【今日のチャート】四川大地震の復興、モデルは神戸-ゴールドマン

58年ぶりの規模となった中国・四川大地震 で、同国政府が救出から復興に軸足を移すなかで、経済的ニーズや影響を測る上 で有益な比較対象となるモデルは、1995年に阪神・淡路大震災に見舞われた神 戸のケースだと米ゴールドマン・サックス・グループは指摘する。

ゴールドマンのシニアエコノミスト、梁紅氏(香港在勤)らは先週公表し たリポートで、「阪神・淡路大震災直後の神戸は、企業の生産活動や消費者信頼 感、消費がすべて落ち込んだ」とした上で、「しかし、力強い復興需要を背景に すべてが急速に回復基調となった」と説明した。

きょうのチャートは1人当たりの国民所得の比較で、震源地となった四川 省と上海、北京、それに中国全土の数字を示している(中国国家統計局調べ)。 四川省の住民の平均所得は2006年時点で1万574元(約15万7000円)と、中 国31の省、直轄市、自治区の中で下から7番目だった。トップは上海で5万 7310元。

ゴールドマンはリポートで「今回の大地震で甚大な被害を受けた地域は、遠 隔地の山岳部に集中している。一方、神戸とその周辺は製造業の集積地として有 名な地域だ」と説明している。

さらに「大地震後の復興需要は、国内のインフレ加速と世界的な商品相場の 上昇につながり、中国のマクロ経済政策運営を複雑にする可能性が高い」と予想。 ただその上で「大打撃を受けた地域の経済規模からすると、被災地の復興重要が 中国全体の総需要に与える影響は限られるだろう」と分析している。

農業面では四川省の重要性は比較的高いともいえるが、中国政府によると 国内で飼育されている約4億頭の豚に対し、今回の地震で死んだ豚は約100万 頭にとどまり、「豚肉の価格はここ数日落ち着いている」と同リポートは説明。 「穀物の生産に対する直接的な影響はさらに限定的」だとみている。

ゴールドマンは、中国金融当局は輸出業者などからの「早まった金融緩和 策」要求に屈するべきではないとし、「インフレ見通しをさらに悪化させかねな い」からだと記述している。

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