東京外為:ドル小動き、英米休場で-先行きの「原油高・株安・ドル安」警戒

週明けの東京外国為替市場ではドルが小動 き。住宅市場の低迷や原油価格の高止まりを背景に米国経済の先行き懸念が強 まるなか、ドルの上値は重いものの、この日は英米市場が休場のため、積極的 な取引を手控える向きが多く、ドル・円相場は1ドル=103円台前半で動意薄の 展開が続いた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の時田剛調査役は、「きょうはロンド ン、ニューヨークが休みということで少し動きづらい。取引ボリュームも非常 に少なく、様子見の取引が続いている」と語る。その上で、原油高を背景に株 式市場の地合いの悪さが目に付くなか、株式が安値を探るとドルが売られると いう構図が続いているといい、ドル・円は102円50銭から104円50銭のコア レンジから下値を切り下げる過渡期にあると指摘する。

英米休場で動意薄

週明けの東京市場では、米国株の下落を背景にドルが売られた前週末の流 れを引き継ぎ、ドル・円が1ドル=103円台前半とドル安値圏で早朝の取引を開 始。朝方は103円40銭付近までドルが買われる場面も見られたが、上値は重く、 その後は103円14銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)を安値にもみ 合う格好となった。

一方、週明けの東京株式相場は全面安となり、日経平均株価は300円を超 える下げとなった。しかし、英米市場が休みで様子見姿勢が広がるなか、ドル・ 円は動意に乏しい展開が続き、午後にかけては103円30銭付近でこう着した。

ユーロ・ドル相場も1ユーロ=1.57ドル後半と4月下旬以来、約1カ月ぶ りユーロ高値圏でのもみ合いに終始。また、ユーロ・円相場は1ユーロ=162円 台後半を中心に30銭の値動きにとどまった。

米経済指標を警戒

前週末の米国株相場は反落。4月の米中古住宅販売件数が同統計開始以来 の最低である1月と並び、住宅リセッション(景気後退)の深刻化とエネルギ ー価格の高騰で、企業利益は長期にわたって圧迫されるとの懸念が広がった。

こうしたなか、米国では今週、27日発表の新築住宅販売と消費者信頼感指 数を皮切りに、28日の耐久財受注、29日の1-3月期国内総生産(GDP)確 報値、週末30日に個人消費支出(PCE)およびシカゴ購買部協会製造業景況 指数と経済指標の発表が目白押しで、景気減速とインフレをにらんだ展開が続 く。

また、29日には米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演 も予定されている。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、「原油価格は少し下がった感じ だが、まだ上昇リスクがあるというなかで、今週は米国の経済指標にあらため て注目が集まる」と指摘。「住宅や個人消費、原油高による企業部門への影響 懸念が高まり、米経済の下振れリスクが再認識される可能性がある」といい、 「ドルは売られやすい展開になる」とみている。

実際、「企業業績懸念を通じて米国株がもう一段下がれば、リスク収縮の 度合いが強まり、対ドルで円高が進んで、クロス円(ドル以外の通貨の対円相 場)も今まで堅調だった部分がはがれてくる」(林氏)可能性もあり、原油相 場やあすから取引が再開される米国株の動向が警戒される。

ニューヨーク原油先物相場は26日の時間外取引で、1バレル=132ドルを 上回る水準で推移。供給の混乱とドル下落で投資家の商品への需要が維持され るとの観測を背景に、先週は4.9%上昇し、22日には一時、135.09ドルの最高 値を記録した。

原油高で一段のユーロ高・ドル安も

一方、今週は5月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)が発表される予定 で、物価上昇圧力の高まりが示されれば、欧州中央銀行(ECB)の利下げ期 待が一段と弱まり、ユーロ高が進む可能性がある。

新生銀行キャピタルマーケッツ部のキム・カンジャ次長は、「今月に入り 少し原油価格とユーロ・ドル相場の連動が外れていたが、先週あたりから再び 連動し始めているので、このまま原油価格が上がり続けるようであれば、ユー ロ・ドルも4月につけたユーロ高値の1.6020ドル(EBS参照)を試す動きに なる」と予想する。

先週発表されたドイツの景況感指数が強かったことや原油高などを背景と したユーロ圏のインフレ指標の上振れ傾向を受け、ロイヤル・バンク・オブ・ スコットランドは欧州中央銀行(ECB)の利下げ時期予想を今年の第3四半 期から2009年第2四半期に後ずれさせた。また、JPモルガン・チェース銀行 は従来の利下げ予想から当面据え置きに予想を変更。バンク・オブ・アメリカ は年末利下げ予想を撤回し、次回の政策金利の変更は09年半ばの利上げになる と予想している。

--共同取材:曽宮一恵 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

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