3月決算企業の前期配当金総額は6兆7000億円強、新光総研の稲垣氏

新光総合研究所の稲垣智博クオンツアナ リストは23日、ブルームバーグ・テレビとのインタビューで、「3月本決算 企業の2008年3月期の配当金総額は6兆7000億円を超えて過去最高を更新す る見通しとなってきている」と述べた。前の期と比べて増配となる企業も、全 体の41%に当たるなど高水準にあるという。

また、新光総研が21日時点で集計・試算したところによると、東証1部 上場の3月本決算企業のうち、前期の配当増加率が20%以上で、今期(09年 3月期)も増配見込みの企業群の株価は05年6月以降、およそ3年間でプラ ス20%超のパフォーマンスを得ているという。「企業業績が堅調に推移してく る中で、株主還元を重視している企業が評価されている」(稲垣氏)。

一方、同じく東証1部の3月決算企業で、08年3月期に実施した自社株買 い実施額(金融を除く)は初めて3兆円を超え、過去最高を更新したそうだ。 自社株取得社数は減ったものの、「従来は取得枠を設定しても取得しなかった 企業が多かったが、そういった企業は減り、発表した企業は実際に取得してい るという点で精度は上がってきている」(稲垣氏)。

業種別で自社株買い実施額が多かったのは、輸送用機器の4764億円、電 機の3616億円、鉄鋼の3598億円、情報・通信の3394億円、卸売の2852億円 など。稲垣氏によると、「輸送用機器と電機は06年3月期、07年3月期も上 位にきており、好業績で手元資金が膨らみ、株主還元に目を向けている。鉄鋼 はここ数年好業績で推移し、足元は買収リスクも高まっていることから、還元 姿勢を強めている」という。

同総研の調べでは07年1月以降、自社株買いを発表した前後20営業日の 該当東証1部企業の株価パフォーマンスを見ると、3%超値上がりしている結 果が得られたそうだ。最近でもNTTやニコンなど有力企業が自社株買いを発 表、翌日にストップ高となっているケースも見られ、「配当と並ぶ株主還元策 である上、株価下落もあって自社株買いの存在感が高まってきている」と、稲 垣氏は話している。

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