5月23日の海外金融・株式・為替市場

○米国株:反落。住宅リセッションの深刻化とエネルギー価格の高騰で、企業利 益は長期にわたって圧迫されるとの懸念が広がり、週間ベースでは2月以来最大 の下げとなった。

自動車のフォード・モーターは6日続落。ガソリン価格の高騰でトラック が買い控えられているとの認識を示したことから、売りが続いた。原油価格の 上昇を背景に、百貨店のノードストロムが売られ、小売株価指数は6週間ぶり の安値。4月の中古住宅販売が統計開始以来の最低水準に落ち込んだため、住 宅建設株価指数は週間ベースで2001年以来で最大の値下がりとなった。証券 大手のゴールドマン・サックス・グループは1999年の株式上場以来で最長の 9営業日続落。住宅関連資産の評価損が膨らみ、利益が損なわれるとの懸念が 続いている。

S&P500種は18.42ポイント(1.3%)下げて1375.93。ダウ工業株 30種平均は同145.99ドル(1.2%)安の12479.63ドル。ナスダックは

19.91ポイント(0.8%)値下がりの2444.67で終了。ニューヨーク証券取 引所(NYSE)の騰落比率は1対5。

ルーミス・セイレス(ミシガン州ブルームフィールド)で約30億ドルの 資産運用に携わるディーン・グリス氏は、「この2カ月ほどにみられた上げ相 場の勢いはいつの間にか失われた」と語る。「天井知らずの原油価格への懸念 が根本にある。これが個人消費への最大の足かせと見られている。住宅価格も 問題が多い。もしかしたら底打ちしたのではとの期待から買われていたセクタ ーでも、今ではまた売りが出るようになった」と述べた。

S&P500種の業種別10指数はすべて下落。ブルームバーグのデータに よると、500社のうち第1四半期決算を発表した461社の平均減益率は18%。 3四半期連続で低迷が続いている。

週間ベース

週間ベースではダウ平均は3.9%の値下がり。S&P500種は3.5%、 ナスダックは3.3%下げた。今週で最も下げたのは21日。同日公開された連 邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けて、市場では利下げ終了観測が広 がった。

フォード・モーターは4.1%安。アラン・ムラリー最高経営責任者(CE O)は22日遅く、フルサイズのピックアップ・トラック市場における同社シ ェアは昨年の14.1%から現在は9%に縮小したと述べた。企業向けの大量販 売やレンタカー会社への出荷台数はこれに含まれていない。

ムラリーCEOは、「ここまで急速な動きは見たことがない」と述べ、 「根本的な変化がみられる」と指摘した。

オートデータによると、フォードのピックアップ・トラック「Fシリー ズ」の販売は年初来4カ月で16%減少。自動車メーカー全体でのトラック販売 減少率14%より厳しい落ち込みとなった。Fシリーズは米国で最も売れている 車種であり、フォードの米販売のうち約4分の1を占める。

GM、D.R.ホートン

ゼネラル・モーターズ(GM)は4.5%下げ、ダウ平均の採用銘柄として は値下がり首位。部品メーカーのストを終結させるため、当初予定より1500 万ドル多い2億1500万ドルを拠出すると発表した。12週間続いたストの影響 で、今四半期の生産台数は23万台減少した。株価はこの1週間で15%下げた。

D.R.ホートンを中心に売られ、S&Pの住宅建設株価指数は6営業日 連続安。週間では16%近い値下がりだった。全米不動産業者協会(NAR)が 発表した4月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年換算、以下同じ)は前月 比1%減少の年率489万戸。4月の中古住宅価格(中央値)は前年同月比8% 低下し、これまでで2番目に大きな低下率となった。D.R.ホートンの株価 は3.1%下げた。

リバーソース(ミネアポリス)の主任市場ストラテジスト、デービッド・ ジョイ氏は、「住宅価格は今も下がり続けている。これは市場にとって大問題 だ」と語る。「消費者セクターの健全性について多くを物語っている」と付け 加えた。

ノードストロムは4.2%安。ウォルマート・ストアーズなども下げ、S& P500種の小売株価指数は1.3%下げた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物7月限 は前日比1.38ドル(1.05%)高の1バレル=132.19ドルで終了した。ドル が対ユーロで下落したため、ドル安へのヘッジから商品買いが入った。

AMEX航空株価指数は4.3%下落し、指数開始以来の最低を記録。週間 では2001年9月以来の最悪となった。AMRのアメリカン航空とUALのユ ナイテッド航空とはジェット燃料の価格急騰に対応するため、往復運賃を最大 60ドル引き上げた。両銘柄はいずれも3.7%値下がりした。

