ懸念が強まるなか、市場関 係者の間で、ECBの金融政策見通しを変更する動きが目立っている。

JPモルガン・チェース銀行は今年11月と見込んでいたECBの利下げ観 測を修正し、来年の4-6月までは政策金利が据え置かれると予想。バンク・ オブ・アメリカ(BOA)は年末の利下げ見通しを修正し、来年半ばの利上げ を見込んでいる。また、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS) は、今年第3四半期と予想していたECBの利下げ時期を来年の第2四半期に 後ずれさせている。

ユーロ・ドル相場は4月22日に1ユーロ=1.6019ドルと、ユーロが1999 年1月の導入来高値を更新したあと、1.5285ドルまで調整する局面もみられた が、再び上昇基調を強めている。22日には1.5814ドルまで回復しており、この 日は再び1.58ドル台乗せをうかがう展開となっている。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加辺猛参事役は、引き続きECBの 当局者からはインフレを警戒する発言が目立ち、警戒モードが強まってきてい るとしたうえで、「原油相場が上昇すると、ユーロが比較的堅調になってくる 傾向がみられる」と指摘する。

米欧指標を警戒

そうしたなか、今週はユーロ圏で物価関連指標の発表が控えている一方で、 米国ではサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題を背景に低迷 が続いている住宅市場関連の指標が目立つ。米指標が景気の減速懸念を補強す る内容となれば、一段とユーロ買い・ドル売り圧力が増す可能性があり、対円 でもドルが下押される局面もありそうだ。

この日の米国時間には4月の新築住宅販売件数や全米20都市部を対象にし た3月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅 価格指数など住宅関連や5月の消費者信頼感指数などが発表される。

RBSのヘッド・オブ・FXストラテジー・ジャパンの山本雅文氏は、「住 宅価格はある意味サブプライム問題の根幹であるため、マイナス幅が拡大とな れば、ドルにとって悪い材料となる」と指摘。また、「消費者信頼感指数も、 5月の初めから戻し減税は払われているはずだが、5月のミシガン大指数も下 がっており、ガソリン価格などの上昇もあってちょっと悪い内容になるのでは」 とみている。

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