2050年の温室効果ガス排出半減の合意先送り-G8環境会合閉幕(2)

神戸市で開催されていた主要8カ国(G 8)環境大臣会合が26日、閉幕した。G8メンバー国に加えて中国やインド など10カ国も参加したこの会合では、2050年に世界の温室効果ガス排出量を 半減するとした長期目標に合意できるかどうか注目が集まっていたが、7月の 主要国首脳会合(北海道洞爺湖サミット)に合意を先送りする結果となった。

2007年のハイリゲンダムサミットでは、参加国の首脳が50年までの排出 量半減を「真剣に検討する」ことで合意していた。これを踏まえ、鴨下一郎環 境相が同日発表した議長総括は、「北海道洞爺湖サミットでその合意より踏み 込み、長期目標に関する共有ビジョンに合意することについて強い意思を表明 した」としている。

閉会後の共同記者会見で、鴨下氏はG8メンバー各国と、非メンバー国の 間で「それぞれ意見があった」と述べ、長期目標合意について意見の隔たりが あったことを示唆した。そのうえで「これが洞爺湖に向けて1つのモメンタム になったと思っている」との認識を示した。

また、同席した米環境保護局のスコット・フルトン副長官は、今回の会合 は「交渉の場ではなく、率直な意見の交換の場。我々が目標について何も提示 しなかったことは驚くべきことではない」と強調。「長期的な目標の必要性は 感じている。だが、それは意味のあるものでなければならない。G8だけでは なく、すべての国、大量に排出している国が参加しなければならない」と語っ た。

中期目標は具体的な数値示せず

一方で、20年ごろの中期目標については、具体的な数値に言及せず、「I PCC(気候変動に関する政府間パネル)の科学的知見を考慮して実効的な目 標を設定する必要性が認識された」という表現にとどまった。IPCCは、先 進国に対し20年の排出量を90年比で25-40%削減することを求めている。

鴨下氏は、09年末にコペンハーゲンで行われる国連気候変動枠組み条約締 約国会合(COP15)に向けて「国際交渉そのものが、この中期目標の数字に なると思う」と指摘。また、日本の中期目標設定については「数字を出して交 渉に臨むのが本当に適切なのかは、十分に考慮したうえで定めるべきだ」と消 極的な姿勢を示した。COP15では、現行の京都議定書の枠組みが終了する 2013年以降の次期枠組みを決定する。

ドイツのマティアス・マハニッヒ連邦環境事務次官は、中期目標の設定に ついて「中期目標なしに長期目標の達成やコペンハーゲンでの合意は難しい。 2013年以降を考えた場合には絶対に必要なもの」と主張した。今会合での中期 目標に関する議論の成果について「小さいながら前進した」との印象を明らか にした。

このほか議長総括には、日本が提案した、分野ごとに温室効果ガスの削減 量を積み上げて国全体の目標を設定する「セクター別アプローチ」と呼ばれる 手法の有効性を参加国が認めたことなども盛り込まれた。

さらに、G8と途上国が対話する機会を継続することでも合意。「神戸イ ニシアチブ」と名付けられたこの対話で、日本はセクター別アプローチなどの 議論のフォローアップを通じて、2013年以降の枠組み作りの議論で主導権確保 を目指す。この会合は年後半に英国、来年春にはイタリアで開催されることが 決定した。

25日夜に会見した欧州委員会環境総局のジョス・デルベク副総局長は、 「設定された定量的な目標という文脈において、セクター別アプローチは政策 を補足するのに有効」との見解を明らかにした。さらにデルベク氏は、「今回 設定する目標が現実のものとして実現されているかどうかフォローアップする ことは重要だ」と指摘した。

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