経産省:海外子会社利益の国内還流へ法人税免除を-経済成長戦略(2)

甘利明経済産業相は23日の経済財政諮問会 議に、海外子会社の利益の国内還流を促進するための法人税免除などを柱とし た「新たな経済成長戦略」の原案を提出した。海外にとどまっている約17兆円 (2006年度)もの内部留保を国内の設備投資や研究開発に振り向けることで成 長を促すことが狙い。経済産業省は09年度税制改正で要望する方針だ。

現行制度では、海外子会社の利益を日本国内に戻す場合、海外で法人税を 納めた後も、海外の税率が日本の法人税率40%より低ければ、差額分の納税が 求められる。しかし、欧米やアジアでは法人税率が日本より低い国が多く、日 本の海外子会社の「成長の果実」が国内還流につながらないのが現状だ。

海外子会社の内部留保は04年度以降、約2-3兆円(単年度)で推移して おり、06年度は3兆2402億円と01年度の1378億円に比べて23.5倍に膨らん でいる。これを受け、同省は現行税制のままでは海外利益が過度に海外に留保 される恐れがあるほか、研究開発投資が国外へ出てしまう可能性を指摘。恒久 措置として法人税の課税対象を国内所得に限定し、海外で得た利益は非課税に するよう求めている。還流所得の使途については制限しない考えだ。

海外ではフランス、ドイツ、カナダなどが海外子会社からの利益に課税し ない「国外所得免除制度」を導入。日本と同様に課税している米国や英国は免 除制度への移行を検討している。米国では05年に1年間の時限措置として還流 所得にかかる法人税率を引き下げ、資金還流が急増した前例もある。

08年度与党税制改正大綱は「企業の海外での利益の多くが海外に留保され 還流されていない」と現行税制の問題点を指摘した上で、「国際競争力の強化、 経済の活性化、二重課税排除、制度の簡素化の観点から、英米などの動向を注 視しつつ、総合的に検討する」とし、今後の課題として挙げている。

大和総研の亀岡裕次シニアエコノミストはブルームバーグ・ニュースに対 し、米国の事例を参考にすれば5兆円程度が還流するとの見方を示した上で、 「減税することで政府の関与がなく、企業が機動的に資金需要に応じて自由に 活用できる。企業が設備投資を促進し、収益が上がれば個人所得の増大にもつ ながり、景気浮揚効果も期待できる」との見方を示している。

一方で、クレディ・スイス証券経済調査部の小笠原悟ヴァイスブレジデン トはリポートで、「恒久的な非課税化であれば、企業は一度に資金を還流する必 要はなく、その時々の資金需給や市場動向を見極めながら長期に平準化する可 能性がある」とし、経済効果は限定的としている。

--共同取材 氏兼敬子 Editor: Hitoshi Ozawa、Kenzo Taniai

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