債券先物堅調、米債高や株安が支援も入札控え重い-10年1.74%(終了)

債券市場で先物相場が堅調(利回りは低 下)。前週末の米株安・債券高の流れを引き継ぎ、日経平均株価が大幅反落し、 円債市場は買いが優勢となった。米住宅市場の悪化や原油高を背景に、世界経済 の鈍化懸念が強まった。ただ、あすの20年債入札に向けたヘッジ売りもみられ、 上値が重い展開。日銀の国債買い切りオペの結果は材料視されなかった。

大和住銀投信投資顧問国内債券運用第2グループリーダーの伊藤一弥氏は、 「竜頭蛇尾の展開。朝方は前週末の海外市場が盛り返したことや日本株の下落を 受けて強く始まった。しかし、買いが続かなかった。超長期債に生命保険などの 買いが入ったものの、相場を押し上げるほどではなく、銀行勢は手控えとなっ た」と述べた。

東京先物市場で中心限月6月物は反発。前週末比40銭高の134円75銭で寄 り付き、直後に日中高値134円81銭まで上昇した。その後は徐々に上げ幅を縮 小させて、午前10時3分ごろに134円39銭の日中安値まで値を消した。午後は、 午前のレンジ内でしっかりに推移。結局は13銭高の134円48銭で引けた。

6月物の日中売買高は2兆7619億円。

三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏は、「株が売られているの で、債券は少し上がっている状況。ただ買われた局面では必ず売りが待っており、 センチメントが良くない。一方、原油高が世界経済の減速につながるとの見方が 出始めており、それによって株が売られ、債券が買われる局面も出てきている」 と語った。

日経平均株価は大幅反落。前週末比322円1銭安の1万3690円19銭と1万 4000円を割り込んで引けた。

新発10年債利回りは1.74%に上昇

現物債市場で新発10年物の292回債利回りは、前週末比1ベーシスポイン ト(bp)低い1.72%で寄り付いた後、若干水準を切り下げ、午後零時半過ぎに

1.715%に低下した。その後は徐々に水準を切り上げ、午後2時半過ぎに1.74% まで上昇。午後3時46分時点では1bp高い1.74%で推移している。

前回入札された20年債(100回債)利回りは、0.5bp高い2.35%で推移し ている。

ABNアムロ証券チーフ債券ストラテジストの市川達夫氏は、「日銀買い切 りオペはあまり材料とはなっていないようだ。材料がない中で、売り買いが交錯 している。20年債入札に向けて、10年債と20年債にヘッジ売りが出ている」と 語った。

岡三証券経済調査部シニアエコノミストの坂東明継も、「買い切りオペは平 均利回り格差が前回よりも拡大したが、先週末にポジション(持ち高)整理が一 段落したことから、それほど売り圧力にはならなかった。先週末の時点で地合い の悪さを見越し、すでに大きく売り込まれていた」と説明した。

あす20年債入札、クーポンは2.3%か2.4%

あす27日は、20年債入札が行われる。表面利率(クーポン)は、前回債

2.2%から0.1ポイント引き上げの2.3%か、0.2ポイント引き上げの2.4%か微 妙な状況。2.3%となれば10カ月ぶり、2.4%となれば3年10カ月ぶりの高水準 となる。

伊藤氏は、「クーポン2.3%は確実で相場の動向次第では2.4%をうかがう 展開とみられている。これまで2.2-2.3%でも生保の買いが入っていたので、

2.4%となればかなり需要があると思う。心配していない」と説明した。

市場では、「クーポンは2.3%か2.4%となるだろう。クーポンの高さから いって、利回り重視の投資家からは買いが入るだろう」(坂東氏)、「今月末に は債券インデックス(指数)の大幅なデュレーション(年限)伸長が見込まれ、 インデックス・プレーヤーからの相応の需要が期待できる」(三菱UFJ証券債 券ストラテジストの稲留克俊氏)などの声も聞かれた。

日銀調査統計局長、世界経済と原油価格は不確実性高い

日本銀行の門間一夫調査統計局長は、都内で行われた景気討論会で、「景気 は減速が当面続くものの、その後は潜在成長率並みの緩やかな成長経路をたどる シナリオが相対的には最も蓋然(がいぜん)性が高い」と指摘。また、世界経済 と原油価格の先行きは「非常に不確実性が高い」として、世界経済も日本経済も 「相応のリスクを抱えたまま走っていくことになる」と述べた。

みずほ証券チーフストラテジストの高田創氏は、最近、スタグフレーション (景気停滞下の物価上昇)が指摘される状況下、日銀の金融政策に関して、「当 面、軸足がインフレ配慮の利上げ観測になりやすく、中期ゾーンを中心に金利上 振れリスクは続く」としながらも、「国内のインフレマインドは抑制された状況 の中、実際の利上げにも慎重なスタンスが続く」と予想している。

--共同取材:YUMI TESO、宋泰允、日高正裕 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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