○米国債:反発。2年債利回りは過去1カ月半で最大の低下幅となった。4月の 中古住宅販売件数が減少し、住宅市場が引き続き景気全体の足かせになるとの見 方が強まり、買いが優勢になった。

米国株が週間ベースで下落したことも買い材料。5月のユーロ圏のサービ ス業と製造業の景気指数がエコノミストが予想していた以上に低下し、原油高 騰が世界的に景気を抑制していることを示唆した。

UBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、ウィリアム・オドネル 氏は「インフレ懸念が利回りを押し上げてきたが、少なくとも米住宅指標は非 常に弱い状態が続いている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後2 時5分現在、10年債利回りは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低 下して3.85%。10年債(表面利率3.875%、2018年5月償還)の価格は5/8上 げて100 7/32。2年債利回りは12bp低下の2.43%。米国債は全般に週間ベ ースではほぼ変わらず。

バークレイズの「売り」指定

バークレイズ・キャピタルは米国債を売りに指定している。米景気回復と インフレ高進で国債価格が下落するとの見方が理由。

バークレイズのグローバル資産配分責任者、ティム・ボンド氏は23日付の 顧客向けリポートで「米国債は売りだ。物価上昇率が8月までに5%を超える とみられているとき、利回りが3.9%近辺の10年債を保有し続けるのは根拠に 乏しい」と語った。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物相 場の動向によると、米連邦公開市場委員会(FOMC)が12月の定例会合でF F金利誘導目標を2.25%に引き上げる確率は41%。6月25日の会合に ついては2%で据え置く確率が92%となっている。

米英経済指標

全米不動産業者協会(NAR)が23日に発表した4月の中古住宅販売件数 (季節調整済み、年換算、以下同じ)は前月比1%減少の年率489万戸。同統 計開始以来の最低である1月と並んだ。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト予想の中央値は1.6%減の485万戸だった。前月は494万戸と、 速報値(493万戸)から上方修正された。

英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が23日 発表した5月のユーロ圏サービス業景気指数と製造業景気指数を合わせた総合 指数(速報値)は51.1と、前月の51.9を下回った。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミストの調査中央値は51.5。

株価との相関

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジスト、カー ル・ランツ氏(ニューヨーク在勤)によると、今月に入って15%上昇している 原油相場が債券と株式の両方に打撃を与え、国債利回りと株価の相関関係が崩 れた。同氏は「悪いインフレのニュースが両相場を圧迫している」と指摘した。

ブルームバーグのデータによると、4月30日までは2年債利回りとS&P 500種株価指数は81%の確率で同じ方向に動いていた。5月に入ってからは 27%にとどまっている。

原油相場が連日のように最高値を更新し、インフレ連動国債(TIPS) への需要が高まった。メリルリンチによると、TIPSの投資収益率は月初か ら1.4%。通常の国債は0.7%にとどまっている。

BNPパリバ・セキュリティーズは23日付の顧客向けリポートで、TIP Sの保有を勧めた。バークレイズは22日付のリポートで、食品やエネルギー、 輸入物価からのインフレ圧力を理由にTIPSには「割安感がある」と指摘し た。

10年物TIPSと通常の10年債の利回り差は2.54ポイント。前日には

2.59ポイントと、13日以来で最大に拡大した。同利回り差は今後10年のイン フレ期待を反映している。

米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告により、23日はニューヨーク 時間午後2時までの短縮取引。26日はメモリアルデーの祝日で休場となる。

○NY外為:ドルがユーロに対し週間ベースで3週連続下落。米住宅市場の減速 や最高値圏にある原油価格が米経済の成長を抑制しているのが背景。

ドルは円に対しても下落。対スイス・フランでは1カ月ぶり安値付近で取引 された。午前に発表された4月の米中古住宅販売件数が前月比で減少したのが売 りを誘った。人民元はドルに対し週間ベースで今年最大の上げとなった。インフ レ抑制を目指し、中国当局が元上昇を加速させているとの兆候を受けて元買いが 進んだ。

ウェルズ・ファーゴ・バンクの為替ストラテジー責任者、ニック・ベネンブ ローク氏は、「景気が失望され、しかも原油が高止まりしている状況は明らかに ドルにはリスクとなる。ドル相場の回復はさらに遅れることになるだろう」と語 った。

