日立:09年度の営業利益率5%を維持-海外拡大や赤字事業改善へ(4)

電機メーカー国内最大手の日立製作所は 26日、2009年度(10年3月期)までの中期経営計画の進ちょく状況を発表し、 営業利益率5%の目標を引き続き掲げた。電力設備、鉄道車両システム、自動 車機器、ソフト・サービスといった主力事業の着実な成長、海外事業の拡大な どで達成を目指す。

08年度の売上高予想は前期比1.1%減の11兆1000億円で、営業利益率 5%の達成には5500億円以上の営業利益が必要になる。ブルームバーグ・デ ータによると、アナリスト10人の営業利益予想中央値は約4400億円。

市場予想と会社目標にはかい離があり、実現には成長戦略に加えて薄型テ レビなど赤字事業の抜本的な改善が不可欠。発表資料によると、原料費高騰に 対応するため、当面はグループで年間約3000億円の資材費を低減する。部門 別の利益率目標は変えていない。

利益率は、06年度1.8%、07年度3.1%、08年度予想3.4%と改善してい るが、薄型テレビ事業などの赤字が全社収益の重しになっている。同日会見し た古川一夫社長は、同事業を09年度に黒字化させるとした上で、全社利益率 5%の水準については「必ずしも満足していないが、最低限必要だと認識して いる」と述べた。

海外では、中国やブラジルなど新興国で需要がおう盛な石炭火力、原子力 などの電力設備、エレベーターやビルシステム、建設機械など社会インフラ分 野の各事業がけん引する。売上高比率は07年度の42%から09年度に45%へ 高める方針を維持。ただ、古川氏は「真のグローバル企業になるためには、 50%以上にしなければならない。10年度に50%以上が目標だ」と強調した。

テレビは09年度の黒字化を公約

薄型テレビ事業は立て直しに向けて固定費用の圧縮を進めるほか、中国メ ーカーなどへのパネル外販を拡大。今期は同事業を含むデジタルメディア民生 部門で通期に約350億円の赤字を見込むが、09年度の黒字化を明確にした。中 国市場など新興国市場の開拓で販売数量を大きく伸ばし、収益を回復させる。 液晶とプラズマを含む薄型テレビの販売台数は前期161万台だったが、10年3 月期に1.7倍の280万台へ増やす。

5期連続の赤字に苦しんだハードディスク駆動装置(HDD)事業は08 年度に黒字に浮上する見込みで、回復に道筋がついた。古川氏はあらためて同 事業を中核に位置づけると説明、「これほど世界中で研究開発、設計、製造、 販売を手掛けている完全なグローバル事業は日立の中にはない」と指摘。「き ちっと成功させることで真のグローバル企業になれる」と意気込んだ。前期は 約341億円の営業赤字だったが、足元は2四半期連続で黒字を確保している。

米調査会社アイサプライによると、07年の世界のHDD市場は前年比

4.6%増の328億ドル、出荷台数は同19%増の5億1600万台と過去最高になっ た成長市場。上位3社は、シーゲート33.9%、米ウエスタン・デジタル(WD C)22%、日立の子会社HGST17.3%だった。

06年4月の社長就任以来、「課題事業の対策に時間を割いてきたのは事 実」と、赤字撲滅や構造改革に追われてきた面は否めないとの認識を示しなが らも、古川氏は「規模は追わず、収益を追う。今後は安定的な高収益体質を築 きたい」と、社会インフラ事業を成長のエンジンと位置づけ、海外市場へ反転 攻勢に打って出る姿勢を鮮明にした。

一方、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が家電事業で提携や売却を検 討中と報じられたことに関連して、日立がその相手先に名乗りを挙げるとの観 測が出ていることに、古川氏は会見後記者団に対し、「そういううわさが流れ ているが、積極的にこちらから何かを話していることはないし、正式な話があ ったわけでもない」と述べた。

日立の株価終値は前週末比4円(0.6%)高の734円。

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