今日の国内市況:日経平均が続伸、債券急落、ドル小動き-104円付近

週末の東京株式相場は、日経平均株価が続 伸。3日ぶりに終値で1万4000円台を回復した。米国市場でインフレ進行観測 が高まる中、為替相場では金利の先高観からドルが買い戻れ、円安傾向となっ た。

採算好転期待で京セラや信越化学工業、松下電器産業など輸出関連株の一 角が上昇。スイスのロシュが株式公買い付け(TOB)で持ち株比率を増やし、 関係を強化する中外製薬など医薬品株、ゴールドマン・サックス証券が注目銘 柄に新規採用したT&Dホールディングスなど保険株も買われた。

日経平均株価の終値は、前日比33円74銭(0.2%)高の1万4012円20銭。 一方、TOPIXは同2.98ポイント(0.2%)安の1376.69。東証1部の売買高 は概算で21億9947万株。東証1部の騰落状況は値上がり銘柄673、値下がり 925。東証業種別33指数は17業種が上昇、下落は16。

日経平均は小幅安で始まった後、早々にプラス圏に浮上。その後はじり高 となり、午前は高値引け。午後に入ると先物主導で一段高となり、一時は前日 比178円高の1万4157円まで上昇。インフレ警戒が高まって急落した際に形成 された5月20日の安値(1万4121円)、5月21日の高値(1万4041円)のチ ャート上の空間(窓)を埋めた。

日経平均先物の出来高は12万4438枚と、3日続けて活況の目安とされる 10万枚を超えた。こうした中、株価指数をけん引したのが輸出関連株の一角。 為替相場の円安進行を背景に、TOPIXの上昇寄与度上位には電気機器が入 った。

個別に上昇した銘柄では、三菱商事と住友商事の折半出資会社と合併する テレパーク、海外農薬販売が大きく伸びたことなどから3月中間期の連結純利 益が市場予想を上回った日本農薬、三菱UFJ証券が目標株価を引き上げた富 士紡ホールディングスが大幅高となった。液晶向けTACフィルムの値崩れ懸 念が後退したコニカミノルタホールディングスなどが急伸。

半面、石油や金価格の下落などを受け、三菱商事などの大手商社、国際石 油開発帝石ホールディングスなどの鉱業株、住友金属鉱山などの非鉄関連株と いった資源株が下落。

債券は急落、米債安や株高で-一時1.755%と9カ月ぶり水準

債券相場は急落(利回りは上昇)。前日の米国市場で、インフレ懸念を背景 に米国債が続落したことや、日経平均株価が続伸して1万4000円台を回復した ことを受けて、売りが膨らんだ。投資家のリスク許容度が低下しているという。 先物中心限月は一時、昨年8月以来の134円割れ。新発10年債利回りは約9カ 月ぶり高水準となる1.755%まで上昇した。

東京先物市場で中心限月6月物は大幅続落。前日比1円2銭安の134円40 銭で寄り付いた後、午前9時34分ごろに日中高値134円84銭をつけた。その 後は、再び売り優勢となり、午後1時27分ごろに133円93銭まで下げた。134 円割れは、2007年8月10日以来、約9カ月ぶり。結局は1円7銭安の134円 35銭で引けた。6月物の日中売買高は5兆7849億円。

現物債市場で新発10年物の292回債利回りは、前日比6.5ベーシスポイン ト(bp)高い1.73%で取引開始後、一時は1.70%まで上げ幅を縮めた。しかし、 その後は再び水準を切り上げ、午後零時34分ごろに1.755%まで上昇。新発10 年債としては、昨年8月9日以来の高水準をつけた。

また、新発5年債利回りは一時、11.5bp高い1.325%まで上昇。昨年8月 10日以来の高水準をつけた。午後3時過ぎは9bp高い1.30%で推移している。

ドル小動き、米インフレ加速の影響見極め-原油先高を警戒

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=104円台前半を中心に小幅な 値動きに終始。原油相場の反落を受けた米株上昇を背景にリスク回避姿勢が緩 和するなか、日本株の底堅い推移も相まってドル売り・円買いが鈍化。ただ、 原油相場が再び騰勢を強める公算も残ることから、米国のスタグフレーション (景気減速下の物価上昇)懸念はくすぶっており、ドルの上値は抑えられた。

市場では、原油相場の高止まりを背景にインフレ警戒感が高まるなか、前 日に発表された米国の雇用関連指数が強含みとなったことで、足元では利上げ 観測が強まっており、ドルを下支えする格好となっている。

一方、インフレの加速が個人消費を圧迫する可能性も警戒され、景気の先 行き不透明感が強まっている面もあるという。

このため、米国株式相場は3日ぶりに上昇し、株価の予想変動率の指標で あるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指 数)は18.05と、9日以来の高水準を付けた21日の18.59から低下した。

損失リスクを伴う投資先の代表格とされる株式への警戒感が和らぐと、外 為市場では、低金利の円から高金利通貨などに資金がシフトするリスク選好的 な動きが出やすくなる。海外市場のドル・円相場は一時104円39銭(ブルーム バーグ・データ参照、以下同じ)と、2日ぶりの水準までドル高・円安が進行 した。

東京市場では、朝方の取引で103円96銭まで円が値を戻す場面が見られた が、日経平均株価が節目の1万4000円台を回復して底堅い展開となったことか ら、104円25銭まで円が下押され、その後も104円台前半で推移した。しかし、 午後の取引で株価が伸び悩むと、ドル・円相場は午前に形成したレンジ内でこ う着した値動きに陥り、結局、日中の値幅は29銭にとどまった。

ユーロ・円相場も朝方は1ユーロ=163円57銭まで円が上昇したあと、163 円86銭まで軟化。その後は4月28日以来の円安値圏で小幅な値動きに終始し た。欧州時間に向けては163円46銭まで円が上昇している。

ユーロ・ドル相場は前日の取引で一時1ユーロ=1.5814ドルと、4月24日 以来の水準までユーロ高・ドル安が進行。その後は1.5693ドルまでドルが値を 戻したものの、この日の東京市場では再び1.57ドル台前半に軟化して推移した。 欧州時間に向けては一時、1.5697ドルをつけた。

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