日本株(終了)大幅安、東証全33業種に売り-インフレと米住宅懸念

週明けの東京株式相場は先物主導で幅広く 売られ、日経平均株価の下げ幅は300円を超えた。原油高などインフレ進行への 懸念や円高の進行が嫌気され、トヨタ自動車やソニーなど輸出関連株が下落。米 国住宅市場の不振による追加損失懸念で米金融株が売られた流れから、三菱UF Jフィナンシャル・グループなどの銀行株や保険、証券、その他金融株もそろっ て売られた。東証1部の33業種はすべて安い。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは、 「クレジット市場が混迷する中で、差し押さえによる中古住宅のだぶつきが予想 以上にひどくなっている」と指摘。実体経済が悪化傾向にあるだけに、「コスト プッシュ型の原油価格の上昇は、実質増税と同じ効果をグローバル経済に与えそ うだ」(同氏)と警戒感を示した。

日経平均株価の終値は前週末比322円1銭(2.3%)安の1万3690円19銭 と3日ぶりの反落で、TOPIXは32.51ポイント(2.4%)安の1344.18と続 落。東証1部の売買高は概算で18億1844万株、売買代金は2兆340億円。26 日の米国株市場がメモリアルデーによる休場で、休場明け後の米動向を見極めよ うと売買エネルギーは盛り上がらなかった。値上がり銘柄数は198、値下がり銘 柄数は1467。東証業種別33指数でTOPIXへの下落寄与度が大きいのは、電 気機器、銀行、輸送用機器、卸売、化学、保険、機械、不動産、医薬品など。

25日線割り込む

米ダウ工業株30種平均が21日に1.8%安となった翌日の22日(日経平均 は0.4%高)は下値への抵抗力を見せた東京市場も、2度目の米国株安には抗し 切れなかった。米国の実体経済への悪化懸念が一段と高まり、先週末のダウ平均 は1.2%安、外国為替市場ではドルが売られやすい状況で、円は対ドルで103円 台前半での円高傾向となった。日経平均は先物主導でじり安となり、4月以降の 戻り相場での下支え役だった25日線(1万3867円)を割り込んで終えた。

全米不動産業者協会(NAR)が23日に発表した4月の中古住宅販売件数 は、前月比1%減少の年率489万戸と同統計開始以来の最低である1月と並んだ。 特に悪材料視されたのは住宅販売在庫で、3月の412万戸から455万へと急増。 現在の販売ペースでは11.2カ月分まで膨らみ、過去最高となった。「在庫が急 激に増えたため、このまま住宅投資が回復せずに米国経済に悪影響を与える可能 性が出ている」(トヨタアセットの浜崎氏)。

一方、23日のニューヨーク原油先物相場は、前日比1.1%高の1バレル=

132.19ドルと反発した。2016年に決済期限を迎える超長期先物も130ドル台を 維持するなど、足元の原油高は一過性との見方も一時に比べて薄れつつある。 「インフレ懸念の高まりで、昨年8月以降の相場を支えていた米国の利下げ期待 がなくなった」と、東海東京調査センターの隅谷俊夫投資調査部長は語る。

キャプラ・インベストメント・ジャパンの糸島孝俊シニアポートフォリオマ ネ-ジャーは「3月17日の日経平均1万1700円弱で底を打ったと思っているが、 直近5月6日の1万4400円弱が当面の高値の可能性が大きいと見ている」と主 張。日本株のPER(株価収益率)は17倍と、「欧米に比べて割安感もなくな っている」(同氏)と指摘していた。

金融株が安い

業種別では、金融株の下げがきつい。三菱UFJフィナンシャル・グループ が3.6%安、三井住友フィナンシャルグループが2.7%安となるなど銀行株が下 落。ミレアホールディングスなど保険株指数が東証1部の値下がり率3位、その 他金融株、証券・商品先物取引株指数もそろって下落率上位に入った。

先週末の米国株市場では、住宅関連資産の評価損が膨らんで利益が損なわれ るとの懸念から、証券大手のゴールドマン・サックス・グループは1999年の株 式上場以来で最長の9営業日続落となるなど金融株が下げた。

住宅価格の下落により、金融機関の不良債権が増える構図について何ら変わ っていないと見る東海東京調査の隅谷氏は、「7月にも明らかになる海外金融機 関の4-6月期決算に対する不安感がある」と指摘。今週は米国で27日に3月 S&Pケースシラー住宅価格指数、4月新築住宅販売など住宅関連指標の発表が 相次ぐ。S&Pケースシラー住宅価格指数については、「このところ加速的に下 がってきているので、その下げピッチを維持しているのではないか」(新光証券 の倉持靖彦投資戦略室長)という。

武富士が急落、ヤフーは続伸

個別では、増資を発表した武富士が希薄化懸念から急落。味の素はドル安や 原材料高で主力の調味料事業の採算悪化が警戒され、約10年半ぶりに1000円の 大台を下回った。前期連結純損失が膨らんだと、午前の取引終了後に発表したエ ンシュウは午後に急落。大和総研が格下げしたOBARAやダイハツ工業、日興 シティグループ証券が格下げした三洋電機なども売られた。

半面、自社株買いの実施を発表したヤフーが続伸。ニンテンドーDSの活用 拡充で午後3時半に資料配布を行う予定の任天堂は午後にプラスに転換した。今 期連結営業利益が前期比15%増見込みの東亜建設工業、ドイツ証券が格上げし た千代田化工建設、日興シティグループ証券が目標株価を引き上げたグローリー も、主力の大証1部で高かった。

新興3市場は高安まちまち

国内新興市場は高安まちまち。東証マザーズ指数の終値は前週末比6.27ポ イント(0.9%)安の658.70、大証ヘラクレス指数は10.38ポイント(1%)安 の1068.84とそれぞれ3日ぶり反落。半面、ジャスダック指数は0.41ポイント (0.6%)高の65.10と3日続伸。

個別では、08年3月中間期の連結純利益が従来の増益予想から一転して大 幅な減益に陥ったもようと発表したアパマンショップホールディングスが急落。 今期連結純損益が赤字継続見込みのジャストシステム、今期営業利益が前期比

3.4%減益予想の日本工業検査も安い。半面、今期は前期比66%の最終増益を計 画しているエイブルが急騰。UBS証券が格上げしたアプリックスはストップ高 となった。東証マザーズ市場のプライムワークスは、上場2日目にして公開価格 (23万円)の2.6倍となる60万円の初値を付けた。

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