ニューヨーク時間午後4時10分現在、ドルはユーロに対して0.2%下落して 1ユーロ=1.5769ドル。前日は同1.5733ドルだった。対円では1ドル=103円 32銭、前日は同104円7銭だった。ユーロは対円で162円93銭と、前日の163 円73銭から0.5%値下がりした。

週間ベースのドル

週間ベースでのドルは主要16通貨のうち13通貨に対して下落。原油高騰が 背景だった。22日のニューヨーク原油先物相場は一時、バレル当たり135.09ド ルに上昇し、最高値を更新した。

過去1年間、対ドルでのユーロ相場と原油価格の値動きの相関係数は0.95。 これは95%の確率で同方向に推移していたことを意味する。

週間ベースでの豪ドルは対米ドルで0.5%上昇して1豪ドル=96.01米セント。 4週連続の値上がりとなった。商品相場の上昇を受けて、オーストラリアの中銀 が政策金利を据え置くとの観測が強まった。

中国外国為替取引システム(CFETS)によると、人民元は前週末比

0.7%高の1ドル=6.9417元だった。

ドルが対ユーロで下落

ドルは過去1年間でユーロに対して14%下落。米連邦公開市場委員会(FO MC)は昨年9月以降の連続利下げで、5.25%に設定されていたフェデラルファ ンド(FF)金利誘導目標を2%まで引き下げた。欧州中央銀行(ECB)は政 策金利を4%で据え置いている。

米連邦準備制度理事会(FRB)が今週公表したFOMCメンバーの経済予 測では、2008年の実質国内総生産(GDP)伸び率予想が下方修正された一方で、 食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)物価指数の見通しは上方修正さ れた。

金利先物市場動向によると、12月のFOMC会合でFF金利誘導目標が0.25 ポイント引き上げられる確率は40%となっている。また6月25日の会合で金利 が据え置かれる確率は90%となっている。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した4月の中古住宅販売件数(季節調 整済み、年換算、以下同じ)は前月比1%減少の年率489万戸。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は1.6%減だった。

○英国債:英国債市場ではインフレ加速と原油価格の記録的高騰で利下げ観測が 後退したことを受け、2年債利回りが10年債を上回り、2日連続で長短金利が 逆転した。

2年債相場は2週間ベースではここ14年で最大の下げとなった。クレデ ィ・スイス・グループのデリバティブ(金融派生商品)に基づく指数によれば、 イングランド銀が6月に0.25ポイント利下げする確率は1%に低下した。一方、 この日発表された2008年1-3月(第1四半期)GDP統計では英国がリセッ ション(景気後退)の瀬戸際にある兆候が強まった。今週以前に長短金利の逆 転が起きたのは昨年11月だった。

バークレイズ・キャピタル(ロンドン)の英国債営業責任者、アダム・マ コーマック氏は、「買い持ちポジションの手じまいが進んでいるのに加え、金 利見通しの変化が相場を押し下げた」と指摘。「長短金利の逆転は過剰反応と も言えるが、リセッションのリスクはかなり高まった」と付け加えた。

10年債相場は株安を背景に上昇した。同利回りはロンドン時間午後4時48 分までに、前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ4.92%と なった。同国債(償還2018年3月、表面利率5%)価格は0.28ポイント上げ

100.64。2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの5%。過去2週間では72bp上 昇し、1994年3月以来で最大の上げとなった。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りはマイナス8bpと、昨年11月6 日以来で最大のマイナス幅に近づいた。

○欧州債:独10年債相場が上昇した。株式相場が下落したのに加え、民間調査で 5月のユーロ圏サービス業と製造業の景気指数が低下したことが背景。週間ベー スでは2週連続で下落した。

英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が発表し た5月のユーロ圏サービス業景気指数と製造業景気指数を合わせた総合指数は

51.1と、前月の51.9を下回った。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミストの調査中央値は51.5だった。欧州企業の社債保証コストが4日連続で上昇 したことも相場への押し上げ要因となった。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロンドン在勤) は、「この日のデータはやや軟調だった。これが国債相場への支援材料となっ た」と述べた。「しかしながら相場を動かす目先の大きな話題はインフレだ。投 資家が経済成長に焦点を移すには、もっと弱い経済統計が出てこなくてはならな い」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時54分までに、10年債利回りは前日比4ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)下げ4.26%となった。同国債(2018年1月償還、 表面利率4%)価格は0.27ポイント上げ97.93。

2年債利回りはほぼ変わらずの4.20%。週間ベースでは23bp上昇した。過 去2週間の上げ幅はユーロ導入の1999年以来で最大。インフレ抑制に向けたEC Bの利上げ観測が市場で強まっていることが示唆された。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

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